伊藤あさひ
会話劇で繰り広げられるミステリーの緊張感と
高校生らしい儚さや青春を味わえる作品です
2022年11月4日から放送・配信がスタートされている「WOWOWオリジナルドラマ 早朝始発の殺風景」に出演する伊藤あさひさん。高校生の時にスカウトされ、2017年に「緊急取調室 シーズン2」で俳優デビュー以降、スーパー戦隊シリーズの第42作「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」で初の主演を務めるなど、今勢いに乗る若手俳優として注目を集めています。今回は18日放送の第3話「夢の国には観覧車がない」にてフォークソング部に所属する寺脇役を演じたあさひさんに、作品の魅力やその背景などについて語ってもらいました。
<あらすじ>
《青春は気まずさでできた密室だ》 朝5時35分。自身の通う高校のある終点まで向かう、ガラガラの始発電車に乗り込む高校生の加藤木(奥平大兼)。だが、なぜかそこにお互いの話したこともないクラスメイトの殺風景(山田杏奈)がいた。早朝始発にわざわざ乗る理由は何か?それぞれの思惑はどこにあるのか?「加藤木君、アリバイづくりはうまくいきそう?」。ガラガラの車内で交わす会話で、2人の高校生は小さな謎を探り合う―。デビュー作で鮎川哲也賞を受賞し、“平成のエラリー・クイーン”と称された⻘崎有吾原作の、小さな謎が会話劇の中で解き明かされる新感覚の“密室型”⻘春ミステリー。11人の高校生たちが送る“五つの密室劇”の舞台は、早朝の始発電車や放課後のファミレス、観覧車などさまざまあり、互いの腹を探り合いながら真相にたどり着いていく。
今回の作品について、
印象に残っていることはありますか?
今回の作品はオムニバスのように、1話ごとにひとつのシチュエーションで物語が展開されていきます。僕が出演させていただいた第3話は観覧車の中で繰り広げられる会話劇のミステリーなのですが、撮影がほとんど長回しで行われたのがとても印象的でした。僕が演じた寺脇は、“ほとんど軽音楽部寄りのフォークソング部”に所属しているのですが、ギターを弾くシーンがあったのも印象に残っています。僕は3、4日くらいの短い撮影期間だったのですが、とても楽しく臨ませていただきました。ただ、観覧車のシーンはほとんど一日で撮影しきらなければならず、ずっと観覧車に乗っていたので、それは少し大変でした(笑)。オンエアで一周したことにしなければならなかったので、観覧車を時計の針で例えると6時から9時の間のシーンを何度も撮影したり、という感じで(笑)。
物語のメインの舞台は始発の電車ですが、
あさひさんの高校生時代は電車通学でしたか?
電車通学でした! 高校の頃はバトミントン部に所属していたのですが、朝練とかはなかったので、今回のドラマのように始発ではなかったです(笑)。ガラガラでもなくて、むしろ毎日ぎゅうぎゅうだったので、どちらかという辛かったです(笑)。
あさひさんが演じる寺脇という役柄について
教えてください!
寺脇はフォークソング部の部長を務めているのですが、ちょっと素直になれない一面があったり、自分から一歩踏み出すことが苦手だったりなど、そういう不器用さみたいなところがある性格なので、それを全面的に出そうと思って演じました。僕自身の性格が少しひねくれている部分があるかも、と思っているので、そこは少し寺脇と似ているかもしれません(笑)。安心できる人に対してじゃないとなかなか心を開くことができないというか。ただ、僕は奥手というわけではないとは思うので、そこは寺脇とは違う部分かもしれません(笑)。
現場の雰囲気はいかがでしたか?
すごく楽しい現場でした! 撮影時間も限られていたので、みっちりリハーサルをしてから本番に臨ませていただいたんですが、そのおかげもあってか共演者の望月くんとも仲良くさせていただきました。ドラマの役柄での、部活の先輩と後輩の関係と同じようなコミュニケーションの取り方が実際にできて、和気あいあいとした雰囲気でした。望月くんとは撮影中というか、ほとんど一日中ずっと観覧車で一緒で、初めのうちは何話そうかなあって困ったりもしたんです。ほんとうに密室なので(笑)。でも世間話とかをしていくうちに、いつのまにか撮影が終わっていました。
観覧車はお好きですか?
観覧車は好きですけど、あんまり乗る機会は最近少ないですね。このドラマで観覧車を乗ると聞いた時に、そういえば最近乗ったような、って思い出したんですけど、それも数年前に出演させていただいた恋愛ドラマの現場でした(笑)。プライベートで乗ったのは本当に小さいころしかないです。またプライベートでも乗りたいです!
最後に、作品の見所を教えてください!
全体の物語の主軸は、加藤木の殺風景との始発電車でのやりとりにあるのですが、他の登場人物の物語もそれぞれが凄いミステリー調にはなっていながら、青春っぽさがにじみ出ているんです。ミステリーの緊張感の中に、儚さやほっこりする要素などもたくさん詰まっているというか。謎の真相だけでなく、高校生ならではの青春の1ページみたいな味も楽しんでいただけると思うので、是非注目してご覧いただきたいです!
伊藤あさひ
いとう あさひ
目力があり、スタイルがよく、すべてが綺麗な伊藤さん。インタビュー中はふんわりとした穏やかな空気を纏っていました。撮影がはじまると伊藤さんの柔らかく優しい空間へと連れて行ってくれました。つかぬ間の癒しをありがとうございました!
『WOWOWオリジナルドラマ 早朝始発の殺風景』(全6話)
身近でありきたりな日常から非日常へと突如変化させるひと言、腹の中を探り合うような心理戦。会話劇によって解き明かされていく真相と、息苦しさからの解放。脆くて青い人間模様を密室での特異なシチュエーションで描いた新感覚・青春ミステリードラマ。
WOWOWプライムにて毎週金曜 午後11:30~放送中
WOWOWオンデマンドでは、第4話まで絶賛配信中
12/2(金)の放送終了後に最終話まで一挙配信
https://www.wowow.co.jp/drama/original/sappu-kei/
※Team Credit
カメラマン:涌井光
ヘアメイク:沼田真実(ilumini.)
スタイリスト:鴇田晋哉
ディレクション:半澤暁
インタビュー:小枝指優樹
記事:小枝指優樹、近谷奈生