杢代和人
『仮面ライダーギーツ』
展開の読めないワクワク感を抱きながら
楽しく演じさせてもらってます
世界各国で話題のバトルロイヤルゲームを題材とした『仮面ライダーギーツ』(日曜午前9時・テレビ朝日系)。ゲーム参加者が仮面ライダーに変身し、敵勢力と戦いながらライダー同士も勝ち残りを賭けて競い合うことから、時には複雑な人間模様も描かれる。さまざまな想いを抱える参加者たちの中で、ゲームで不敗を誇る主人公・浮世英寿に異様な対抗心を燃やす吾妻道長を演じているのが杢代和人さん。令和仮面ライダーシリーズ第4作となる本作品と自身の役の受け止め方、撮影にはどのような気持ちで挑んでいるのか。クランクインから現在までの心境をお聞きします。
<あらすじ>
「おめでとうございます。今日からあなたは仮面ライダーです」。その言葉とともにドライバーとIDコアが届いたら、それは仮面ライダーへの片道切符。手にした参加者は街の平和をかき乱す謎の怪物=ジャマトから世界を救うゲーム・デザイアグランプリへ出場することに。そのゲームの内容とは、仮面ライダーに変身した参加者=プレイヤーが、各ステージのクリア条件を満たしながらジャマトと戦い、最後まで勝ち残った優勝者には理想の世界を叶える権利が与えられるというもの。次々と現れては変化するデザイアグランプリのステージ、戦いの果てに退場を余儀なくされる参加者、望みを叶えるために手段を選ばない者たち…。片道切符の終着駅には何が待つのか?
令和ライダー4作目となる
『仮面ライダーギーツ』に出演すると
決まった時の率直な感想を教えてください。
まず素直に嬉しかったのと、今までにないくらい緊張感がありました。歴史のある仮面ライダー作品に携わるというのは、嬉しいけどやっぱり緊張やプレッシャーが大きかったです。ただ僕自身も「仮面ライダーW」と「侍戦隊シンケンジャー」を見て育ったので、ヒーローに対する憧れはありました。
ライダー同士がスコアを競うライバルでもある
本作品。あらすじを聞いたときは
どんな印象を抱きましたか?
めちゃくちゃ面白そうだなと思いました。最近は幼稚園生くらいの小さい子供でもスマホゲームしている姿をよく見かけるので、バトルロイヤルというゲーム性のあるストーリーは受け入れやすいんじゃないかなって。仮面ライダー作品と今っぽさが融合した面白さがあると感じました。僕もプレイヤー同士で対戦するバトルロイヤル形式のゲームで遊ぶこともあるので分かるんですが、勝ち残れるのは1人だけというルールは味方同士で協力して勝つチームプレイとはまた違った楽しさがあるんです。そういった部分では僕自身と本作品のストーリー性のマッチングを感じました。
杢代さんが演じる吾妻道長は
どんなキャラクターですか?
道長は言葉足らずでぶっきらぼうな一面はあるものの、すごくまっすぐな性格で芯は曲げないキャラクター。その理由も、かつて親友がデザイアグランプリ参加中に他プレイヤーに陥れられ、命を落として退場してしまった過去を引きずっているから。その時の悔しさや憎しみが原動力になっていて、ブレない自分を持っているところに惹かれます。そして、その場に立ち会っていた仮面ライダーギーツ(主人公・浮世英寿)への対抗心を絶やさない部分にも、熱い信念のようなものがあって魅力的です。
吾妻道長を演じる上で意識していることは?
うーん…。パッと見ていて「嫌なやつだな」という印象を受ける人が多いと思うんですけど(笑)、人間的には素直さや純粋さを持ち合わせているキャラクターなので、そういう部分を感じられるように意識して演じています。おそらく元々は親友想いの良い奴だったのが、親友を亡くしたことをきっかけに、勝利のためには手段を選ばない考え方に変わってしまったんだろうし。あと道長のようなキャラクターって物静かでも成立するはずなのに、ライダー同士での会話中にたまにツッコミを入れていたり、意外とお節介な一面もあったりして、そこが少し自分と似てるかもしれないと思ってます。自分のことだけを考えているようで、まわりのこともしっかり見ているのが吾妻道長という人間なんじゃないかな。そういった一面が伝わると嬉しいです。
バッファたち変身後のキャラクターが
戦うシーンに後から声を乗せると
お聞きしましたが、
アフレコの時に心がけていることはありますか?
スーツアクターの方々が台本のセリフを言いながら演じているアクションシーンに、僕たちが後からアフレコで声をあてるというやり方は、慣れるまでの最初のうちはめちゃくちゃ難しかったです! なので、アクションシーンの雰囲気を知ることを心がけました。仮面ライダーバッファ(吾妻道長)のスーツアクター・縄田雄哉さんが撮影している現場を見させていただいて、縄田さんから「ここのバッファはこういう気持ちでセリフを言っている」というお話を受けてアフレコ時に意識することが増えましたね。バッファは僕1人だけの役ではないので、スーツアクターの縄田さんと話し合いながら役を固めていくようにしています。他のキャストのみなさんも同様です。こういった部分は特撮番組ならではかもしれません。
他のドラマとは違う点も多いかと思いますが、
大変だった撮影シーンなどはありますか?
撮影当初はアクションもアフレコも全部初めて。手探りでお芝居を進めていたので何もかも大変でしたが、今となっては慣れてきた感じはあります。慣れるまでが大変だったのは変身シーンですかね。バックルの取り出し方やベルトへのはめ込み方1つ1つの動作にルールがあるので、たくさん練習しました。それから変身シーンは撮影カット数が多いのも特徴的なんです。変身前と変身解除の場合、スーツアクターの方との動きがきれいに繋がるように、道長と仮面ライダーバッファがそれぞれ同じモーションを撮影するんです。つまりバッファが敵に吹っ飛ばされて変身解除されるシーンでは、道長は同じ動きで吹っ飛ばされるところからスタート。この連動させる芝居が最初の頃はけっこう難しいなと思ってました。
撮影現場ではキャストのみなさんと
どんな会話をしてますか?
台本や今後の展開についてはキャストのみんなと考察しながら小2時間くらいは話してます(笑)。先が読めなさすぎて、みんな台本を受け取るのを楽しみにしてるんです。ただ演技についてというか、キャスト同士で「ここのシーンはこうしよう」といった話し合いは今のところしてません。というのも、仮面ライダーは話によって監督が変わるので、役どころや演技の方向性については監督とお話しすることがほとんどなんです。自分の役については演じている自分が一番分かっているので、認識をすり合わせるという点でも大切なことだと思っています。
キャストブログによると
アクションを学び始めているとのことですが、
そのきっかけは?
初めてアクションをした後に達成感があったのと、カメラを通して見たときにカッコいいと感じたのがきっかけです。アクション監督の藤田慧さんにも「もっとアクションについて学んでみたいです」と掛け合って、練習を重ねて少しずつできるようになりました。アクションシーンは殴る方も、殴られる方も、全部の息が合わないと上手くいかない。1人では成り立たないんです。カメラワークを意識した上でアクションシーンの数十秒間は全力で演じる必要があるので、難しいけどやっぱり楽しさはあります。つい最近放送された13〜14話では、変身前の道長による生身でのアクションシーンが今までで一番多かったです。個人的には注目してほしい部分でもあるので、放送を見逃した方はぜひ配信で見ていただきたいです!
冬の映画では「仮面ライダーリバイス」
「仮面ライダー龍騎」とのコラボが決定。
歴代ライダーの方々と共演してみた感想は?
仮面ライダーの歴史をあらためて感じたのと、お芝居面でも勉強になることがすごく多かったです。アフレコでのちょっとした息遣い、セリフのアクセントのつけ方、見せ方の1つ1つにもヒーロー然とした美しさがあって! 芝居という領域を超えた、美学のようなカッコよさを感じました。
杢代和人
もくだい かずと
『仮面ライダーギーツ』を毎週楽しみに観ているスタッフがいると知って、「ありがとうございます!誰が好きですか?」と目を輝かせていた杢代さん。インタビュー中も「バッファのスーツではゾンビフォームがカッコよくて一番好き」と話してくださり、作品と役への愛情深さを感じられました。歴史あるライダー作品と向き合う杢代さんが、オフの日はどのように過ごしているのか気になりますよね。後編ではプライベートな一面をお届けします!
※Item Credit
ジャケット¥22,000
UNIVERSAL OVERALL×JEANS FACTORY/JEANS FACTORY 卸団地本店(088-861-5100)
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ソックス
スタイリスト私物
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ディレクション:半澤暁
ヘアメイク:花房みなみ
スタイリスト:小林優奈
インタビュー・記事:井上ハナエ
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「ギーツ/リバイス」製作委員会 ©石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映