小野寺晃良
ドラマ『不協和音』難しい役にも愛を持って
身を捧げる実力派俳優のあどけない素顔とは―
ドラマ『不協和音』
<あらすじ>
30歳を過ぎて月島東署刑事課に配属された新米刑事・川上祐介(田中圭)は、妻殺しの被疑者を取り調べることに。勾留期限が迫る中、一緒に取り調べを担当した警部補がついに自白を取るが、担当弁護士の宇都宮実桜は「大八木捜査法で自白させたのでは?」と、祐介に食ってかかる。実桜が口にした“大八木捜査法”とはほかでもない、刑事だった祐介の父・大八木宏邦を揶揄する言葉。実は祐介がまだ小学生だった頃、大八木は自白強要で冤罪を生んだ刑事として、世間から糾弾されることに…。しかも、大八木は真相を語ることなく、突然この世を去ったのだった――。担当検事が倒れた直後、被疑者が起訴の決め手となる遺体遺棄現場を教えぬまま、黙秘に転じてしまう。焦った祐介は必死に捜査を続行。だが努力もむなしく、被疑者は不起訴に。その判断を下した後任検事の名は唐沢真佐人(中村倫也)――祐介の父が亡くなった後、高等検察庁の元検事長の養子となり、生き別れになってしまった実の弟であることが分かる。実は水面下で動いていた真佐人。真逆ともいえるやり方を貫き、時に対立しながらも、共に調べを進めていく2人だが、事件の全貌は容易にあぶり出すことができないほど複雑で…!?
―不協和音×小野寺晃良
僕の演じた役は「現代にいそうな少年」といったかんじです。言葉にするのが難しいな…。悪いことをして捕まるんですけど、その動機も不明瞭なんです。もう一歩いくとサイコパスだけれど、その一線を超えるか超えないかくらいの危うさもあって。でも人間味もあるんですよ。「このあと、この少年は更生するんじゃないかな?」と思えるような。どこか危うげで壊れ物のような印象の役でしたね。
―お話を聞いているだけで自身の中で何かが複雑に絡まり合っている少年のイメージなんですが、台本を読んだ時、どう感じましたか?
台本の中に“爪を噛んでギザギザになっているという”描写があって、調べてみたら人間って思い通りにならない時に爪を噛むらしくて。そういう、色々なことが思い通りにならないストレスを抱えている子なのかなと思って演じました。
―詳細がまだまだ明かされていないドラマ。小野寺さんの向き合った“少年”も見どころの一つですね。
そうですね。愛を知らず、それを消化する術も知らない不器用な少年。僕自身、「助けを求めることの出来ない人間ってああなっちゃうのか」と思いました。少年を見て、自分のことを考えた時に「ちょっとは吐き出してもいいのかな?」と、頼れるような周りの人を探してほしいし、そのキッカケにこの作品がなればいいなと思います。「どうしてこの子はこうなっちゃったんだろう?」というところまで見ていただけると嬉しいです。
―正義のみならず、様々な角度から楽しめそうな作品で楽しみです。では最後に作品の見どころを教えてください。
対照的な刑事さんと検事さんが自分の思いを曲げずに在り続け、事件を追っていくのは見どころの一つだと思います。見ごたえはもちろん、見ていて分かりやすい作品になっていると思うので細かいところにまで目を向けて、より楽しんで観てください!
―欠かせないもの
“音楽”
ずーっと聴いています。最近聴いているのは好きなゲームのサウンドトラック(笑)。アクション系じゃない日本のRPGなんですけど、思いのほか曲が良くて。(ゲームの中の)町に入ると、操作するのを忘れてずっと聴き入っちゃうくらい良い曲が多いんです。ゲームも好きだし…、僕の中ではゲームと音楽はイコールで結べちゃうくらい欠かせないものですね。
―小野寺晃良の軸
“とにかく考える”
論理的思考をするのは身についているんですが、それでもどうしようもない時は、その時々の感情をちゃんと理解したうえで決断するようにしています。後悔するのがすごく嫌なんです。「考えすぎ」とよく言われるんですけど、考え抜かないと僕は収まらないタイプ。物事の重大さにもよるけれど、大切なことは人に相談して委ねないようにしています。逆に簡単なことは「決めて」となっちゃいますね。
―座右の銘
“なるようになる”
「とにかく考える」と言った後に矛盾してるように感じるかもしれないんですが、「なるようになる」というのは、手放しで楽に考えるという意味ではなくて。考えて考えて考え抜いたからこそ、その先はもう「なるようになるよね」という意味。ちゃんと途中までは道を作ったうえで振った賽なら何が出てもいいかな、と思っています。
小野寺晃良
おのでら あきら
1999年7月16日生まれ。
確然たる勘の鋭さ、無意識のうちに役との共鳴を果たす生得の演技力を持つ20歳。
出演作に『映画 賭ケグルイ』(監督・英勉 / 2019年)『アンナチュラル』(TBS / 2018年)『都立水商~!~令和~』(TBS / 2019年)などがある。
※Item Credit
Outer:Crispy sweat shirts/¥23,000
Tops:Mock neck gusset shirts/¥26,000
Pants:Wide tapered pants/33,000
(お問い合わせ先)
tac:tac
STUDIO FABWORK
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前2-6-6 秀和外苑レジデンス306
TEL:03-6438-9575
※Team Credit
カメラマン:YURIE PEPE
スタイリング・ディレクション:町山博彦
インタビュー・記事:満斗りょう