町田啓太
映画『ミステリと言う勿れ』
理紀之助は実直で不器用な所もある愛おしい人
これまでFASTに5回ご登場いただき、その時々の話題作に出演されてきた町田啓太さん。この秋は、2023年9月15日から公開の映画『ミステリと言う勿れ』に出演します。本作は、2022年1月期のフジテレビ月曜9時枠で放送された菅田将暉さん主演ドラマの劇場版。映画では、原作でも人気のエピソード、通称“広島編”が描かれています。町田さんが演じるのは、狩集家の遺産相続候補者の一人・狩集理紀之助(かりあつまり りきのすけ)。念願だったという本作出演への思いや演じた役についてなどをお聞きしました。
Ⓒ田村由美/小学館 Ⓒ2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社
<あらすじ>
天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整は、美術展のため広島に訪れていた。そこで、犬堂我路と知り合いだという女子高生・狩集汐路と出会い、バイトを持ちかけられる。それは、狩集家の莫大な遺産相続をめぐるものだった。当主の孫にあたる4人の相続候補者たちと狩集家の顧問弁護士の孫・車坂朝晴は、遺言書に書かれた「それぞれの蔵においてあるべきところへ過不足なくせよ」というお題に従い、遺産を手にするべく謎を解いていく。
まずは
今回のオファーを聞いた時の気持ちから
教えてください。
元々原作のファンだったので、本当に嬉しかったですね。ドラマ化した時も拝見していたのですが、原作の雰囲気を大事にされているなということがすごく伝わってきたんです。この作品の世界観をしっかりと実写化でも表現されていて、一視聴者として「すごいな」と思っていました。しかも今回は、原作でもかなり人気のある「広島編」の映画化に出演できるということで、ちょっと興奮しました。
町田さんが演じた狩集理紀之助は、
メガネをかけたインテリなルックスが特徴の
臨床検査技師という役どころです。
この役を聞いた時はいかがでしたか?
予想だにしていなかったので、初めて聞いた時は「理紀之助か!」と思いました(笑)。もちろん光栄なのですが、僕のイメージでは理紀之助はもう少し年上のイメージがあったので「僕でいいのかな」とも思いましたが、原作の素敵な理紀之助をちゃんと表現できるように、リスペクトをもって臨みたいなという気持ちでした。
理紀之助のどういうところに魅力を感じますか?
言いたいことがあるのになかなか言えない、ちょっといじらしい所がある人なんですよね。原作で描かれている、純粋に相手のことを「好き」って思える実直なところがすごく愛おしいなと思える人なんです。器用そうに見えるけど、実はちょっと不器用なところもあって、そういう人間的なところも魅力的だなと思いました。
「ミステリ」組には今作が初参加でしたが、
現場の雰囲気はいかがでしたか。
今回は初めて共演させていただく方が多かったですし、「ミステリ」の出演も初めてだったので「どんな感じなのかな」と少し緊張していたんです。最初の撮影シーンは、狩集家の遺産相続人候補である孫4人が呼ばれて、遺言書を聞く場面だったと思います。割と厳かな雰囲気だったので「これが『ミステリ』の現場なんだな」、「あまり変なことを言わないようにしよう」と思っていたんですが、撮影を重ねていくうちに、気づいたらみんなすごく仲良くなっていましたね。
Ⓒ田村由美/小学館 Ⓒ2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社
現場では菅田さんが整くんのように
みなさんの心を解してくれたそうですね。
そうなんです。今思い返してみると、みんなが仲良くなれるような話の振り方やパスを、菅田くんがちょいちょい投げてくれていたんだなと思います。撮影の待ち時間にみんなでゲームをした時も、菅田くんがそれとなく誘ってくれて、気づいたらみんな楽しくやっていたという感じだったので。きっとご本人は座長として「俺が引っ張っていく」といったことは意識されていないのでしょうけど、僕らは全員、菅田くんの手の上で転がされていました(笑)。
そんな菅田さんの俳優としての魅力を
どんなところに感じましたか。
菅田くんはお芝居に対してすごく誠実な方なんですよ。監督とディスカッションしたことを他の人たちにも共有してくれて、みんな一緒になって作ろうとしてくれている感じがひしひしと伝わってきたので、やっぱり素晴らしい俳優さんだなと思いました。
整くんと理紀之助たちのストパーのくだりが
おもしろかったです!
僕もあのシーンはすごく好きです。原作で描かれているのは本当に一瞬なのですが、そこを映画にも引っ張ってきてくれてありがとうと思っていました(笑)。実はあのシーン、しばらくの間やっていたんですよ。今回は日常的な会話が割と少なかったこともあって、菅田くんもすごく乗ってくれて楽しかったです。
ミステリーでありながら
クスっと笑えるところもあって、
そのバランスがいいですよね。
そうなんですよ。なので、僕も理紀之助としてもう少し遊んでみたかったなと思います。原作だと、整くんとの会話ももっとあったし、理紀之助は従兄弟の新音(ねお)と大事な話をする前にちょっとじゃれ合ったり、くだらない話もしたりするんです。そういうのもちょっとやってみたかったですね。
広島弁のセリフはどうでしたか。
実は僕、以前も広島弁の役を演じたことがあるんです。その時は割とコテコテの広島弁だったのですが、今回は割とマイルドで、1回やっていたこともあって少し馴染みはありました。今回は理紀之助の職業柄とキャラクター性みたいなところのバランスも監督たちと話し合って、あまり広島弁を強調しない話し方にしようということは決めていました。
逆に、萩原利久さんが演じた波々壁新音は
バリバリの広島弁でしたね。
新音は自分の事を「わし」って言うんですけど、菅田くんたちと「わしっていいよね。僕も言いたいな」と話していたんです。結構独特ですよね。そういえば、大学の時に先輩で自分のことを「わし」と言っている人がいたんです。多分その人は広島出身じゃなかったと思うんですけど(笑)、広島弁が使いたくなる気持ちはなんとなく分かります。
最後に、映画を楽しみにしているみなさんへ
メッセージをお願いします。
遺産相続というとギスギスした感じの作品なんじゃないかと思われるかもしれませんが、決してそれだけの内容で終わらないのが「ミステリ」だと思います。今回参加させていただいて、僕は整くん含め狩集家の独特な雰囲気がとても好きでした。仲良しこよしというわけではないけれど、コミュニケーションがちゃんと取れている関係性で、僕らもそういう中で撮影をしていたので、作品の中でもその感じがちゃんと出ていると思います。ぜひ劇場でご覧ください。
町田啓太
まちだ けいた
撮影中、男性スタッフからも「かっこいい」の声が上がりまくるほど、色気全開でどのカットもかっこいい町田さん。理紀之助のメガネ姿とのギャップも最高でした。後編では、原作ファン目線の整くんのお話や町田さんご自身のお話を伺っていきます!
1990年7月4日生まれ。
最近の出演作に、連続ドラマW『フィクサー』Season1・Season2、ドラマ『unknown』(‘23)、WOWOW『ドラフトキング』(‘23)、Netflix『今際の国のアリス』(‘20・22)、ドラマ『テッパチ!』(‘22)などがある。2024年放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』への出演も控える。
Ⓒ田村由美/小学館 Ⓒ2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社
映画『ミステリと言う勿れ』
2023年9月15日(金) 全国東宝系にて公開
原作:田村由美『ミステリと言う勿れ』(小学館「月間フラワーズ」連載中)
監督:松山博昭(『信長協奏曲』(2016年))
脚本:相沢友子(『本能寺ホテル』(2017年))
音楽:Ken Arai
主題歌:King Gnu「硝子窓」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社
出演:菅田将暉
松下洸平 町田啓太 原菜乃華 萩原利久
鈴木保奈美 滝藤賢一 でんでん 野間口徹
松坂慶子 松嶋菜々子
伊藤沙莉 尾上松也 ・ 筒井道隆 永山瑛太
角野卓造 段田安則 柴咲コウ
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:KOHEY
スタイリスト:石川英治(TABLE ROCK.STUDIO)
ディレクション:半澤暁
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/緒方百恵