細田 佳央太
自分と比較する対象が同世代から先輩方に変わった
4歳で芸能活動をスタートさせ、ドラマや映画を中心に活躍中の細田 佳央太さん。2019年には映画『町田くんの世界』でW主演を務め、ドラマ『ドラゴン桜』、大河ドラマ『どうする家康』など、話題作に次々と出演し、注目度急上昇中の細田さんに、役者としての意識の変化や目標を伺いました。さらに、過去の回答をアップデートしていただきましたが、24歳らしい素顔も見せてくれました。
以前、インタビューをさせていただいた際に、「映画『町田くんの世界』に出会ってお芝居の楽しさを知り、“役者でごはんを食べていきたい”と思うようになった」とおっしゃっていました。ひさしぶりに石井組に参加して、いかがでしたか?
僕、ずっと夢というか、目標だったんです。1度ご一緒した方と、また一緒に作品をやることが。こういった取材の場で目標を聞かれたときにも、そう答えていたくらい、常々、目標にしていて。特に石井さんは、『町田くんの世界』で特別な経験をさせていただいたこともあり、もう1回ご一緒したいとすごく思っていたので、今回、本当にうれしかったです。『町田くんの世界』の撮影時は、現場のことを今以上に知らない状態でした。そこから時間が経ち、僕もいろんな現場を経験させていただいて。石井監督が伝えたいものとかテーマとか、作品の素晴らしさというのはもちろんですが、現場に入ったときにしかわからない石井監督の立ち振る舞いというか。監督としていかにステキな方で、本当にすごい方なのだということに気づくことができたんです。なので、今回ご一緒できてよかったなと心から思います。
『人はなぜラブレターを書くのか』に出演されている佐藤浩市さんは、監督が石井さんであれば、脚本を読まずにオファーをお受けになるそうですね。
石井監督って、作品のなかで世の中と戦っているんです。エンタメに振り切った作品も絶対に作れるのに、今、世の中に何を伝えたいかということをまず第一に考えているんです。そして、それに対して共に戦い、背負ってくれるスタッフさんや俳優部にお願いしたいっていう。その熱量も心意気も含めて、たぶん、みんな監督から生まれるものが好きで。きっと浩市さんも、それが好きだから、脚本を読まずに出演されるし。(石井作品に多く参加している)池松(壮亮)さんも(仲野)太賀さんも妻夫木(聡)さんも、そうなんじゃないかなって思います。
石井監督の作品は、必ずしもいい気分のまま終わるものばかりではないですよね。
そうですよね。(石井作品が)全然刺さらないという人も、きっといると思います。そもそも、万人受けすることが難しい芸術という分野のなかで、自分の意思を示すことの勇気と、それをちゃんと作品として昇華させる実行力を持つことは、本当に難しいと思うんです。だからこそ、それをできる人たちはすごいなと思います。石井さんも、そこを目指している……僕はそこまで深い話をしたことがないので、石井さんがなにを目指して作品を作っているのかはわからないですけど、そうなんじゃないかなって。人によって作品の見え方は違うけど、絶対に伝えたいテーマさえ、ちゃんと伝わればいいのではないかなと思います。
以前、水沢林太郎さんがFASTのインタビューで「俳優のなかで一番尊敬しているのは細田佳央太」とおっしゃっていました。
それ、この間、会ったときに直接言われたんです。だから、「やめたほうがいいよ」と言いました(笑)。「もっと、ほかにいい人がいっぱいいるよ」って。
一番と言い切っていましたからね。
いや~、絶対に変わりますって!これから彼も、いろんな先輩方とご一緒するうちに。でも、うれしいですけどね。同世代の人からそんなふうに言われるなんて、思いもしなかったから。
細田さんご自身は、同世代の役者の存在は気になりますか?
なります。だけど、昔ほどは気にならなくなりました。10代のときは同世代は全員、ライバルだと思っていたんです。俳優さんに対する世間からの需要が、全員に対して同じことなんて、ないじゃないですか。戦うフィールドが、みんな違うというか。なのに、ずーっと、“あの人よりも、自分のほうができると示したい”みたいなことを思っていました。
そうした気持ちがなくなってきたのは、なぜでしょうか。
菅田(将暉)さんに出会ったからです。菅田さんは今、30代で。山田裕貴さんや池松(壮亮)さん、(仲野)太賀さんもそうですけど、30代の先輩方が、今の自分と同い年だったときにどうだったかということを考えるようになって。今までは自分と比較する対象が同世代だったのが、先輩方に変わったんです。だから、あんまり同世代のことが気にならなくなりました。それ以上に、気にしなければいけない人たちが増えたということです。
最初に名前の挙がった菅田将暉さんは、細田さんにとってどんな存在なのですか?
もう、リスペクトしかないです。今の僕の年齢である24歳のときの菅田さんと、今の自分をくらべたときに、到底足りてないって思うので。あんなにすごい方に近づくためには、24歳の時点でここまでいってなきゃいけないというラインに、たどり着けていない。そのことに対する焦りを、今はすごく感じます。
2023年のインタビュー記事を拝読したところ、「一番近い目標は、25歳になったときに、仕事のペースが今以上になっていること」とおっしゃっていました。目標は達成していそうですが。
どうなんだろう?仕事の量でいったら、増えているんですかね。でも、ありがたいことに、ステキな作品や監督、俳優部、スタッフのみなさんと関わらせていただくことが多くなっていて。そういう意味では、量以上に質が上がっているというか。ステキな出会いだと感じられる時間が増えてきたのは、とってもいいことだと感じます。とはいえ、今のところ目標は変わってないです。25歳を超えたら、次は30歳までだなと思っています。
30歳までというのは?
この仕事を続けること。まずは、それです。続けることが、一番難しいので。
ここからは、2022年2月のFASTご登場時と同じ質問をするので、回答をアップデートしていただきたいのですが。
承知しました!
最近、ハマってることは?
インスタのリールで見られるASMRです。「どのウォータースライダーを滑りたい?」みたいなものとか。そういうAIを使って作られた動画を観るのにハマっています。
自分を漢字1文字で表すと?
「劣」です。僕はもう、劣等感の塊なんです。いろんな人に対して羨ましいと思っちゃう。でもそれは、ずっと付き合い続けなきゃいけない部分でもあります。
ちなみに、当時は「硬」と答えていらっしゃいました。
うーん、なんでだろう……?でも、たしかに頑固な面があるので、そう答えたのかもしれないです。
「この間、“教科書みたいな人間だな”と言われました」と。
それって、つまらない人間だと言われているようなものですよね(苦笑)。まぁでも、間違ってはいないので。今も、大きくブレてはいないです(笑)。
細田佳央太
ほそだ かなた
2001年12月12日生まれ。
撮影ではかっこいいのはもちろんのことですが、それ以上にコミュニケーションをすごく取ってくださる姿勢にすごく驚きと感心の連続でした。カメラマンの指示の中で座ってくださいというと、「しゃがみますかお尻をつきますか?」と細田さん自身がパターンを提示してくださるので、撮影も本当にスムーズに進み、いろんなポージングと表情を撮影することができました。これからもお芝居に対して常に自分と闘い続け、わからないままではなく、はっきりと切り開いた道を歩み続ける細田さんのご活躍を応援しております。お久しぶりのご登場ありがとうございました!
最近の出演作に、テレビドラマでは、TBS『ちるらん 新撰組鎮魂歌 』(‘26)、NHK総合『雪煙チェイス』(‘26)、NHK総合連続テレビ小説 『あんぱん』(‘25)、映画では、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(‘23)、『線は、僕を描く』(‘22)などがあり、現在放送中の4月期TBS『GIFT』に出演中や5月8日公開の『未来』の出演も控えている。
©2026 映画「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会
タイトル:人はなぜラブレターを書くのか
キャスト:綾瀬はるか 當真あみ 細田佳央太
妻夫木聡 音尾琢真 富田望生 西川愛莉
菅田将暉 笠原秀幸 津田寛治 原日出子 佐藤浩市
監督・脚本・編集:石井裕也
主題歌:『エルダーフラワー』Official髭男dism
コピーライト:©2026 映画「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:菅野綾香
スタイリスト:Satoshi Yoshimoto
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿