兵頭功海
自分の心が震える瞬間にできるだけ多く出会えるように
『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のカナロ/リュウソウゴールド役で注目を集め、その後も話題作に多数出演。日曜劇場『下剋上球児』が話題になるなど、次世代を担う俳優として注目度急上昇中の兵頭功海さん。映画『鬼の花嫁』の公開が控えるなど、2026年もますますの活躍が期待される彼に、直球インタビュー。「コアなところを聞いてきますね」と驚きつつも、真摯に答えてくれました。

兵頭さんの過去のインタビュー記事を拝読した際に、お芝居に関することを記すノートがあるとおっしゃっていました。本作の現場でも空き時間などに書いていると制作発表会見でお話ししていましたが、どんなことが書かれているのですか?
内容はちょっと恥ずかしいので言えないんですけど、台本の解釈などです。書かれている内容を整理しやすいように、自分の言葉でいろいろと書いてみたり、自分の演じているキャラクターが、“このシーンとこのシーンの間に何をしているんだろう”と想像して、台本には書かれていない行間を埋めてみたりしています。あとは、作品がクランクアップしたときに、この現場ではこういうことがあったな、これはダメだったな、とか、現場で言われた印象的な言葉を書いたりもします。
自分なりに、キャラクターの背景を考えたりするということでしょうか。
そうです。この人は、このシーンまでにどんなことを思ってきたんだろう?とか。なんとなくですけど。たとえば、読書をしているときに、書かれていない裏の部分を勝手に増やしていくようなイメージです。だから、それが合っているのかもわからないんですけど、そうすることによって、たまにおもしろい案が浮かんだりするんです。
それなら、ノートを書く意味があるのでは?
はい、意味があると信じて、ずっとやっています。あと、二十歳でそのノートを書き始めたときに、このノートは、役者をやめるまでずっと書き続けると、自分で決めちゃったんです。

後々、そのノートを見直すこともあるのですか?
それが、あまり見直さないんです……。なんで書いているんだろう、とか時々思うときもあります(笑)。正直なところ、意地なのかもしれないです。ぶっちゃけ、書くのがキツいこともありますし。たとえば、ドラマの第6話の撮影をしていて、第7話は準備稿だけをいただいている段階だとして、(第7話の)決定稿がギリギリで上がってくることも、よくあります。そうすると、決定稿をいただいた瞬間に、まず第7話分について、ノートに全部、書き出さないといけないから。
書き出さないといけないというのは、ご自身のなかでそうすると決めたからということ?
はい。準備稿をいただいた時点で撮影のスケジュールが迫っていたりすると、“ヤバい!決定稿が上がってきたら、速攻で書かないと!”みたいに焦ってしまうので、大変です(笑)。でも、ムダなことに意味があって、がんばりたいなと思い、続けています。
先ほど、印象的な言葉を言われたら、ノートに書き留めておくとおっしゃっていました。火曜ドラマ『未来のムスコ』で、未来は「だんない」と颯太になぐさめられますが、兵頭さんがこれまでいただいた言葉で、励みになったものはありますか?
日曜劇場『下剋上球児』のなかで、鈴木亮平さん演じる南雲先生に言われた「大人になってから、誰かになにか返せばいいんだよ」という言葉と、高校の卒業式の日に、担任の先生が黒板に「成功=才能×(努力+α)」と書いて、「この“α”を、これからの人生で探してください」と言ってくれた言葉です。今もずっと、αがなにかというのを考えています。

その答え探しは、これからも続いていきそうだと。
そうですね。自分がまだ成功しているわけでもないし、成功してもわからなそうですけど、そのαが大事な気がしています。人柄なのか、人との関わり方なのか、それとも落ちているゴミを拾うみたいなことなのか、わからないですけど、答えを探しながら信じている言葉です。
では、自分がどうなったら成功したと実感できると思いますか?
うーん、この仕事って、そう思えることがなくないですか?だから、みなさんずっと続けているんじゃないかなと思うんですけど……なにをしたら成功かってことですか?
先ほど、自分はまだ成功していないとおっしゃったので、どんなふうになったら成功したと感じるのかなと思って。
僕、さっき話したノートの1冊目の最初のページに、この仕事での目標を書いたんです。その目標を叶えたら、第1フェーズのクリアかなと思います。それがゴールではないですけど。

その目標というのは、お聞きしてもよろしいですか?
叶えたときに言いたくて、まだどこでも言っていないんです。言えないのに、ここでその話をするのもどうなんだろうと思ったんですけど(笑)。
昨年、最後のインスタグラムの投稿に、「突如現れた輪郭の見えない絶望と向き合い続け、その中でも少しの光と希望を見つけるために踠いて足掻き続けた年でした」とありましたが、2025年はどんな一年でしたか?
最悪でした……。
それは、なぜですか?
それはちょっと言えないんですけど、ホントに最悪以外の何物でもなくて…この前、ムロツヨシさんとお会いする機会があって、「いろいろなことがあったんですよねー」という話をしたら、ムロさんが「でも、それをいつか、カツ(兵頭のあだ名)の言葉で言ってあげられる日が絶対にくるよ」って言ってくださいました。「そういうことすらもプラスにできるのが、表に立つこの仕事だし、そういうことすらも表現に変えられるのが、この仕事。それを兵頭功海という俳優から聞いたときに、“あー、兵頭さんにもこういうことがあったんだな、じゃあ、自分もがんばろう”って、救いの言葉に変わる瞬間がくる。それまでがんばりな」と言ってくださいました。
そのインスタの投稿には「その全てがいつかの自分を支えてくれると信じています」と書いたと思います。さっき、「目標を叶えたときに言いたい」とお話ししましたが、ムロさんの言葉を聞いて、その“言いたいこと”が増えたなって。それを言える日がくるまでがんばろうって思えました。だから、まぁ最悪の年ではあったんですけど、決してそれがムダではなく、いい経験ができたなと思えた年でした。

それを踏まえて、2026年はどんな年にしたいですか?
もう、今年は楽しくいきたいです!楽しく健康に幸せに。あと、今年はたくさんの作品に出られたらいいなと思います。もちろん、数が多ければいいわけではないんですけど、自分の心が震える瞬間に、何度も、できるだけ多く出会えるような年に、なったらいいなと思います。
作品以外では、2月と3月にカレンダー発売記念イベントが開催されます。ファンの方と直接触れ合える機会は貴重かと思いますが。
はい。やっぱり、会えるうちに会っておかないとなって思います。
というと?
いつイベントをやらなくなるかもわからないじゃないですか?僕自身のこと以外にも、たとえば、僕のファンだった方が結婚して、イベントに行かなくなる方もいるだろうし、海外に行くことになって、イベントに行けなくなっちゃったという方もいるかもしれないし、そういういろんな事情があって、会えなくなったり、僕自身も含めて、明日どうなるかもわからないので。

たしかに。
それと、去年イベントをやったとき、会場に入れる人数の関係で会えなかった人が多かったんです。それに対するメッセージをいっぱいいただいたので、今年はなるべくたくさんの方に会えるようにと思っています。2日間の開催にして、遠方で来られない方のために、オンラインでのお話し会も行うことになりました。
イベント当日に楽しみにしていることは?
僕がなにかを話して、それを楽しみにしているというよりは、みなさんが日々思っていることや伝えたいことを受けとる機会なのかなと思っています。
きっと、みなさんすごく緊張して、用意してきた言葉がうまく出てこない、などということもあるのでしょうね。
あー。でも僕、なんていうんですかね……“芸能人です” みたいな感じじゃないので(笑)。緊張して“はぁ~!”という方よりは、友達みたいに話してくれる方が多いです。よりフランクな方もいるくらいで(笑)。わりと話しやすいほうなのかなと思うので、またいろんなお話が聞けるのを楽しみにしています。

兵頭功海
ひょうどう かつみ
1998年4月15日生まれ。
前回と変わらず抜群のスタイルとお顔の小ささが特徴的だった兵頭さん。撮影ではカメラマンと会話を交えつつ気さくに、それでいてすごくかっこいい表情をたくさんカメラに向けてくださいました。衣装の感じに合わせてワイルドな雰囲気をこちらが求めると本当にワイルド雰囲気を作り出してくださり、ガラッと雰囲気が違う写真を撮影することができました。撮影終わりでは「写真楽しみにしています!」とカメラマンに素直におっしゃられていて、変わらず飾らない等身大の兵頭さんでした。これからも抜群のスタイルと、役へ真摯に向き合うストイックさと、飾らない兵頭さのご活躍を応援しております。お久しぶりのご登場ありがとうございました!
最近の出演作に、テレビドラマでは、読売テレビ・日本テレビ『私の知らない私』(‘25)、テレビ東京『五十嵐夫妻は偽装他人』(‘25)、TBSテレビ『毒恋〜毒もすぎれば恋となる〜』(‘24)、日曜劇場『下剋上球児』(‘23)映画では、『BADBOYS -THE MOVIE-』(‘25)、『ブルーピリオド』(‘24)などがあり、2026年3月27日『鬼の花嫁』の公開も控えている。

©TBSスパークル/TBS
TBS系火曜ドラマ『未来のムスコ』
毎週火曜よる10:00~10:57
©TBSスパークル/TBS
※Team Credit
カメラマン:八重樫ケイン
ヘアメイク:牧野裕大(vierge)
スタイリスト:TOKITA
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿
