木戸大聖
「男として、人としての厚みをつけて自分の強みにしたい」
昨年放送されたドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』やNetflixシリーズ『First Love 初恋』で世の女性たちを虜にし、先日最終回を迎えた金曜ドラマ『9ボーダー』では優しくて気が利く三姉妹の幼なじみを好演した木戸大聖さんが満を持して「FAST」に初登場! 自身初となる写真集『HANA-UTA』(7月1日発売・ワニブックス)を7月1日に上梓します。写真集に込めた思いや写真で表現することの面白さと難しさなどをお聞きしました。
「表現する」という点で、話せないこと以外に「演技」との違いをどんなところに感じていますか?
シンプルに「相手がいない」というところですかね。芝居は一人で作るものではなく、相手との掛け合いや、その場の雰囲気で出来ていくものだと思います。例えば、1人で
歩いて1人で話すシーンがあっても、それは誰かを想像しながらであったり、誰かに向けて言っていたりすることの方が多いです。それが写真となると、同じ1人の世界でもまた違う表現になってくると思います。
演技と共通している部分でいうと、撮影で1番近くにいるカメラマンさんとの呼吸や掛け合いですかね。言葉は少ないけど、シャッターを切ってもらうタイミングと、自分がその表現をしているタイミングが合った時、すごく気持ちいいんです。そういう、対「誰か」との掛け合いという部分は、写真と映像の撮影で似ているところかなと思います。
写真集のタイトルにもなっている「鼻歌」は木戸さんのクセだそうですね。特にどんな時に鼻歌を歌いたくなりますか?
結構無意識でどんな時でも鼻歌を歌っているので、リラックスしたり、脱力していたりする時に歌っているのかもしれませんね。
よく歌う「鼻歌ソング」を教えてください。
う~ん、なんだろ~?でも、自分が出演している作品の主題歌とかは、割と歌っちゃいます。そう考えると、結局仕事に繋がっているのかもしれないんですけど、僕は芝居をしていても「仕事をしている」という感覚がないし、楽しく、好きなことをやりに現場に行っているという感覚なので、好きでその時の仕事で関わっている歌を選んでいるのかなと思います。
オンとオフがご自身の中ではっきり分かれている感じではないのですね。
僕はゴルフが好きなので、プライベートでは完全なオフとしてゴルフをすることはありますけど。「よし、今から仕事だ。気合い入れて現場に行こう!」っていう風に仕事に向かう前にスイッチを入れるようなことはないですね。
本書の後半には、10年後のご自身にあてたメッセージを書かれています。その中で「何が強みの役者だと思われていますか?」という一文が印象的でした。今のご自身が同世代の俳優さんたちと比べて「ここは他の人には負けない!」と思うところを教えてください。
ほかの同世代の役者さんたちが経験してきてないような、幅広い仕事をやらせてもらってきたこと。それによる表現ができるところは、ひとつ強みだなと思っています。
あとは年相応ではないというか、自分の実年齢より下の役をやらせてもらう機会が多いので、まだ学生服を着る役ができることも、27歳にしては強みなのかなって(笑)。
これから身につけたい強みはありますか?
30代が近づいてきて、いつまでも学生役をやっているわけにもいかないですから、社会人や家族を持つ役のオファーがきた時に、ちゃんとその役のリアルさを見せられるようになっていたいです。そうすれば年上の役への振り幅も作れると思うし、もっと色々な顔を見せられると思うので。男らしさや人としての厚みみたいな部分が僕自身に出てきたら、きっとそれがこれからの自分の強みになるかなと思います。
木戸大聖
きど たいせい
1996年12月10日生まれ。
今の流行りでもあるメッシュ素材の服に赤のビーズがとても似合っていた木戸さん。撮影に切り替わってもスタッフに対して深々と自己紹介とお辞儀をしてくださるとても礼儀正しい方でした。そして何より、テレビで拝見するよりももっとお顔が小さくびっくりのスタッフ一同。撮影ではかっこいい写真を撮る合間にニコッと笑った可愛らしい笑顔のショットなど、木戸さんらしいとても素敵な写真を撮影させていただきました。また当日は多くの取材の最後にお時間をいただきましたが、最後までとても楽しそうな表情を見せてくださり、このお仕事がとても好きなのだと伝わるお仕事っぷりでした。これからもお仕事で関わる一人ひとりに対する気遣いと優しさ心遣いを大切にされている木戸さんのご活躍を応援しております。初出演ありがとうございました!
最近の出演作に、テレビドラマでは、CX「海のはじまり」(‘24)、TBS『9ボーダー』(‘24)、テレビ朝日『万博の太陽』(‘24)、フジテレビ『高額当選しちゃいました』(‘24)、テレビ朝日『ゆりあ先生の赤い糸』(‘23)、映画では、東宝『きみの色』(‘24)8月30日公開予定、『先生!口裂け女です!』(‘23)、写真集、『HANA-UTA』(ワニブックス)7月1日~などがある。
©ワニブックス刊/『HANA-UTA』
<書誌情報>
木戸大聖 1st PHOTOBOOK 『HANA-UTA』
撮影:田尾沙織
ワニブックス刊
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:速水昭仁
スタイリスト:田中トモコ(HIKORA)
衣装協力:パラブーツ青山
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿