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崎山蒼志
【シンガーソングライター】
現役高校生・藤原大祐が「会いたい人」「話したい人」に自らがインタビュアーとなってお話を聞くこのコーナー。第6回目は藤原さんの熱烈すぎるラブコールから実現した超濃密対談。インタビュー中にも何度も「愛の告白」をしていた藤原さん。ドキドキの中、はたして聞きたいことは聞けたのか…!?ゲスト・崎山蒼志さんの「マジなファン!」と公言する藤原さんの興奮具合もお楽しみください!
藤原大祐、憧れの人に会えました…!
藤原大祐(以下、藤原):よろしくお願いします。今日は来てくださって本当にありがとうございます!僕、崎山さんのマジのファンなんです。『日村がゆく』(AmebaTV)を拝見して「半端じゃないな」と。
崎山蒼志(以下、崎山):ありがとうございます。
藤原:ちょっと調べさせていただいたんですが、4歳からギターをやられていたそうで。習い事で始められたんですか?
崎山:そうです。祖母の家の近くにあるギター教室に通っていました。すごくラフな教室でガチガチに音楽的なことをやるレッスンではなく、どちらかというと生徒一人ひとりに寄り添って「自分の好きなようにやっていいよ」といった雰囲気の教室だったんです。ギターの練習に行く、というよりは先生に会うために行く、といった感じでした。
藤原:すごく分かります。僕もお恥ずかしいんですが2歳からピアノをやっていて。だからといってめちゃくちゃ上達した記憶があまりなくて(笑)。ちゃんとやり始めたのは最近なんです。当時は楽しいから通ってるだけ、みたいな(笑)。
崎山:僕も全く同じです(笑)。
藤原:どこでスイッチが入りました?自分にとってのターニングポイントとか。
崎山:僕も上達している感覚がなかったんですけど、とにかく通っているのが楽しくて。そんな風に続けているうちに、だんだんと「メロディーにのせてみたら自分の曲になるんじゃないか」と思うようになって。小学3、4年生くらいから遊びで曲を作るようになりました。
藤原:3、4年生でそれに気づいたんですか!?
崎山:本当に軽い気持ちだったんですけど(笑)。それをやり続けていたら、小学6年生の時にギター教室の先生から「ちゃんと曲をつくってみたら?」と言っていただいて、そこで詞をちゃんと書いてみたのが作曲を始めたキッカケであり、自分のターニングポイントです。
藤原:そこで切り替わったんですか?
崎山:そうですね。中学1年生の頃にはギター教室内でバンドを組んで、オーディションに応募したら結構上位までいけたんです。
藤原:そのくらいの時にバラエティ番組にご出演されたんですか?
崎山:中学3年生のときでした。
藤原:ずっとギターを握ってきた人生なんですね。めっちゃカッコいい!
崎山:いやいや、でもピアノやられてるじゃないですか。さっき(スタジオで)弾かれているのを聞いて「すごい上手だな」と思って。
藤原:お恥ずかしい…(笑)。
「自分らしく」を大切にした曲作り
藤原:崎山さんの曲を聴いていて一番特徴的なのは、崎山さんの歌声というか歌い方だと思っていて。
崎山:ありがとうございます。
藤原:「人と違うところで攻めていきたい、あまり聴いたことのない音楽と言われるのが嬉しい」とお話されていたインタビュー記事を拝見したんですが、普段曲を作る時はどういった気持ちで作られているんですか?
崎山:世の中には、たくさんの素敵な音楽が溢れていて。だからこそ「自分らしさ」を大事にしたいな、と。声に関しては「こんな声を出したい」と思って出したわけではなく、幼い頃から歌い続けていたらこの声になっちゃったというか。
藤原:なっちゃった、というより「その声になってめちゃくちゃいい!」です(笑)。崎山さんの声ってクセになるんですよ。必ずループして聴いちゃいますもん。
崎山:ありがとうございます(笑)。声も曲も「自分らしさ」を大事にしたいので、他とは違う「違和感」を大切にしています。歌詞に関しても、読んだ本からインスピレーションを受けて自分のなかで解釈したものや、出会った風景など、自分にしか書けないものを意識するようにしていて。ただ、一番自分の中であまり考えずに作っているのは歌詞かもしれないです。
藤原:考えないであの歌詞ができているんですか!?
崎山:いえいえそんな(笑)。
藤原:力を抜いて書く、みたいな?
崎山:そうですね。
藤原:あーなるほど!作曲繋がりなんですが、作曲する時って一個一個「これとこれ合うな」と考えながら作っていくのか、それとも「降ってきた」という感じで曲を生み出しているのか、どっちなのかすごく気になっていて。
崎山:僕はメロディーをギターで弾きながら何となく口ずさんで、「これいいな」ってフレーズが思い浮かんだらそれを膨らませていく、といった感じですかね。
藤原:一曲まるごとその作り方ですか?
崎山:自分やり方では、一番多い方法ですかね。
藤原:そうやってできてるんだ…。今きっとこれを読んでいるいろんな方々が「そうなんだ」と頷いていると思います。
崎山:いやいや(笑)。
藤原:まず何から作りますか?歌詞から作るのか、メロディーが先なのか。
崎山:大枠の歌メロにのせた詞をそのまま使うこともありますし、「あ、これいい!」と思ったギターとメロディーにのせて歌詞をワーッと書く時もあります。
藤原:すごい!カッコいい!!
「改めて音楽を学びたい」
そう決意した音楽への想いの変化
藤原:僕、崎山さんのSNSを拝見していて、投稿の中に「全部一からやり直す」みたいな投稿があったのを覚えていて。あれってもしかして作曲していた曲を「やめた!」と、最初からやり直したってことですか?
崎山:そんな感じですね。あとは、ちょっと「音楽に厳格に取り組もうかな」という気持ちがあって。今まで自分にそんなに自信がなくて、いろいろな方の音楽を聴いてはとにかく「すごいな」と思っていたんです。でも、そう思うからこそ「改めてちゃんと向き合いたい」と思い始めて。それであの投稿をしたんですけど…ちょっと恥ずかしいですね(笑)。
藤原:これ、もしかして出来上がりそうな曲を一度全部消して作り直しているのかな?と思ったんです。そういうのって結構勇気いりますよね?
崎山:そうですね。
藤原:前の曲のメロディーが頭に残っていると新しい曲が作れなかったりしますか?
崎山:しちゃいますね。今までは感覚で曲作りをしてきた部分が相当大きいので、これからはもっと「音楽」というものを学んで、いろんなジャンルの音楽を聴きながら進化していきたいです。
藤原:ファンとしてすごく楽しみです!今、音楽界でいろいろな方が「すごい天才が現れた」って崎山さんの名前を出していらっしゃって。そういった評価ってやっぱり興奮しますか?
崎山:「うわ、マジか」って感じですね。ありがたいことなんですが、同時にびっくりといいますか、緊張といいますか…。「え、本当にいいの?」って気持ちになります(笑)。
藤原:わぁ、僕も味わってみたいです(笑)。
崎山さんのプライベートを知りたいです!
藤原:崎山さんって音楽以外で普段は何をされているんですか?
崎山:本を読んだり漫画を読んだり、あとはYouTubeをすごい観ます。
藤原:ユーチューバーみたいな?
崎山:ユーチューバーさんの動画も観ますし、音楽関連の機材の話の動画やいろんな方のライブ映像なども観ます。あとは人がマッサージされている動画もよく観ますね。
藤原:人がマッサージされてる動画を観るんですか!?
崎山:はい(笑)。
藤原:それを観てご自身も気持ちよくなったり?
崎山:はい。なんかいいなぁ、みたいな(笑)。
藤原:あははは(笑)。ちょっと気になっちゃいますね。今この記事を読んでいる方もみんな調べてると思います(笑)。洋服とかは興味ありますか?
崎山:これから興味が出て来そうな気がしています。今までは「かわいいな」と思ったアイテムがあっても、あまり自分では買わなくて。私服も割とラフな格好をしてきていたんですが、最近はもっとちゃんと洋服を知りたい気持ちがあります。
藤原:ちょっと一緒に買いに行きましょうよ!
崎山:是非、よろしくお願いします。
藤原:僕、本当に崎山さんと仲良くなりたいんです。よろしくお願いします!
崎山:あはは(笑)。お願いします(笑)。
曲作りと文学作品の話
藤原:漫画からインスピレーションを受けることもあるんですか?
崎山:大好きな漫画家さんがいて。松本大洋さんって方なんですけど。
藤原:わ、名前似てる。僕、たいゆです(笑)。
崎山:おお…(笑)!そう、その方の漫画がすごく好きなのでインスピレーションを受けることもあります。でも一番多いのは小説からのインスピレーションですかね。
藤原:小説って言葉の組み合わせが面白いですよね。
崎山:本当にそう。すごいいろんな作品から影響を受けてきました。
藤原:だからあの歌詞が出てくるんですね。
「役者さんってすごいですよね」
崎山:個人的に「役者さんってすごい」と思っていて。「役になりきるってどういうことなの?」みたいな。
藤原:あはは、確かに(笑)。僕もまだ始めたばかりなので何も言えないんですが、確かに「どういうことなの?」って思いますよね。
崎山:すごい仕事だなって。映画とか演劇とか観ていて、とても感じます。
藤原:ベテランの方とか、もう役が憑依されてますもん。
崎山:そうですよね。演じる時に意識していることとかってあるんですか?
藤原:そんなに出演数は多くないんですけど、僕がこれまでやってきたドラマなどでは、まず恥じらいを捨てるようにしています。もう自分ってものを捨てて、その役だと思いこむ時期が必要なんですよ。なので私生活にもちょっとその役が入ってきちゃったり。陰のある役がくると少しネガティブになったりもします。
崎山:なるほど。
藤原:そういう時は崎山さんの曲を聴いて役作りしています。
崎山:ありがとうございます(笑)。
崎山蒼志の
“エンターテインメント活動の原動力”
藤原:エンターテインメントっていろんな種類があるけれど、共通して「誰かの心を揺さぶることができるもの」だと思っていて。崎山さんのエンターテインメントをする上での原動力って何かありますか?
崎山:僕自身が音楽に支えられているように、音楽には“人を支える力”が絶対にあると思うんです。曲を聴くことで心が楽になることもあると思いますし、「この空気でこの音楽を聴くの好きだな」という感覚になることもあると思いますし。僕も音楽をやるからには、聴いていただく方にそんな感情になっていただきたいと思っています。あとは、面白い曲とか聴いたことのない音楽がすごく好きなので、そういった“刺激”を曲を通して届けたいと思いますね。
藤原:誰かの人生の中で自分が生きるような。
崎山:そうですね、機能していたら嬉しいです。
「シンガーソングライター・崎山蒼志」が生まれた瞬間
藤原:初めて自分の曲を他の人に聴いてもらった時の反応って覚えてますか?
崎山:母親はでたらめな曲の頃からずっと聴いてくれていて、毎回「いいんじゃない」って感じだったんですよ(笑)。初めて他の人というか、ちゃんとバンドメンバーに聴いてもらった時に「意外とちゃんとできてるんじゃない?」という反応をもらって、めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。
藤原:それ、めっちゃ嬉しいですね。先ほど「聴いたことない音楽が好き」とおっしゃっていたんですけど、崎山さんが最近「この方好きだな」ってアーティストの方はいらっしゃいますか?
崎山:結構いらっしゃるんですけど、3、4年前に「この人すげー!」と思ったのは『長谷川白紙』さん。その方の曲には本当にびっくりしました。
藤原:ジャンルでいうとどのジャンルの方なんですか?
崎山:ポップスなんですけど、ジャズとかフュージョンとかをミックスされていて。クラシックなど本当に面白い音楽をやられている方なんです。
藤原:ポップスだけど奥にいろんなジャンルが?
崎山:めちゃくちゃ複雑なんですけど、ちゃんとポップスに昇華されてるんですよ。「すげーな」って本当に感動して。もう一ファンです。
藤原:そうなんだ!すごい僕も聴いてみます。ちなみにお会いされたことは?
崎山:お会いできました。一曲一緒に制作もさせていただきました。
藤原:どうでしたか?興奮しました?
崎山:「本物や~!」と、思いました(笑)。
藤原:あははは(笑)。
崎山:顔出しをされていない方なんですが、やっぱり「本物だ」って感じがしましたね。毎回作品を聴いていたので、お会いできた時は本当に嬉しかったです。
藤原:それはめちゃくちゃ嬉しいですね。
崎山:「この音楽面白い」という感覚とはまた違って「寄り添ってくれるな」と、曲からめちゃくちゃデカい愛を感じたのは『藤井風』さんとか。
藤原:分かります。僕も藤井風さん大好きで。
崎山:「愛、デカ!」ってなりますよね。
藤原:包み込まれます。
崎山:なんか優しいんですよね。あんな愛のある音楽をやられている方がいらっしゃるんだなって。
藤原:僕の中で、崎山さんと藤井さんってタイプは違うけれど、ニュージェネレーションな感じなどポジション的に近しいな、と思っているんです。
崎山:いやいや、恐縮です。本当に。
自分の作品を聴く時、観る時に思うこと
FAST:アーティストとして自分の曲を聴く時、役者として自分の作品を観る時、どんな気持ちなんですか?
崎山:世に出す前は「良い曲ができたんじゃないか」って自信もあるんですが、出した後はいろんな方の音楽を聴いて「うわ、やっぱりすごいな」と思います。だからこそ「もっともっと頑張ろう」って本当に思いますね。
藤原:あれだけの曲を作っても、そんな気持ちになるんですか?
崎山:「もっと完成度を高めたい」とか、「もっとやりたいことを形にできるんじゃないか」とかそういった感覚だと思うんです。曲を出した後は新しいことをやりたくなりがちですね。
藤原:実は野心家なんですね。
崎山:野心家かもしれないですね。もっともっと多くの音楽を作っていけたらと思っています。
藤原:いい意味で音楽に飢えているんですね。
崎山:そうですね。「自分にも出来るだろう」みたいな。
藤原:僕もまず、自分の出ている作品は必ず観ます。自分の技量や、自分が役に入っていることが伝わるお芝居ができているかとか、とにかく自分の勉強のために観ていますね。自分で演じている時には見えていない部分を第三者の目線で確かめるようにしています。
崎山:いやぁ、しっかりされてますね。
藤原:あははは(笑)。
『藤原対YOU』のマストクエスチョン
藤原:この企画のマストクエスチョンっていうのがありまして。必ずお聞きしたい質問なんですけども、崎山さんにとっての夢ってなんですか?
崎山:なかなか難しいと思うんですが、自分が心から「これや!」と思える曲を作ることですかね。
藤原:作り続ける?
崎山:作り続けることはもちろん、いろんな方々にもっと聴いていただける曲を作りたいですし、未来の方にも聴いてもらえるような曲を書きたいですね。
藤原:未来の人に聴いてもらえる曲ってめちゃくちゃカッコいいですね。
崎山:いやいや(笑)。でも夢はそんな感じです。
藤原:もう超濃密な時間でした。ありがとうございました!
PROFILE by Taiyu Fujiwara
崎山蒼志
さきやま そうし
2002年8月31日生まれ。
中学3年生の時に出演したバラエティ番組「日村がゆく」にて、その類稀なる音楽センスが多くの人の目に留まり、今日に至るまでその勢いは止まることを知りません。ギターテクニック、メロディ、テンポ感、歌詞、どれを取っても崎山ワールドが炸裂しております。私藤原も彼の一ファンであり、本対談は物凄く興奮しました。今後も崎山蒼志から目が離せません!
3/31(水) Amazon Prime Video独占配信ドラマ「賭ケグルイ 双」主題歌
「逆行」配信リリース
崎山蒼志「逆行」iTunesプリオーダーはコチラ▽
Interviewer
藤原大祐
ふじわら たいゆ
2003年10月5日生まれ。
俳優・現役高校生という肩書きに加え、
連載「藤原対YOU」ではイチから質問案を考え“インタビュアー”に挑戦中の17歳。
4月に出演予定のアミューズ若手俳優イベント「ハンサムライブ2021」のチケットが発売中。
※Team Credit
カメラマン:YURIE PEPE
ヘアメイク:金田紗世子
スタイリスト:カワセ136
インタビュー:藤原大祐
編集:満斗りょう