中川大志
ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』
ミズキの生きている世界を
少しでもかっこよく見せたい
すらりとした長身とさわやかなルックスで、これまで様々な役を演じてきた中川大志さん。現在放送中のフジテレビ系月9ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』では、国際犯罪組織アネモネの2代目・笛花ミズキ役で出演しています。3人の男女の物語が並行して進み、次第に交錯していくというストーリー展開で話題の本作への思いや演じる役どころについて、さらには気になる今後の展開などをお聞きしました。
©フジテレビ
<第4話あらすじ>
殺人事件の現場となったクリングル号記念公園に戻った勝呂寺誠司(二宮和也)は、『横浜テレビ』の報道キャスター・倉内桔梗(中谷美紀)と遭遇する。桔梗は誠司のことを「天樹勇太」と呼び、大学の刑法ゼミで何度かあったことを伝える。それに対して誠司は、何も思い出せないと返し、自分のことを勝呂寺誠司と呼ぶ奴らもいる、と告げる。するとそこに、巡回中の警察官がやってきたため、逃げ出す誠司。桔梗は、誠司の後を追いかけ……。
一方、冷蔵庫の電源が入っておらず、食材をダメにしてしまったことに気付いた老舗レストラン『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)は、従業員と手分けして、近所のスーパーから食材を集めようとする。
桔梗は、他のスタッフには内緒で事件に関する放送の準備を進めていた立葵査子(福本莉子)に逃亡中の容疑者に会ったことを伝え、過去の事件などを洗って「スグロジセイジ」という名前がないかどうか調べるよう指示するが……。
1日の出来事を1クールで描くという
新しい試みで話題のドラマですが、
今回の企画を聞いた時の印象を教えてください。
1日の出来事を1クールかけて撮ることや、3つの軸にたくさんの登場人物が関わってきて物語が進んでいく、という企画全体のスケール感を聞いたときはすごくワクワクしました。それと同時にとても難しいチャレンジでもあるなと思いましたが、想像がつかないことの方が作る側としても面白いと思っているので、ぜひとも参加したいと思いました。
1日を1クールかけて演じ続ける、
撮影するというのは
どんな感じなのでしょうか。
実際の世界では時間が3、4ヶ月流れているけど、ドラマのキャラクターたちは24時間の中を生きている。それってすごく想像しがたい世界観じゃないですか。現実の世界では、次の放送まで1週間空くけど、お話の中では5分や10分後のことかもしれない。そういう時間の流れというのを、僕たちも実感を持って、想像しながらやっていかないといけないのはすごく難しいところですが、この世界の中で流れている時間を視聴者の方たちにも少しでも体感してほしいなということを個人的には目標にしています。
今作の脚本を読んだ感想はいかがでしたか?
クリスマスというただでさえ印象的な1年に1回しかない日が、図らずして色々な人たちにとって大きな1日になっていくというお話なのですが、「賑やかな脚本だな」というのが第一印象ですかね。出てくる人も、張り巡らせている伏線も多いし、3つのパートがどれもジャンルの違う作品と言ってもいいくらいテイストも違うし、そこで流れている空気感も全く違うものなので、それぞれが同じ船にドンっと乗った時、どういう風になるんだろうなというのは想像がつかなかったです。
中川さんが演じる苗花ミズキは、
各国の犯罪グループと手を組み
違法薬物の密輸や売買を行う役どころです。
ミステリアスで掴みどころのないキャラクターではあるんですけど、その裏に見え隠れする、ミズキが抱えている闇みたいなものがこのキャラクターの魅力的なところだと思っています。なので、ちょっと人間臭い部分や、彼が抱えている混沌としたものが出てくると、 お客さんにも気になってもらえるキャラクターになるんじゃないのかなと思っているので、そこを自分の中でもイメージしながら作っています。
©フジテレビ
演じていて、
どんなところに面白さを感じていますか?
ミズキは少しアンダーグラウンドな世界で生きているのですが、そういうのって、ちょっと男心をくすぐるというか、「なんかかっこいいな」と思ってもらえるようにしたいということを監督とも話しています。なので、ミズキの立ち振る舞いや彼の生き方という部分を、分かりやすい「悪の組織」という感じではなく、ちょっとファッショナブルに見せたいんです。今回の舞台である横浜という街にも助けられているところがあって、港町特有の異国の雰囲気がミズキの世界観とマッチしているので、彼の生きている世界が少しでもかっこよく見えたらいいなと思っています。
記憶を無くした逃亡犯・勝呂寺誠司を演じる
二宮和也さんとの絡みも多いですが、
共演はいかがですか?
二宮さんとはこれまでバラエティ番組などでは何度かご一緒していたのですが、こうやって毎日一緒にお芝居をして作品を作るのは初めてなので、どんな方なんだろうなと思っていたんです。でも、いざ共演したら「初めてじゃないんじゃないか」って思わせてくれるくらいナチュラルで気さくな方なので、一緒にいて居心地がいいです。二人でお芝居をしている時は割とヒリヒリしたシーンが多いのですが、その時の緊張感もすごく楽しんでいます。
先輩から吸収するものや学ぶことも
多そうですね。
それは毎日ありますよ。僕にとっては二宮さんと一緒に芝居をできる時間がすごく充実しているので、毎日ワクワクしながらやっています。「誠司という役をどう組み立てて作っているんだろう」とか、「このシーンではどういう風に来るんだろう」って想像するのが毎回楽しみなんです。
演者の皆さんも、放送を見るまで
それぞれのパートがどうかみ合ってくるのか
分からないそうですね。
そうなんです。僕たちが出ている「逃亡編」以外の「レストラン編」と「地方テレビ局編」の撮影の様子は全くノータッチなので、一体何が起きているのか分からないんですよ。もう別のドラマだと思っているのですが、その分楽しみもあるし、恐怖もあります。
「恐怖」という感情は
どんなことから沸いてくるのですか?
出ている僕たちが「これ、どうなるの?」と思っている作品ですからね。それくらい難しいことをやろうとしているし、3つのパートがどういう風に関わってくるのかっていうのは放送を見るまで想像がつかないので、チャレンジングな分、どうなるか分からないという恐怖かもしれません。でも、見ている方も作り手も、想像がついてしまうことってあんまり面白くないじゃないですか。そういう意味では、手探りなところはありつつ、僕らもワクワクしながら撮影しています。
まもなく第4話が放送されますが
今後の展開を言える範囲で教えてください!
それぞれの登場人物たちの思惑や目的みたいなものを、視聴者の方も少しずつ理解してくるあたりじゃないかと思います。「こいつはこういう目的があるんじゃないかな」とか、腹の中が見え隠れするような展開になってくると思うので、より具体的にキャラクター同士の関係性が見えてくると思いますよ。
そこからまたどんでん返しがあるかも?
それはどうでしょう(笑)。見ている方々が「ちょっと展開が見えてきたかも」と思っているものがその通りなのか、もしかしたら全く違うものかもしれない。そこもひっくるめて、それぞれのキャラクターに愛着がわいてもらえたらいいなと思います。
演者の皆さんもラストがどうなるか、
まだ分からないそうですね。
僕らもどういう結末になるか本当に知らないので、撒いた種を全部回収しきれるのかな?と思いながら、最終的なゴールも含め、監督やプロデューサーと話しながら組み立てているところです。今お話しできることは、第1話で起きた二宮さん演じる記憶をなくした男と、ミズキが率いる犯罪組織との事件がこの物語の核を担っているところがあって、張り巡らされている伏線の軸の部分になってくるということですね。どうぞ最後までお見逃しなく!
中川大志
なかがわ たいし
オーラを纏いながらも、とてもフラットに居てくださった中川さん。撮影中も撮影後もしっかりとモニターをチェックされていた姿が印象的です。予定よりも早く撮影が終わったことを知ると、「一回外行きましょうか!」とお茶目に一言。スタッフ陣を気遣う言葉も頂き、自然と雰囲気を温かくしてくださる中川さんに脱帽なスタッフでした。
1998年6月14日生まれ。
最近の出演作に、Netflix 『御手洗家、炎上する』(‘23)、TBS日曜劇場「オールドルーキー」(‘22)、NHK 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(‘22)、映画『スクロール』 (‘23)、『ブラックナイトパレード』(‘22)などがある。「アクターズ・ショート・フィルム3」では『いつまで』(‘23)で初の監督に挑戦。11月12日より放送・配信の「連続ドラマW OZU 〜小津安二郎が描いた物語〜」では最終話『青春の夢いまいづこ』に主演。2024年5月に映画『碁盤斬り』の公開を控えている。
©フジテレビ
『ONE DAY ~聖夜のから騒ぎ~』
毎週月曜 よる9:00~9:54
フジテレビ系にて放送中
※Item Credit
ニットシャツ ¥40,700/Blanc YM、
パンツ¥28,600/RYUともに(TEENY RANCH)
その他、スタイリスト私物
・TEENY RANCH
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-24-4里美ビル2F 03-6812-9641
※Team Credit
カメラマン:田中丸善治
スタイリスト:徳永貴士
ヘアメイク:堤紗也香
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/緒方百恵