塩野瑛久
ドラマ『僕らは恋がヘタすぎる』
『38歳バツイチ独身女が
マッチングアプリをやってみた結果日記』
役の中に存在する繊細な「闇」の受け取り方に迫る―
撮影の度にいつも思うことがある。「ステンドグラスのような方だな」と。一面を見ただけでは分からない奥深さ。青、赤、緑、さまざまな光が重なり合う重厚な魅力は、差し込む陽射しによって変化する光景を私たちに届けてくれる。そこに併存する光の影には「人間らしさ」の花車を受け入れようとする「優しさ」が顔を覗かせる。綺麗ごとだけじゃ生き抜くことの出来ない世界を、それでも「美しい場所」だと表現する彼に聞いた作品の話。
ドラマ+『僕らは恋がヘタすぎる』
<あらすじ>
藤原花(川島海荷)と片山みずきは小学生の頃からの大親友。付き合っていた彼氏に浮気され、フラれてしまった花は、みずきと一緒に傷心旅行へ。そして、旅先の温泉宿で成田洋介(白洲迅)と一之瀬歩という2人の男性に出会う。知り合ったばかりだというのに、いきなり正論を振りかざし、性格的に言いたいことが言えない花を叱る成田。当初は反発する花だったが、これまでの出来事は「気を遣って何も言いだせない」という自分の欠点によるものだと気づく。そこで自分を変えようとする花だったが…!?そんな花と仲良くし、長い間、見守ってきたみずき。しかし、イイ雰囲気になった男性から花を紹介してほしいとせがまれることもあり、内心は花に対して複雑な思いを抱いていた。他人に気を遣いすぎて自分を犠牲にしてしまう花。一方、真剣に付き合ったことがなく、愛されたいと強く願うみずき。相手のためにと正論を言って嫌われてしまう成田。心の影のせいか優しくもチャラくもある歩。そして、歩の「弟」・奏多。それぞれの中に渦巻く友情や嫉妬、裏切り、諍い…。彼らが恋愛を通して自分と向き合っていく姿を鮮やかに描く。
<一之瀬歩>
成田の友達。これまで誰にも明かしてこなかった心の“影”がある。明るくふるまっているが、距離をつめさせてくれない壁があり…
一之瀬歩 × 塩野瑛久
歩は登場人物の中で一見すると一番大人で、自分のことを制しながらも言いたいことはちゃんと言うことのできるバランスのとれた人間。友達のことも大切にできるし相手のことも思いやれる。だけど自分のことに関してだけは触れて欲しくない…という。自分のパーソナルな部分については誰にも突っ込んで欲しくない人なんですよね。彼のそういった部分が表現できればいいな、と思って演じていました。
言いたいことも言えるし、人への接し方も分かっているのに
歩に何となく距離を感じたんですよね。
どう意識して演じられているのか不思議だったんです。
上っ面に見えるようには意識していました。もしかしたら人によっては「芝居くさいな」と思われてしまうかもしれないんですけど、あえて芝居くささを匂わせて「真実じゃない雰囲気」を出したいという狙いがあって。僕が抱えているものと歩の抱えているものが似ていたこともあり、僕自身、彼に共感できる部分がかなりあったんです。それは三話で語られることなんですけど、語る時にすら歩の優しさが出ているんですよね。自分の我慢がきく範囲でサラッと口にするけれど、実はまだまだ根っこの部分は全然解決していない、みたいな。後半に近づくにつれて歩の感情が出てくるようになるので、そこは演じがいがありましたね。弟の奏多(嶋崎斗亜)に対して抱えている感情もニュアンスが絶妙ですごく難しかったです。「嫌い」ではないけど疎ましくて、その存在がいることによって自分の見ている世界がぼやけてしまうような。それを怖がっている部分があったりして。ある意味その不安定な面が歩の魅力でもあるのかな、とすら思いました。僕個人として複雑な心情を描いていくのが楽しかったので皆さんの目にどう映るのかが楽しみです。
台本上でイメージしている時と実際に現場に入った時、
想像していなかった感情の変化はありましたか?
それこそ奏多役の斗亜くんが純粋すぎて可愛くて、こんな弟を邪険に扱うのが心苦しい…という心境の変化ですかね(笑)。
根底にいる塩野さんが揺らいじゃったんですね(笑)。
現場でのエピソードは何かありますか?
和気あいあいとした現場でした。浅川梨奈ちゃんが現場に来る途中でドーナツ屋さんを見つけたらしく、みんなに買ってきてくれた時があって。みんなでドーナツを食べながら控室にたまたまあったプロジェクターでYouTubeを観たりしていました(笑)。あとは、斗亜くんは食べられなかったんですけど、僕の実家のクレープ屋の出張クレープをみんなが喜んで食べてくれて嬉しかったですね。しかも迅くんは学生の時に通ってくれていたらしくて!僕も店を手伝っていたことがあるので実は会っている可能性も…。お互い全然覚えていないんですけど(笑)。
白洲さんとは『ヤヌスの鏡』以来二度目の共演でしたが、
今回は「友達」役。再会されていかがでしたか?
印象がガラッと変わりました。迅くんも僕と一緒で短期間で人にグッと近づくタイプではないと思うんです。前の現場で会話はしていたものの、お互いに当たり障りのない会話しか出来ていなくて。でも今回は川島海荷ちゃんや浅川梨奈ちゃんのおかげもあって、すごく砕けた空気で仲良くなれました。4人が4人とも一見交わらなさそうなジャンルに見えるじゃないですか。海荷ちゃんと梨奈ちゃんも同じ元アイドルとはいえ少し違う感じがするというか。でもその2人がすごく仲良くなったんですよ。2人の空気感に影響されて、迅くんもめちゃくちゃ砕けて冗談を言ったりしていて(笑)。「白洲迅」くんの新たな人物像が発見できた機会でした。
最初の頃とは現場の雰囲気も変わりましたか?
全然違いましたね。撮影自体はみんな結構バラバラで、特に僕と梨奈ちゃんの2人のシーンは後半の重めのシーンが撮影初日にあったりして大変でした。とにかく芝居のイメージも台本から読み取るしかなくて。梨奈ちゃんも僕も戦っていましたね。
Highlight of 『僕らは恋がヘタすぎる』
歩は最初は掴みどころもなく、視野に入っていない人も多いと思うんですけど、ここからどんどん「歩」という人物が魅力的になってくるので是非注目していただきたいです。作品の見どころは、花と成田の関係性がどんどんと浮き彫りになって構築されていく中、そこに歩やみずきが入ってきて、さらに奏多も入ってきて…と、5人の関係がより面白いものになっていくところですかね。恋愛だけじゃない気持ちの部分も加速して乗っかってくるので見どころは充分あるんじゃないかな、と思います。花と成田とは違って、歩とみずきはスタートがアレなだけに後半に効いてくるシーンがたくさんあると思うので物語としてキュンキュンしていただけたら嬉しいです。
ドラマパラビ
『38歳バツイチ独身女が
マッチングアプリをやってみた結果日記』
<あらすじ>
38歳バツイチ独身のチアキ(山口紗弥加)は若くして結婚したため男性経験があまりない。すっこぬけてしまった青春を取り戻したいと思っていたとき、親友のリカ(町田マリ―)に勧められたのが“マッチングアプリ”だった。興味本位で初めてみたチアキだが、アプリの中は年齢差なんて気にしない年下のイケメン男子が溢れていた!
ロミオくん × 塩野瑛久
ロミオくんはチアキさんの家の近くに住むモデルで対応も神対応な男の子です。今回、ロミオくん役に挑むにあたって監督の熱量がとにかくすごくて。正直言うとそんなに出演シーンも多いわけではないんですけど、その期間だけでも「金髪がいい」と言われて。あと「全身の毛を無くしてほしい」と言われ、初めて全身の毛を無くしました(笑)。
思い入れの強さが伝わってきますね(笑)。
監督も映画を撮るような感覚で撮影されていて、この作品に懸ける想いがたくさんあったんだと思います。タイトルだけ聞くと「また変わり種出てきたな」と思われる方もいらっしゃると思うんですけど、これがめちゃめちゃ良いドラマなんですよ。マッチングアプリに対する見方やその中での出逢い、それによって起こる人間関係も見えてきていろいろと考えさせられる作品になっていると思います。基本はコメディなんですけど(笑)。
コメディの中に大切なことが潜んでいるんですね。
コメディに潜むヒューマンストーリーが「ただでは転ばないな、このドラマ」と思ってもらえるんじゃないかな。『来世ではちゃんとします』という作品もそうだったんですが、それに通ずる「ただで転ばないドラマ」がまた完成してしまったんじゃないかと。そこに山口さんが体当たりで挑まれていて。また、山口さん自身が本当に魅力的な方で。現場でも誰よりも元気でいてくださったので、僕もそれに励まされてやりやすい空気の中で挑むことができました。ドキドキと、そしてどぎまぎとしながら楽しんでいただけたらいいな、と思います。
塩野瑛久
しおの あきひさ
1995年1月3日生まれ。
「創り出す」ことに貪欲な姿勢を持つ傍ら、
用意された色で完璧に自身の色を描出する才を併せ待つ25歳。
ドラマ+『僕らは恋がヘタすぎる』/一之瀬歩役
ABCテレビ(関西):毎週日曜よる11時55分~
テレビ神奈川:毎週火曜よる11時~
※ほか地域でも放送予定
地上波終了後より、Huluにて独占配信!
※TVer・GYAO!での見逃し配信は除く。
出演:川島海荷 白洲迅/塩野瑛久 浅川梨奈 島崎斗亜(Lilかんさい/関西ジャニーズJr.) 野呂佳代 大場美奈(SKE48)
ドラマパラビ『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』
毎週水曜深夜0時58分放送
Paraviで毎話独占先行配信
出演:山口紗弥加 町田マリ― 野村麻純 佐藤藍子 増子直純(怒髪天) 本田響矢 稲葉友 塩野瑛久 福山翔大 ほか
塩野瑛久セカンド写真集『bloom』
2021年1月20日(水)発売
価格:2,800円(税別)
仕様:A4・並製・112ページ
撮影:ティム・ギャロ
※Item Credit
Outer:コート/ブラウン/¥78,000(saby)
Tops:ポーチモックネック Tee/ベージュ/¥2,900+tax
(SNSE OF PLASE by URBAN RESERCH)
Pants:コーデュロイテーパードスラックス/ブラウン/¥4,900+tax
(SNSE OF PLASE by URBAN RESERCH)
Shoes:スウェートプレーン/ブラック/¥23,000(TOSS)
お問合せ先
【SENSE OF PLACE by URBAN RESEARCH】
SENSE OF PLACE by URBAN RESEARCH キュープラザ原宿店
東京都渋谷区神宮前6-28-6 キュープラザ原宿 1・2F
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※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:金田紗世子
スタイリング/ディレクション:半澤暁
インタビュー・記事:満斗りょう