【磯村勇斗】映画『ヤクザと家族 The Family』役とシンクロした「人生の先輩」へのリスペクトと心に伝導し続けた“未来”への想い

FEATURE

2021年1月27日

磯村勇斗

映画『ヤクザと家族 The Family』
役とシンクロした
「人生の先輩」へのリスペクトと
心に伝導し続けた“未来”への想い

「背中で語る」という言葉、誰しも一度は耳にしたことがあるはず。しかし、実際にその「語られた言葉」を感じたことのある人はどれくらいいるのだろうか。言葉、文字、伝達手段をいくつも持つ私たちは「視覚化できないものを読み取る」ことにしばしば苦労する。しかし、磯村さんの話す言葉の端々から垣間見えたのは「読み取る」ことに長けた才能と「感じ取ろう、学ぼう」とする“心の視力の良さ”。そんな彼の心の瞳に映った『ヤクザと家族 The Family』、そして「木村翼」という青年について、お話をお伺いしました。た。

映画『ヤクザと家族 The Family』

ヤクザと家族 The Family

1月29日（金）全国公開

スターサンズ／KADOKAWA

＜あらすじ＞

これは、ヤクザという生き方を選んだ男の３つの時代にわたる物語。荒れた少年期に地元の親分から手を差し伸べられ、父子の契りを結んだ男・山本。ヤクザの世界でのし上がる彼は、やがて愛する自分の≪家族≫とも出会う。ところが、暴対法の施行はヤクザのあり方を一変させ、因縁の敵との戦いの中、生き方を貫いていくことは一方でかけがえのないものを失うことになっていくー。

＜木村翼＞

柴咲組元若頭の妻（寺島しのぶ）・木村愛子の息子。山本（綾野剛）に憧れを抱いている。

木村翼 × 磯村勇斗

翼は子供の頃から賢兄（綾野剛）をずっと「憧れ」として、そして「道しるべ」として見てきた男の子。自分なりの生き方を見つけて野心を持って真っ直ぐに進んでいながら、「この街でしか生きられない」といった複雑な想いを抱えている青年です。

賢兄と翼、言葉にすると難しい絆を感じました。
役として対峙した綾野さんはいかがでしたか？

空気で伝えてくださる方でした。僕が綾野さんに憧れている気持ちや尊敬している部分が、そのまま賢兄と翼の関係値と重なって。綾野さんご自身から、賢兄と同じような「自分に残せるものを残していきたい」という気持ちが伝わってくるんです。それは「これはこうだよ」といった“教え”ではなくて、あくまで“伝わってくる”もの。ずーっと綾野さんの想いを心で感じていましたね。「ただいるだけでいい」という存在の大切さと凄さを学ぶことができました。

言葉ではない想いを
受け取ってらっしゃったんですね。
翼という役から
磯村さんが学ばれたことはありましたか？

翼の「ここにしか生きる道がない」という面に関しては、僕が俳優として感じている「ここで生きていかなければならない」という使命感と通ずるものがありました。その想いを翼であれば賢兄、僕であれば綾野さんたちのような先輩方が支えてくれる。「支えられているんだな」という愛を感じることができましたし、愛の大切さを学ぶことができました。

Highlight of 映画『ヤクザと家族 The Family』

この作品はヤクザの「山本賢治」という一人の男性を軸に全盛期から衰退していく姿を描いているんですが、単なるヤクザ映画ではありません。人間味のある擦れた男たちの生きざまを垣間見ることができますし、男性のみならず女性でも共感できる部分があると思います。家族の絆、例え血が繋がっていなくても、そこに存在する「家族の繋がり」と「絆の強さ」がどれほど大切で尊いものなのかを感じていただけたら嬉しいです。