木村柾哉×山中柔太朗
映画『あたしの!』
ノリが似てるから柔太朗と話していると楽しい
2017年から2018年に「別冊マーガレット」に連載された青春ラブコメコミック「あたしの!」がついに実写映画化!主人公・関川あこ子を演じる日向坂46の元メンバー・渡邉美穂さんと、学校一の超人気者・御共直己を演じるINIの木村柾哉さんがW主演を務めることでも話題を呼んでいます。今回は、木村柾哉さんと、直己の親友であるクールイケメン・成田葵央役の山中柔太朗さんに、役との共通点や撮影時の思い出などをお聞きしました。
©幸田もも子/集英社・映画「あたしの!」製作委員会
<あらすじ>
思ったことは即行動!ウソをつけないまっすぐな性格のあこ子(渡邉美穂)。新学期初日、学校一の人気者・直己(木村柾哉)が、留年によりあこ子と同学年に。直己に一目ボレしたあこ子は、ド直球なアプローチを開始するも、「彼女を作る気はない」とあっさり振られてしまう。落ち込むあこ子だったが、直己の親友・成田(山中柔太朗)から直己が彼女を作らない理由を聞き、直己を好きでい続けようと決意する。一方で、あこ子の親友・充希(齊藤なぎさ)も直己に近づき始めていて……。
©幸田もも子/集英社・映画「あたしの!」製作委員会
木村さんは山中さんの、山中さんは木村さんの演じている役どころと御本人の共通点を教えてください。
山中柔太朗(以下、山中):直己は王子様っぽくてめっちゃモテるんですけど、柾哉くんもそういう雰囲気を持っていると思います。顔面も含めて。
木村柾哉(以下、木村):いやいやいやいや!
山中:あと、みんなから愛されるところも似ていますね。
王子様っぽいと感じる木村さんの仕草などはありますか?
山中:まず、笑顔がもう王子様なんですよ。
木村:あ~、(消え入りそうな声で)ありがとうございます。
山中:まさに、今のこういう笑顔ですね。
木村:あははは!
山中:だから、すごく現場が和むんです。もうね、柾哉くんは現場にいてくれるだけでいい!
木村:うれしいですね。
逆に、木村さんから見た山中さんと成田の共通点は?
木村:成田ってユーモアがあるというか、お笑いが好きという設定なんですけど、柔太朗くんも意外にユーモアが……意外にというか、このクールな雰囲気からは想像できないユーモアがあるんです。
例えば?
木村:急に一発ギャグをやる、とかではないんですけど(笑)、話しているときの空気感ですかね。僕のツボに入るというか、ノリが自分と似ているので、柔太朗くんと話していると楽しいんです。
山中:フフッ。
木村:あと、成田は“陰で支える系”?周りを見渡して、困っている人がいたら支えてあげられるタイプだと思うんですけど、そういうところは似ているなって思います。
山中:ホントに?
木村:僕は映画に出させていただくのが初めてだったので、柔太朗くんが、演技面で引っ張ってくれたり。ホントに成田のように支えてくれていたなってすごく感じます。僕も、成田みたいな親友がほしいです(笑)。
山中:直己って、一見何を考えているかわからないんですけど。僕自身もそういう人を守りたい……という表現はちょっと違うかもしれないけど、そういう人の面倒をみてあげたくなるタイプなので。まぁ、もしかしたらそれは大きなお世話かもしれないですけど(笑)、直己みたいな人と自分は合うと思います。
木村:実際は、柔太朗くんより僕のほうが年は上なんですけど。まるで同級生かのように接してしまって、全然リードできませんでした(笑)。
山中:いやいやいや!そんなことはないですよ。
木村さんは、ご自身と直己の共通すると感じる部分はありますか?
木村:直己は簡単に自分の闇を見せないんですけど、成田に対してだけはちょっと見せるシーンがあったりするんです。そういう、心を許している相手には弱さを見せる部分は若干、自分と似ているかもしれません。
山中:うんうん。
木村:ただ、直己にはチャラくてモテ男で~って僕にない要素がたくさんあって、本質的には似ていないんですけど。似ている部分もあるから、“自分”になっちゃいそうで。そこを直己として演じるのが難しかったです。
山中:直己を演じるのは、かなり難しかったと思います。監督がすごく話してくれる方だったので、柾哉くんと僕と3人でシーンごとに打ち合わせをすることが多かったんですけど。それとは別で、柾哉くんと監督が話しているのをよく見ました。
木村:直己は、ミステリアスで心の内が読めないキャラクターなんですけど。原作を読んでいても、まったく心の内がみえづらいときがあったんです。でもそれも、監督と話しながら台本を読み砕いていくうちに、少しずつ直己の解像度が上がっていきました。
特に念入りに話し合ったシーンは?
木村:基本的に全シーン……。
山中:めっちゃ話しました。
木村:“このとき成田はこう思っているけど、直己はどう思っているか?”とか。ホントにいっさい手を抜かず、その瞬間の登場人物全員の感情をうまく表現するために、整理に整理を重ねて。監督のこだわりの強さを感じましたし、流さずにお芝居をしっかり考えるやり方を学ぶことができて、すごくいい経験になりました。
山中さんは、演じていて難しいと思うことはありましたか?
山中:基本的には自分に近しい役なので、今までで一番やりやすかったのですが、成田は普段の自分よりちょっとだけ明るいんです。そこをナチュラルに見せるために、少しテンションを上げないといけないので、そこに一番苦戦しました。ちょっと気を抜くとテンションが低めになってしまうので、役としては自然体に見えるように少し高めのテンションを保ち続けることを意識していました。
特に気に入っているシーンはありますか?
木村:どのシーンもお気に入りなんですけど……おもしろいなと思ったのが、学校のミスコンテスト1位の美女から、直己が屋上で告白されるシーン。「付き合ってください」と言われて、直己は座ったまま「ごめん」と言って振るっていう。
山中:あったね(笑)。
木村:“直己、立てよ!”と思いました(笑)。
山中:わははは!
木村:だから、必然的に直己が女の子を見上げる形になるんですけど、めっちゃ太陽がまぶしくて。
山中:あー。屋上だから、照り返しがヤバかったんです。
木村:そう!人を振るっていうのに、顔がめっちゃ険しくなっちゃって。
山中:柾哉くん、だいぶ(目を)開けてがんばってたよね。
木村:はい、だいぶ開けてがんばりました(笑)。
山中さんは、お気に入りのシーンというと?
山中:小田惟真くんと笠井悠聖くんの二人組が、いいスパイスになっているんじゃないかなって。それこそ、今の直己が告白を断るシーンの後もいたような。
木村:そうそうそう!いたいた!
山中:彼らはけっこう出番が多いんですよ。
木村:けっこう出てくるよね。監督もお気に入りみたいで(笑)。
山中:撮影のときもすごくかわいくてね。癒しの存在でした。
撮影現場で印象に残っているエピソードを教えてください。
木村:メインキャスト4人は、控え室もみんな一緒だったんですね。学校のシーンとかは教室が控え室だったりしたので、学生時代の給食時間を過ごしているような気分になりました。
山中:ずーっと、みんなでしゃべってたね。
木村:この作品についても話したりとか。そういう時間があったおかげで、だいぶ仲よくなりました。
山中:すごく覚えてるのは、撮影当時、齊藤(なぎさ)さんが性格診断にハマっていて。その話題で、3時間ぐらい永遠に語っていたこと(笑)。
木村:語ってたね(笑)。
山中:みんなの性格のタイプを調べてくれて、「珍しいタイプだね」とか言ってくれるんですけど、僕らは全然わからなくて(笑)。わりと(クランクインして)最初のほうでしたよね?
木村:うん。
山中:たぶん僕らは人見知りしていたと思うので、齊藤さんが話題を振ってくれて、うまく引っ張ってくれました。あと、渡邉(美穂)さんもけっこうしゃべるイメージがあるかな。
木村:そうだね。
山中:4人唯一の共通点が、アイドル経験があるということだったので、“握手会あるある”とか話しました。
木村:グループによって全然やり方が違うのはビックリしました。例えば、同じ日の握手会に何回も来てくれるとか。
山中:システムが違うってことだよね。
木村:そうそう!
本作の主題歌は、木村さんが所属するINIの「Break of Dawn」ですが、劇中に流れたときはどんな気持ちになりましたか?
木村:めっちゃ不思議な感覚でした。特に、クライマックスシーンで自分が画面に映った後、すぐに自分の歌声が入るんですよ!“ヤバ!”ってなりました。もちろん感動もしましたけど、御共直己を演じている木村柾哉と、INIの木村柾哉が同時にボンボン!ってくるのが、すごく不思議でした。
山中:いやぁ、僕、柾哉くんの声質が好きなんです。だから、今、柾哉くんの言った箇所は僕も大好き!
木村:ありがとうございます!
山中:INIさんは激しい曲が多いなかで、しっとりと歌い上げる感じが、すごくよかった!画ともマッチしているし。
木村:ね!エモいよね。
山中:もっとしっとりしちゃうとINIさんっぽくなくなりそうなところを、ちゃんとINIさんのよさも残っているし。すごくいいなと思いました。
本作の公開を楽しみにしている方へ、メッセージをお願いします!
山中:毎シーン、登場人物それぞれの感情がしっかり動いていて。そういうところを気にして観ると、絶対に1回じゃたりないんですよ。僕自身、また劇場で観ようと思っているんですが、そんなふうに何回も観たくなるような作品って、あまり出会えないと思うので。ぜひ、何回も観てほしいです!
木村:笑いの要素もたくさん詰まっていますが、人に対する向き合い方だったり考え方だったりというところも見つめ直せる作品だと思います。酸いも甘いも苦いも全部味わえる、盛りだくさんの映画になっています。柔太朗くんが言ったように、1回といわず、5回は観てください!
インタビューが始まる前からすごく楽しそうに和気藹々と話していた木村さんと山中さん。インタビューが始まるとお二人の映画の撮影エピソードや撮影期間がとても楽しく濃い時間だったというのが伝わってくるくらい2人の世界観に引き込まれて行くお時間となりました。また時間も少し遅めの取材だったのですが、疲労などは一切なくお二人の陽気なムードから取材の現場はとても明るくインタビューでは笑顔の絶えない空間でした。お二人のプライベートトークはお二人も初めて聞く内容をお互いが共有して新たな発見を一緒に感じることができました。
後編では、お二人の好きなものプライベートのトークに迫っております!お楽しみに!
木村柾哉
きむら まさや
1997年10月10日生まれ。INIのメンバーでありリーダー
最近の出演作に、TBS『君の花になる』(‘22)がある。
山中柔太朗
やまなか じゅうたろう
2001年12月23日生まれ。
最近の出演作に、テレビ朝日『仮面ライダーガッチャード』 (‘24)、TBS『私がヒモを飼うなんて』(‘23)、TBS『ブラザー・トラップ』(‘23) 、映画「静かなるドン2」(‘24)などがある。
©幸田もも子/集英社・映画「あたしの!」製作委員会
『あたしの!』
出演:渡邉美穂 ⽊村柾哉(INI)
⿑藤なぎさ
⼩⽥惟真(THE SUPER FRUIT) 笠井悠聖
藤⽥ニコル/⼭中柔太朗
原作:幸田もも子「あたしの!」(集英社マーガレットコミックス DIGITAL刊)
監督 撮影 編集:横堀光範
脚本:おかざきさとこ 音楽:遠藤浩二
配給:ギャガ
11月8日(金)より全国公開
©幸田もも子/集英社・映画「あたしの!」製作委員会
※Team Credit
木村さん
スタイリスト:Manami Togo
ヘアメイク:Sayaka (MASTER LIGHTS)
山中さん
スタイリスト:kawase136 (AFNORMAL)
ヘアメイク:Aki Nakashima
カメラマン:鈴木寿教
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿