【倉悠貴×西垣匠】俳優をやっていて、一番楽しい瞬間は

Salon de FAST

2024年11月26日

倉悠貴×西垣匠

俳優をやっていて、一番楽しい瞬間は

11月22日から公開中の映画「六人の嘘つきな大学生」で共演した倉悠貴さんと西垣匠さん。インタビュー後編では、同世代のお二人にお互いの印象や、今後共演したらどんな役がいいか、また、俳優をやっていて楽しい時を教えていただきました。お二人の会話の雰囲気をお楽しみいただけたら幸いです♪

お二人は同い年ですが、お互いのどんなところに刺激をうけますか？

西垣匠（以下、西垣）：同年代の俳優の中でも上手だなと思っていました。お芝居もそうだし、現場での振る舞いやもの作りに対しての姿勢、台本の読み合わせの時に出すアイディアなど、今回近くで見ていてとても刺激になったし、勉強になりました。

倉さんは普段から積極的にアイディアを出されるのですか？

倉悠貴（以下、倉）：そうですね。特に今回の場合は6人で作っていく映画だなと思ったので、どうやってみんなで面白くしようかということは、西垣くんも含め、みんなでアイディアや意見を出し合っていました。

僕はこれまで、同世代の俳優さんと共演することがほとんどなかったので、すごく新鮮でした。今作で言うと、「僕が袴田をやるんだったらこうやるな」といったことをほかの役でも考えたし、「西垣くんはこの役に対してこういうアプローチをするんだ」と僕にはできないことを見せてくれたので、僕もすごく勉強になったしそばで見ていて面白かったです。

西垣：ありがとうございます（と言って、頭を下げる）！

特に見てほしい一押しシーンを教えてください。

倉：う～ん、どこだろう。あ、2人で取っ組み合いになるシーンとか？

西垣：倉くんが演じる森久保が水を飲もうとしている時に、僕が演じる袴田が思いっきり突き飛ばして水がかかるという流れがあるのですが、それは現場で生まれたことなんです。でもあの時、思いのほか力が強めにはいっちゃって……。

倉：テストの時はそこまで強くする予定はなかったんです。早めに言っといてほしかったな(笑)。

西垣：だから、あの日からずっと「本当にごめん！」って思っています。

倉：でも、全体的に動きが少ない映画だから、そのおかげでダイナミックなシーンができたし、そういうのってすごく大事だよねって話をしたよね。

お二人が俳優をやっていて、一番楽しい瞬間はどんな時ですか？

西垣：僕は現場にいる時ですかね。割と頭を使って考えてしまうのですが、現場に行ってカメラの前に立った時に、今まで考えていたものと違ったものが出た時や「自分ってこういう顔できるんだ」「こういう声も出せるんだ」とか、そういったことにどんどん気づける時が楽しいなと思います。

今回の現場ではどんなところでそう感じましたか？

西垣：袴田が自分の過去（嘘）を暴露されてからは、自暴自棄になって暴れまわるのですが、今までそういうお芝居をしたことがなかったし、普段の自分と結構離れている役柄だったので、普段人には言わないような暴言を発しているのも不思議な感覚でした。

僕の1日目の撮影が、過去を暴露された後の袴田の顔に寄っていくところで終わったんです。その翌日の朝一で撮ったセリフが「なんだよこれっ！」って叫ぶシーンで。

倉：映画の予告編に映っているシーンだよね。

西垣：そうそう。「誰がこんなもの用意したんだよっ！」と怒鳴るシーン。できればこの流れは1日で撮ってほしかったなと(笑)。

倉：いや、見事だったよ。すごく食らいついていたもん。

西垣：とにかく一生懸命、全力でやるだけでした。ずっと声を張っていることもこれまでなかったし、今回この現場でできたことはどれも楽しかったしいい経験になりました。

倉さんがこのお仕事をしていて一番楽しいと思う時は？

倉：僕はこれまで「作品が届くこと」ってずっと言っていたんですけど、最近はいろいろな才能を持った人たちに出会えることがこの仕事の魅力だなと思うようになりました。監督さんや脚本家、撮影部、照明部、技術部全て、本当に多種多様な天才がたくさんいて、そういう人たちの仕事を見るのはめちゃくちゃ面白いし、刺激的だなと思うんです。その中でどんなクリエイティブなことができるかは現場ごとに違うし、自分も成長していける。それに「こういう作品を作りたいよね」っていう人がどんどん集まって、「いつかみんなでこういうことをやりたいよね」と言っていたことを実現できる日が来るのが、多分自分の次の楽しみなんだろうなと思っています。

もし次にお二人で共演するときはどんな役柄がいいですかね？

倉：何かなぁ。あ、でも西垣くんはクズな役も似合うと思うよ、きっと。

西垣：それ、結構言われる（苦笑）。理由は分からないけど。

倉：「いいヤツ」を結構やっているイメージがあるから、その真逆にあたるような役も似合うと思う。多分そういう役はこれまであまりやってこなかっただろうし、人殺しとか色欲に狂った男とか、普段の西垣とは真逆のぶっ飛んだ役をやってほしいです。

西垣：それで言うと、倉くんも暗い役が割と多いじゃん？だから、いつかキラキラの倉くんを見てみたいわ～。

倉：僕は見たくない(笑)。全く想像がつかないから。

西垣：そんなことないよ。

倉：じゃあお互い、まだ見たことがない役もいつか一緒にやってみたいね。

少しFASTのスタッフが準備にバタバタしている中とても和気藹々と楽しそうに登場された倉さんと西垣さん、こちらの都合で撮影とインタビューの順番がごちゃごちゃとなってもお二人ともとても柔らかい表情で「大丈夫です！」や「インタビューすぐ戻ってきますね！」などこちらにもたくさん声をかけてくださり、現場を明るくしてくださいました。撮影中でも2人で仲良く話しているのがとても印象的で、作品時にすごく仲を深められていたのを感じたお時間となりました。

退室後にも部屋に向かって「ありがどうございました」とお辞儀をしてくださる誠実さの倉さんと周りを見渡して率先してスマートに気配り、心配りをしてくださる西垣さんのご活躍をこれからも応援しております。

お二人とも約1年ぶりのご出演ありがとうございました！

倉悠貴

くら　ゆうき

1999年12月19日生まれ。

最近の出演作に、TBS『あのクズを殴ってやりたいんだ』(‘24)、NHK総合『わたしの一番最悪なともだち』(‘23)、『犬と屑』(‘23)、映画では、『傲慢と善良』(‘24)、『赤羽骨子のボディーガード』(‘24)、がある。

西垣匠

にしがき　しょう

1999年5月26日生まれ。

最近の出演作に、TBS『海に眠るダイヤモンド』 (‘24)、テレビ朝日『顔に泥を塗る』(‘24)、フジテレビ『高額当選しちゃいました』(‘24)、映画では、『みーんな、宇宙人』(‘24)、『映画　マイホームヒーロー』(‘24)などがある。