鈴木仁
映画『からかい上手の高木さん』
「何気なく言った言葉が、周りの人を動かしている」
これまで2回「FAST」にご登場いただき、その時々の話題作に出演されてきた鈴木仁さん。2024年5月31日から公開の映画『からかい上手の高木さん』で鈴木さんが演じるのは、西片とは中学生のころからの付き合いで、今も同じ母校で教師として働く中井。台本を読んで感じたことや演じた役について、さらに映画の見どころなどをお聞きしました。
©©2024映画『からかい上手の高木さん』製作委員会
<あらすじ>
とある島の中学校。隣の席になった女の子・高木さんにいつもからかわれている男の子・西片は、どうにかしてからかい返そうとさまざまな策を練るも、彼女に見透かされて失敗ばかりしていた。そんな2人の関係はずっと続くと思っていたが、高木さんがある理由から引っ越すことになり、心に秘めた互いへの思いを伝えることなく2人は離ればなれになってしまう。それから10年が過ぎたある日、母校で体育教師として奮闘する西片(高橋文哉)の前に、高木さん(永野芽衣)が教育実習生として現れる。
これまでアニメ化やドラマ化などもされている人気作ですが、脚本を読んでみていかがでしたか。
漫画を読むことが元々好きなので、原作は何巻か読んでいました。最初はどういう形で映画にするのかなと思っていたんですけど、脚本を読んでみると今泉さんらしい長シーンが出てきたり、キャラクターそれぞれの個性を強調したりするよりも、ナチュラルな人物像を描いていて、原作物なのに今泉監督が作る映画の良さというのがちゃんと残っているなと感じました。
どういう会話のリズムや雰囲気で撮影が行われるんだろうということがすごく想像しやすくて、最初から色々なことを想像できながら脚本を読めたのは印象深いですね。
撮影前に実写ドラマ版もご覧になって参考にされたそうですね。
映画はドラマ版からの成長でもあったので、自分が演じる中井がどういうキャラクターで、どんな感じでドラマに出ているのかなというところを主に見ていました。ドラマを見ている方の中には、中学生時代の中井はこういう子(川尻拓弥)がやっていて、その子が成長した話として映画を見てくれる方もきっといるし、映画だけを見る人、原作からずっと見続けている人と色々な方がいらっしゃるので、中井を含め、登場人物たちの成長過程をかわいらしく思ってもらえるようにというところは意識しました。
鈴木さんが演じた中井は、鈍感なところもありますがそこが愛おしくも感じました。演じる上で、何か他に意識したことはありますか?
西片との関係は昔からあるので、そこの関わり方はぶらさないようにしようと思いました。中井自身で言えば、少し変わっている人と思われてもいいから、ストレートな気持ちで演じようと思っていましたね。
変に役を作ろうとか「こういうシーンにしたい」ということよりも、中井は何も考えず言ったようなセリフが多いんです。例えば、ボーリングに行って「次お前の番じゃない?」みたいなニュアンスで、きっと本人はあまり深く考えずに発した言葉が、意外と周りの人の心に刺さったり動かしたりして。ピュアさゆえに出た言葉が中井ならではだと思うので、意識してしまうとそれが変な方向に向いてしまうと思い、西片との会話もストレートに思ったことを話しているリズムを感じながら演じていました。
普段はのらりくらりとしているけど、同窓会のシーンで中学の同級生で今は婚約者の真野に思っていることをストレートに伝えたセリフはちょっとずるいなぁと思いました(笑)。
ずるいんですけど、とにかく鈍感なんですよね。それが相手に負担をかけることもあるけど、嘘なく全部にまっすぐだから言う言葉の良さもあるので、そこが彼のかわいらしさだなと思います。
高橋文哉さんとは中井と西片の関係性をどのように作り上げたのですか。
元々文哉は共演したこともあったし、変に「こうしよう」って話しあったわけではなく、 僕は中井としてそこにいて、文哉の西片を感じながら二人の関係性を出したという感じですかね。多分、中井も誰かと突出して仲良くなるタイプというよりかは、誰とでも気がねなく話せる人だし、ぽけ~っとしているところがあるので、役をものすごく作り込んで、ということはなかったです。
文哉はこれまで、キリッとした役や「THEイケメン」みたいな役が多かったけど、今回の西片という役を通して、僕もまた違う一面が見えたなとは感じました。
では最後に、鈴木さんが思う「中井くん的見どころ」と「作品全体の見どころ」、そして映画を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
中井は鈍感が故にいろんな影響を与えていく人物でもあるので、実は中井が何気なく言った言葉が西片に影響を与えていたり、他のみんなの恋愛にも絡んできたりするので、彼しか持ってない面をたくさん感じてもらえたらなと思います。
作品全体としては、本当にかわいらしい映画ができたと思っています。みんなが素敵な関係性を持っていて、だけど言葉では簡単に伝えられないみたいなモヤモヤがこの作品の魅力だと思っていますし、きっと小豆島で生まれ育った環境だからこその関係性もあるんじゃないかな。この島の人たちの生き方も勉強になると思うし、こういう生活もいいなと憧れてくれる人もいるんじゃないかなと思うので、そんな魅力的なものがたくさん見つかる作品です。ぜひ劇場に観に来てください。
鈴木仁
すずき じん
1999年7月22日生まれ。
シャープな小顔にスラっと長い手足の抜群のスタイルで登場された鈴木さん。お写真では流石俳優業の傍モデル業も兼任されているためポーズジングはとてもスマートで。かっこいいお写真をたくさん撮影させていただきました。近寄ったお写真と全体が写る写真どこの写真でも鈴木さんらしいクールな雰囲気が出ていて、周りもとてもかっこいいと言ってしまうほどのオーラがありました。写真ではとてもかっこよく、ドラマや雑誌で受けるクールな第一印象でしたが、実際お会いしてみるとても気さくで、衣装直しでのニコッとした表情はとてもギャップに感じました。後編では鈴木さんの学生時代や趣味などご本人について迫っております。お楽しみに!
4月期のテレビドラマでは、テレビ東京『95』(‘24)に出演。最近の出演では、フジテレビ『大奥』(‘24)、テレビ東京『さらば、佳き日』(‘23)、映画では、『八犬伝』(‘24)、『モエカレはオレンジ色』(‘22)、『のぼる小寺さん』(‘20)などがある。
©©2024映画『からかい上手の高木さん』製作委員会
『からかい上手の高木さん』
キャスト:永野芽郁 高橋文哉
鈴木仁 平祐奈 前田旺志郎 志田彩良 / 江口洋介
原作:山本崇一朗「からかい上手の高木さん」(小学館「ゲッサン少年サンデーコミックス」刊)
監督:今泉力哉
脚本:金沢知樹 萩森淳 今泉力哉
主題歌:「遥か」Aimer(SACRA MUSIC/Sony Music Labels Inc.)
音楽:大間々昂
コピーライト:©2024映画『からかい上手の高木さん』製作委員会 ©山本崇一朗/小学館
※Item Credit
Jaket:¥107,800/th products
Shirt:¥62,700/th products
Pants:¥74,800/th products
other:スタイリスト私物
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:NOBUKIYO
スタイリスト:小松嘉章
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿