中川大輔
「柔らかいキャラクターなら中川」と言ってもらえる役者になりたい
「メンズノンノモデルオーディション」でのグランプリ獲得を機に芸能界入り。2017年の俳優デビュー後は、特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』など話題作へも出演し、着実にキャリアを積んできた中川大輔さん。役者として転機となった作品や、現在感じているお芝居に対する思いなどをお聞きしました。
個人的な話をすると、「メンズノンノモデルオーディション2016」グランプリ受賞直後、わりとすぐのタイミングでインタビューさせていただきました。ご自身としては、当時から変化を感じる部分はありますか?
「MEN’S NON-NO」以外の初めての仕事だったので、そのときのことはよく覚えています。その頃から変わったのかな?……でもそのときも、今日と同じくらいいっぱいしゃべっていた気がするんですけど(笑)。
(笑)。ただ、当時はまだお芝居の仕事はしていなかったですよね。
たしかに。俳優になったというのは大きな変化ですね。俳優としても、ちゃんとお仕事として向き合えるようになったことも変わったところかもしれないです。
当時とはお仕事との向き合い方が変わった?
あの頃はまだ大学1年生でしたし。メンズノンノモデルでグランプリはいただけましたが、モデルとしての撮影も2、3回しかしていないようなときで、俳優とはどういうお仕事かということもまったくわからない状態だったんです。今は大学も卒業して、俳優というお仕事でごはんを食べることもできていて~という状況なので。こういう取材の受け方も変わったかもしれないです。
それは、どのように?
当時は“取材だ!楽しい!”しかなかったと思うんです。“初めての取材だ!自分のことを聞いてもらえるんだ!”という自分の楽しみのほうが勝っていたんですけど。今は楽しさもありながら、プラス“ちゃんと作品の話も届けたい”という意識が生まれました。
作品を背負っているという自覚が生まれたと。
そうですね。でも、“楽しい!自分の話を聞いてもらえる!”みたいな気持ちは変わってないかもしれないです(笑)。
お話しするのが好きなんですね。
好きですね。ラジオの仕事とかも大好きです。
これまでに転機となった作品はありますか?
『鴨川ホルモー、ワンスモア』は、絶対に転機になるだろうなと思っています。一人の役者としても、演技という面でも。今までの出演作品でいうと、『仮面ライダーゼロワン』とWebドラマ『モアワンワーズ~』が転機かもしれないです。『~ゼロワン』は、演技経験がほとんどないなかで出演させていただいて、現場でイチから学んでいった作品で。同じように演技経験があまり多くない共演者と、1年間ほぼ毎日同じバスに乗って一緒に現場に行って撮影をした1年間は、役者としての基盤になりました。
もう一つの青春というイメージでしょうか。
ホントに!俳優人生のなかでの青春ですね。キラキラしていたと思います。
共演者の方々とは、今でも連絡をとっているんですか?
今はお互いに忙しくなってしまったこともあり、仕事の現場で会うぐらいですね。大きなランウェイイベントに出るときは、(『~ゼロワン』の共演者が)誰かが出演していることが多いので、楽屋に遊びにいってしゃべったりしています。
『モアザンワーズ~』は、どういう面で転機になりましたか?
もともと僕は生っぽい演技というか、リアルな演技が好きだったんですが、それを初めてできた感覚があったというか。作品によって求められるお芝居が違うことは前提として。『モアザンワーズ~』では自分の好きな演技を存分にやらせてもらえた気がしたんです。それが自分のなかで自信につながりました。
今、お芝居の楽しさをどんなところに感じますか?
僕は今まで、“少ないシーンで爪痕を残さなければ!”みたいな演じ方だったんですけど。今回は主役ということで、まずは全体の軸になることが大事で。そのうえで、キャラクターがブレないように演じていかなきゃいけないなって。その演じ方が今は新鮮ですし、役への深度がより深まる感じが楽しいです。
今年で俳優デビューから7年が経ちますが、キャリアを積んできたからこそ感じるお芝居の難しさもありますか?
今お話しした演じ方が、楽しさと同時に難しさも感じます。役を演じている間は中川大輔としての自意識とかがなく、常に100%その人でいられるのが理想なんですけど、やっぱり役になりきれない瞬間もあるんです。“今、セリフを甘噛みしちゃったな”とか“今、思ったような感情が出なかったな”とか、役の感情以外の自意識を抑え込むのが難しいです。
1月に26歳を迎えましたが、30歳という年齢は意識しますか?
26歳になったときに実感しました。あっ、30歳のほうが(二十歳より)近いんだって。だからといって、何かが明確に変わったということはないです。
“30歳までにこういう人になりたい”という理想像はありますか?
ちゃんと自立した人間になりたいです。もっとどっしりと構えて安定した生活ができるように。
どっしりと構えるいうのは?
今はギリギリ自立しているような状態なので、健康や食事といった面もちゃんと自分で管理できるようにならなきゃなって。
役者として、30歳までにこうなっていたいという理想像はありますか?
僕の柔らかい雰囲気を出してもらえる……「やさしくて柔らかいキャラクターを任せるなら中川だよね!」と言ってもらえる役者になれたらいいなと思います。一つの作品のなかで、そういうポジションの役って結構あると思うので、そういうときに一番に名前が挙がる役者になりたいです。もちろん、全く違う役どころでも作品に呼んでいただけるようにこれからの仕事も頑張っていきます!
中川大輔
なかがわ だいすけ
1998年1月5日生まれ。
インタビューでは、写真とは違ってフワッとした空気感を持っている中川さん。圧倒的弟キャラのような中川さんは可愛らしかったです。お話しもとても丁寧にしてくださり、見ているこちらも微笑ましく見守るような時間となりました。そして撮影前でも中川さんから気さくに話しかけてくださいました。身長もスタイルも抜群、そして内に秘める可愛らしい笑顔や一面は終始ギャップにやられるスタッフでした。初主演の舞台でワクワクされている表情はとても輝いていました。
これからも常に柔らかい中身と身長とスタイルのギャップを武器にたくさんのご活躍を応援しております!ご出演ありがとうございました。
「MEN’S NON-NO」モデル。最近の出演作には、テレビドラマでは、毎日放送『彼女と彼氏の明るい未来』(‘24)、テレビ東京『パティスリーMON』(‘24)、映画では、瑠東東一郎監督作『極主夫道 ザ・シネマ』(‘24)舞台では、ニッポン放送開局70周年記念公園『鴨川ホルモー、ワンスモア』が控えている。
『作品情報』
ニッポン放送開局70周年記念公演『鴨川ホルモー、ワンスモア』
2024年4月12日(金)~29日(月・祝)東京・サンシャイン劇場
5月3日(金・祝)・4日(土)大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。
原作:万城目学(『鴨川ホルモー』『ホルモー六景』/角川文庫 刊)
脚本・演出:上田誠(ヨーロッパ企画)
出演:中川大輔/八木莉可子/鳥越裕貴/清宮レイ(乃木坂46)/佐藤寛太ほか。
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿