櫻井海音×窪塚愛流
TBS系よるおびドラマ『差出人は、誰ですか?』
初共演
複雑な関係性に迫る対談インタビュー・前編
<あらすじ>
本作のテーマは「SNS社会に生きる若者たち」。情報収集や連絡手段だけでなく、人と人との大事な感情のやり取りすらSNSを通じて行われることが当然になった社会に警鐘を鳴らし、若者たちに向けて、「本音で人と向き合うこと」「匿名を使わずに相手に気持ちを伝えること」の大切さを、「手紙」というアナログなツールを使って描いていく青春ヒューマンミステリー。夏休み明け初日、担任から突然「二学期中に1人につき最低1通、クラスの誰かに向けて手紙を書け」と”手紙ゲーム”の始まりを告げられるところから、物語は始まる!
櫻井海音が演じる『成田育』とは?
櫻井海音(以下、櫻井):成田はクラスのリーダー格で王様のような存在。明るくてクラスメイトのみんなと仲が良いのに、とある理由から馬場にだけはイジメのようなきつい態度を取っています。僕自身の性格そのまま…というほどではないですけど、今まで演じてきた中では一番自分に近い役柄かなと思います。共通点としてはサッカーのユースチームに所属している設定と、自分で言うことでもないですけどクラスの王様というか、なんというか…。
窪塚愛流(以下、窪塚):カーストトップ(笑)?
櫻井:いやいやいや、そこまでではないって(笑)! でもまあクラスでうるさかった方ではあったので、やはり似ている部分はあるかなって。あとは高校を卒業して社会人となってから失いつつある、若さゆえの不器用さや無邪気さみたいな部分は、成田という役を演じさせてもらったことで思い出しました。
窪塚愛流が演じる『馬場浩人』とは?
窪塚:馬場は中学3年生で中学生棋士としてデビューして、プロになった途端スランプに陥り、苦しみながらも将棋が好きなことは変わらないという役どころ。クラスでは成田とその仲間たちによる成田軍団からイジメを受けています。僕自身の性格としては馬場とは真逆で、高校時代はわりと成田っぽいかなと思います。
櫻井:クラスの王様だったの(笑)?
窪塚:王様じゃないですよ(笑)! でもどちらかといえば王様軍団の内のひとり、みたいな。イジメとかはなく、明るくて周りの人を笑わすようなタイプでした。なので、撮影前に「どんな風にお芝居しようかな?」と考えていた時に、監督さんからは「絵に描いたようなイジメられっ子じゃないように演じて欲しい」と言われて。イジメられたとしてもちょっと抵抗してみたり、弱々しいイジメられっ子に見えないように一番心がけてました。例えば、馬場の大切な将棋の本を成田が床に投げ捨てたシーンでは、成田軍団を押し退けてまで本に飛びついていったりとか。
――そのシーンは窪塚さんの性格を反映して演じていたんでしょうか?
窪塚:うーん…意識したわけではなく、演じている中で、ちょっと抵抗した態度を見せたいなと。それを監督さんに相談したら「イジメられてもやられっぱなしには見せたくない」ということだったので。将棋が好きな馬場からすれば、大切にしている本を投げ捨てられたら成田軍団に歯向かってでも取りに行くだろうな。そんなこだわりが視聴者の方々にも伝わるといいなと思っています。
本作が初共演となる2人。お互いに初めて会ったときの印象と、今の印象に変化はありましたか?
櫻井:愛流のことは映像ではなくモデルとしての活動を見る機会が多かったんです。だから最初はクールで口数も少なくて、何ならちょっと尖ってる性格なんじゃないかという勝手なイメージがありました(笑)。実際に会ってみると謙虚で腰が低くて、すごく可愛らしい子でした。
窪塚:そんなこと思ってくれてたの(笑)?
櫻井:ただ役柄的に最初から距離が詰めづらい設定とストーリーだったので、親交を深めるタイミングはお互いに気を遣ってたと思います。
窪塚:僕も櫻井さんや共演者のみなさんと仲良くしたいなという気持ちはあったけど、馬場はクラスになじんでいない設定だったから…。
櫻井:最初の印象はどうだったの?
窪塚:共演経験はなくても、櫻井さんがテレビや音楽という世界で活躍されていることは知っていました! モデル活動を中心にしている僕との接点は少ないだろうけど、仲良くなりたいし、一緒にお芝居してみたいっていうのが最初の印象かな…。でもクランクインしてみると成田と馬場の関係は複雑だし、役柄に影響が出ないよう、撮影の合間におしゃべりすることは控えていました。撮影が進むにつれて二人の間にある問題も明かされて、ドラマの流れに合わせて僕と櫻井さんの距離も近づいているような気がしています。
櫻井:たしかに。芝居を重ねていくことによって徐々に打ち解けてきた感覚がありますね。
芝居を通じて距離が縮まるきっかけになった印象的なシーンはありますか?
窪塚:第6週の、学校に来なくなってしまうくらい苦しんでいる成田のことを馬場が助けるシーンです。成田が学校に来なくなったのは、馬場が手紙ゲームを通じて成田宛てに出した手紙がきっかけ。父親の会社が倒産してサッカーのユースチームを辞めたにも関わらず、それを誰にも話さず、クラスの王様気取りだった成田のことを快く思わないクラスメイトが何人かいて、精神的に追い詰められてしまったから。そして馬場も、かつて成田と交わした「一緒にプロを目指そう」という約束を反故された気持ちになり、怒りのままに「もう親友ではいられない」と突き放してしまうんです。
――そこから責任を感じて成田のことを助けようと?
窪塚:それもあるでしょうけど、やっぱり純粋に成田のことが心配なんです。馬場は今までたくさんひどいことをされてきたはずなのに、心から本気で助けようといろんな行動を起こします。そして馬場が成田を公園に呼び出して渡した手紙によって、成田は気持ちを救われて学校へ来るように。自分が演じている役ではあるものの、馬場の行動を見て「優しくて良いヤツだな」と感動しました。ただ誰に対しても優しいわけじゃなく、親友である二人の絆があってこそのシーンだなと思います。
櫻井さんはいかがですか?
櫻井:僕も山場である第6週。特に、ラストの和解シーンです。成田が馬場からの手紙を受け取った翌日、教室で自分の気持ちを伝えて、馬場にしっかり謝罪するシーンが印象的だったと実感しています。というのも、このシーンは台本から色々と変わったところがあったんですよ。
――どのように変わったんでしょうか?
櫻井:教室で謝罪するシーンはその後に、二人が握手をして仲直りの抱擁をするという流れでした。最初の台本では成田から握手の手を差し出すことになってたんですが、それではイジメていた側が自分から許しを求めにいってるような見え方になってしまうなと。このシーンは馬場が成田との間で起きた全てのことをひっくるめて、心の底から許しの気持ちを持ち、馬場から手を差し出して和解するのが一番自然で重要だと思いました。愛流や監督さんたちともそんな話をした結果、馬場から握手を求めてお互いに抱擁し合う展開に変わりました。
――そのシーンは二人で作り上げた、大事な場面なのですね。
櫻井:はい。それ以外にも、教室で成田が気持ちを伝えるために読み上げた手紙が、実は白紙だったという演出も印象的で。成田はキャラ的に気持ちを手紙に書き綴るよりも、直接伝えることを大切にしそうだなと思って。なのでこのシーンは手紙に書いてあることを読みあげているように見えて、成田が感情をむき出しにして想いを伝えていた。その流れで抱擁して、台本にはないのに勝手に涙が流れて…。
窪塚:あ、そこは僕も台本を読みながら「仲直りの抱擁をして泣くのはどうなんだろう」と思っていました。でも本番で成田と握手するほんの数秒間で、馬場の気持ちが変わった感覚があって、すごく泣きそうになったんです。櫻井さんの感情をむき出しにした芝居を受けて、考えてもいなかった展開が生まれました。
櫻井:お互いにびっくりしたね。本番前の段取りから今までの色んな背景を考えながら芝居して、いざ馬場の前に立ってみたら感情的になったという感じがありました。愛流もしっかり受け止めてくれて、自然に芝居の掛け合いができていたのかなと思います。あ、あとアレ。最後の言葉なんだっけ?
窪塚:成田にかけた言葉ですか?「諦めんなよ」って?
櫻井:そうそう。成田としてはつらい時期はあったけどまだサッカーを続けたいと思ってて、そのことを馬場は知っているから、仲直りをして馬場の前から立ち去る時に「諦めんなよ!」っていう一言をくれるんです。短いセリフではあるものの、本番では愛流がいろんなことを思い浮かべながら心にグッとくるような芝居をしてくれて。一緒に芝居をしてて楽しかったし、ありがたかった。お互いに通じ合えたからこそ、納得のいく和解シーンが撮れたのかなと思いました。
窪塚:成田と馬場の関係を締めくくるシーンだったので、とても印象深いです。櫻井さんの芝居があったからこそ僕もあんな気持ちになれたし、あの瞬間は僕の中ではカメラもスタッフさんも見えないくらい集中していました。心と心でぶつかり合って、心からお芝居できたなって思います。
それでは最後に、今後の見どころを教えてください!
窪塚:馬場は教室にいてもクラスメイトと会話することもなく、自分の世界の中で過ごしているキャラクター。でもエピソードを重ねるごとにクラスに溶け込んでいくんです。その過程は台本には描かれてなくて、共演者のみなさんと試行錯誤しながら芝居を作り上げている部分。みんなの役柄が生きてクラスの輪が出来上がっていく様子が、僕なりの見どころです!
櫻井:成田はこれまで馬場とのことや家庭のことなど、ちょっと暗めな展開が多かったと思うんですが、第7週からは一気に恋愛モードにシフトしていきます。成田が恋愛していく様子、気になる子に対してどういうアプローチをかけていくのか? そして文化祭という学園ドラマならではのイベントも出てきますので、クラス全体のシーンが増えていきます。ハッピーでポップな展開が描かれていくので、ぜひ楽しみにしていてください。
櫻井海音×窪塚愛流
さくらい かいと×くぼづか あいる
初めての対談インタビューということもあってか、最初は緊張気味だったお二人。ところが取材中に窪塚さんの顔についたまつ毛を櫻井さんが取ってあげたり、撮影時では息の合った動きでポージングを決めるなど、阿吽の呼吸を見せてくれました。 ドラマの中で複雑な関係からスタートしたお二人も、今では対談中にツッコミを入れ合うくらい和やかなムード。そんな雰囲気をお届けできるよう、後半ではお二人のプライベートな一面にもフォーカスしてお届けします!
TBS系テレビ よるおびドラマ『差出人は、誰ですか?』
毎週月曜〜木曜 深夜0:40〜放送(※一部地域を除く)
毎週金曜 TBS公式YouTubeにて全話配信
<Item Credit>
櫻井さん
jacket¥50,600
pants¥33,000
すべて MAGIC STICK(03-6434-5504)
shirt¥46,200
KOH’S LICK CURRO(03-6427-1405)
shoes¥29,700
CAMPER /カンペールジャパン (03-5412-1844)
窪塚さん
shirt¥104,500
nit¥74,900
pants¥104,500
shoes¥92,400
すべて ステラ マッカートニー(ステラ マッカートニー カスタマーサービス 03-4579-6139)
<Team Credit>
櫻井さん
スタイリスト:藤井晶子
ヘアメイク:吉沢実希
窪塚さん
ヘアメイク: NEMOTO(HITOME)
スタイリスト:上野健太郎
カメラマン:鈴木寿教
ディレクション:半澤暁
インタビュー・記事:井上ハナエ