小林 虎之介
ドラマ『ながたんと青と -いちかの料理帖-2』
自分とはまったく違う栄を演じるのは楽しみだった
2023年に放送・配信され、話題を呼んだドラマ『ながたんと青と -いちかの料理帖-』。その第2期となる『ながたんと青と -いちかの料理帖-2』がWOWOWにて放送・配信されます。新キャストとして本作から登場する小林 虎之介さんにインタビュー。自身とは共通点がないという役どころについてや、共演者の印象のほか、作品にちなんだ質問などにもお答えいただきました。

<あらすじ>
京都の老舗料亭「桑乃木」存続のための政略結婚から一年の月日が経ち、本当の“夫婦”として心を通い合わせ始めた、いち日(門脇 麦)と周(作間龍斗)。ある日、いち日の伯母・町子(戸田恵子)が、2人のもとに“新しい家族”として道哉(眞野 陸)を連れてきた。一方、人気店になり始めた「桑乃木」に、新たな試練が。東京の資産家に婿入りして早々、アメリカに留学していた山口家の次男・栄(小林)が帰国するが、「桑乃木」に対してよからぬことをたくらんでいるようで……。立ちはだかる数々の困難に、「桑乃木」と、いち日・周夫婦のたどり着く未来とは。

『ながたんと青と -いちかの料理帖-2』に出演が決まったときの気持ちを教えてください。
お話をいただいてから原作を読んだのですが、“えっ、自分が栄(役)!?”って。それくらい、自分と違う人間でした。でも今までは、どこか自分と似た部分のあるキャラクターを演じることが多かったので、逆に楽しみにもなりました。
自分と共通点のない人を演じるときは、どのように役へアプローチしていくのですか?
台本を読んで、栄は自分が絶対に発することのない言葉選びをしていたりするんです。そういうのを覚えていくうちに、気づいたらそのキャラクターになっていきました。それは、どの作品でもそうなんですけど。あと、今回は姿勢にも気をつけました。僕は普段、スゴい猫背なので、自分で「ピシッ!」と言いながら(笑)。ほかにも、脚をよく組むとか、そのあたりは原作を意識しました。
原作以外にも、たとえば、演じる役に似たキャラクターの登場するアニメや映画などを参考にしたり、といったことは?
僕、今までアニメを観てこなかったんです……あっ、でも、(門脇)麦さんに『タコピーの原罪』を勧められて観ました。栄の役作りの参考になるキャラクターはいなかったですけど(笑)。

栄は関西弁を話しますが、関西弁のセリフというのはいかがでしたか?
イントネーションが超難しかったです。方言指導の方によると、僕たちがテレビで聞き慣れている関西弁は、ちょっと標準語の要素が入っているらしいんです。僕の通っていた大学は関西の人が多かったので、ちょっとしたエセ関西弁は話せたのですが、全然通用しなくて。まったく違う言語を習うかのように指導をしていただきました。
ちなみに、一番難しかった関西弁のイントネーションは?
もう、長いセリフ全部です。トーンがクネクネクネクネしているから難しくて!麦さんが、台本に矢印でアクセントを書き込んでいたので、それを真似したりしていました。でも麦さんは、歌も上手だから耳がいいんでしょうね。すぐにマスターしていて、うらやましかったです。
監督からは、栄というキャラクターについてアドバイスはありましたか?
撮影に入る前の本読みや衣装合わせのときに、「表面上は笑っているけど、目の奥が死んでいる」と言われたんです。「じゃあ、それでいきましょう」と答えたものの、いざやろうとすると、けっこう難しくて。とにかくもう心を無にして、笑顔の仮面だけをかぶって、ずっとお芝居をしていました。

小林さん自身は、栄はどんな人物だと思いますか?
かわいそうな人だなと思いました。複雑な家族関係が理由で、ありのままで生きてこられなかった子なんです。心を壊してしまい、そのせいで味覚もわからなくなってしまった。そこは大事にしないといけないと思い、“演技をしないと生きてこられなかった”というところを常に意識していました。
実際に完成した映像を見て、ご自身の意図していたところはきちんと表現できていた?
自分のなかでは最低限かなと。あそこをもっと、こうすればよかったかなとか、思うところはたくさんありました。でもそれは、どの作品でも毎回感じることなので。
今まで、自分のお芝居に満足したことがないということですか?
たまにあります。“うわっ、これ、いい芝居だぞ。見てくれ!”みたいな(笑)。そういうときって、反響もすごくいいんです。もちろん、満足したらダメだとは思っているんですけど、自分にしてはよくやった、みたいなときもあります。

本作は『ながたんと青と -いちかの料理帖-』の第二期で、小林さんは新キャストとして入っていく立場でしたが、主演の門脇 麦さんや、栄の弟・周を演じる作間龍斗さんとの共演はいかがでしたか?
すごくフレンドリーな方たちで、ホントに助けられました。最初は僕が役に集中してしまい、あまりコミュニケーションをとっていなかったので、気を遣ってくださっていたらしいんですけど。途中からだんだんと話したりできるようになって。2人ともいい方だったので、現場に行くのが楽しみでした。
お二人とは、どんなお話をしましたか?
麦さんとは、別の現場に共通の知り合いのスタッフさんがいたので、その方を交えてテレビ電話をしたりとか。作間くんとは、カメラが共通の趣味ということがわかって、急激に仲よくなりました。途中からはもう、カメラを持ちながらずーっと話していましたね。作間くんはわりと動画をメインに撮っていて、ジンバルとかもスゴいのをつけているんですよ。レンズについても、「実は、このドラマで使っているのよりいいものなんだよね」とか言っていて、「えっ、そうなの!?」みたいな(笑)。
お気に入りのシーンがあれば、教えてください。
それはもう、作間くんのバックハグじゃないですか?おー、さすが!という感じでした。あと、作間くんが麦さんをお姫様抱っこするシーン。麦さん、恥ずかしくなって笑っちゃったりしたんです。

小林さんの出演シーンでの見どころなどは?
僕の!?いや、もう!それはホントに大丈夫です。
でも、せっかくなので。
えーっ、なんだろうなぁ……作間くんとチェスをしているところですかね。頭がよさそうな感じでやっているので(笑)。
作間さんとの最初の撮影がそのシーンだとお聞きしました。お二人とも人見知りということもあり、緊張感のある現場だったそうですが。
人見知りというか……僕は一発目の撮影ということで、極限集中状態だったんです。さらに、チェスを動かす動作も気にしながらお芝居をしなければいけないので、“話しかけないでオーラ”が出ていたのかもしれません(笑)。後々になって考えると、話したりしてリラックスしたほうがよかったかなとも思いましたが、仲よしこよしの兄弟ではないので、その沈黙が逆によかったかなと。

恒松祐里さん演じる栄の妻・頌子との関係性が変化していくところも見どころの1つですが、恒松さんとはお芝居について話し合いましたか?
お芝居については、まったくで。ただ、赤ちゃんと一緒のシーンで、僕の赤ちゃんへの接し方がよくなかったらしく、「もうちょっと、こうして」とたしなめられました(笑)。僕、赤ちゃんに関してはど素人なので、接するのが怖くて。あまり近寄れないし、できれば抱っことかも避けたいんです。でも、恒松さんは堂々としているというか、泣きやませたりもできるんです!スゴいなって、リスペクトしていました。
本作のタイトルは、いち日にとって大事なものを表していると思いますが、小林さんにとって大事なものを2つ挙げるとしたら?
家族!あとは、なんだろう……体?ですかね。
小林さんにとって、家族はどんな存在なのでしょうか。
20年ぐらい一緒に住んでいたので、もう腐れ縁みたいな。妹とも、かなり仲が悪い時期もありましたけど、今は会ったりもしますし、実家に帰ったときはいろいろなものをプレゼントしたりもするし。甥っ子ができてから、家族の在り方がまた変わった気がします。より大事にするようになったというか。祖父母、いとこや親戚も含めて、みんな好きです。

「体」とお答えになったのは、どういった理由から?
今はすごく元気ですけど、病気になったりする可能性もあるじゃないですか。なので、体を大事にしたいなって思います。
トレーニングなどもしているのですか?
この仕事を始めてから、ずっとジムは契約していて、ちょこちょこ通っています。
あらためて、本作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
完成した作品を観て、ホントに飯テロドラマだと思いました。おいしいものをたくさん食べたい!となるし、すごく自炊をしたくもなるし。それに加えて今回は、いち日と周、栄と頌子、それぞれの夫婦間の関係性も深掘りされるので。ぜひ、どういう対立が起こるのかというところも、楽しみに観ていただきたいです。

小林虎之介
こばやし とらのすけ
1998年2月12日生まれ。
お会いしてすぐに小林さんのお顔の小ささに驚いたスタッフ。インタビューでは、本当に気さくに和やかな雰囲気でどんな質問にも答えてくださいました。シーズン2からの登場に対しての不安などはありつつも、そこに溶け込めるように臨まれる誠実さや周りに対していい環境を作ってくださる雰囲気から、ドラマの撮影でも同じように挑まれていたのだとお話を聞いて感じたスタッフでした。後編では、地元エピソードなど、より深ぼりした小林さんをお見せします!お楽しみに!
最近の出演作に、テレビドラマでは、テレビ朝日『科捜研の女 ファイナル』(‘26)、フジテレビ『ヤンドク!』(‘26)、日本テレビ『恋は闇』(‘25)、NHK『宙わたる教室』(‘24)、映画では、『生きがい IKIGAI』(‘25)などがあり、今後2026年度前期放送予定の『連続テレビ小説「風、薫る」』、10月期ドラマ『俺たちの箱根駅伝』の出演を控えている。

連続ドラマW-30
『ながたんと青と -いちかの料理帖-2』
2月20日(金)より毎週金曜 夜11:00~WOWOWにて放送・配信スタート
出演:門脇 麦 作間龍斗(ACEes)
小林虎之介 恒松祐里 久間田琳加 白石隼也/中村 蒼 戸田恵子
原作:磯谷友紀『ながたんと青と―いちかの料理帖―』(講談社「Kiss」連載)
監督:松本壮史 市岡 歩
脚本:川﨑いづみ
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
スタイリスト:青木紀一郎
ヘアメイク:堤紗也香
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿
