立石俊樹
恋を読むinクリエ『逃げるは恥だが役に立つ』
キラキラ王子が演じる恋愛経験ナシの独身サラリーマン
2019年に《恋を読む》シリーズ第二弾として舞台化、ムズキュン旋風を巻き起こして大きな話題を呼んだ『逃げるは恥だが役に立つ』。2021年8月、多くの声にお応えしてシアタークリエでの再演が決定した。人気も実力も兼ね備えた豪華キャスト陣が集まる中、今回、立石俊樹さんが演じるのは恋愛経験ナシの独身サラリーマン・津崎平匡。これまでさまざまな“華のある役”を務めてきた立石さんは、いかにして“地味で普通”な男を演じるのか? さまざまな意味の挑戦が詰まった今回の朗読劇、まずは原作漫画『逃げるは恥だが役に立つ』への思いを語っていただきました。
『逃げるは恥だが役に立つ』
<あらすじ>
院卒だけど内定ゼロ、派遣切りで無職になってしまった森山みくりは、父親のはからいで、恋愛経験ナシの独身サラリーマン・津崎平匡(つざき ひらまさ)の家事代行として働き始める。しかし良好な関係を築いたのも束の間、実家の事情でまたも職を失いそうになったみくりは、ひょんな会話の流れから平匡に「就職としての結婚」を提案。超真面目な平匡が導き出した答えは、まさかの<契約結婚>だった!!
周囲には雇用関係を隠して始まった新婚生活。でも夫婦にしてはぎこちない二人の様子に、平匡の同僚・風見涼太は疑いの目を向け、みくりの伯母・土屋百合は心配を隠せない。さらに平匡とみくりも一つ屋根の下で暮らすうちに、お互いを意識しだしてしまい……。果たして、波乱ずくめの契約結婚の行方は!?
「逃げるは恥だが役に立つ」はドラマと原作漫画、
どちらから先に見られたんですか?
原作漫画の方なんですよね。その後にドラマという流れです。なので、「逃げるは恥だが役に立つ」は漫画の方がイメージが強いんですよね。今回の朗読劇もベースは原作漫画なのでスムーズに役に入ることができ、そこは自分的にプラスだと思っています。
原作漫画でここが面白かった、
というポイントはありますか?
物語の軸となっている「契約結婚」。このインパクトが強かったですね。今の時代、結婚に対して人それぞれ色々な考えを持っていると思いますが、契約で結婚するというのは斬新だなと(笑)。あとは原作にはドラマに出てこないキャラクターも沢山いて、その一人ひとりにしっかりとバックボーンがあり、個性も強いんで読んでいて面白かったですね。フィクションとは思えないくらい人間らしさがあって、現実世界でもこういう感じの人いるんだろうなぁ、なんて思いを馳せながら読んでいました(笑)。
作中で一番好きな登場人物は誰ですか?
あえて自分の演じる役では無いキャラクターを挙げるすれば、そうですね、二人いるんですよ。一人が風見さんで、もう一人が百合さんです。風見さんはイケメンで平匡より何倍も女性の扱いが上手くて。なので女性に対してもスパッと意見を言えるんですよ。作中で主人公たちに嫌な感じ絡んでくる女性キャラが出てくるんですけど、その人に対してスパッと意見を言ってくれて。読者としてスッキリしますし、シンプルにこういう男性ってカッコいいなと。最初は気取った感じで嫌な奴なのかな? と思ったんですけど、読み進めていくうちにどんどん好きになりました。
百合さんに関しては風見さんとのエピソードが好きで。ずっと独身で生きてきて、平匡と同じように異性への防御をガチガチに固めていて。でもその中で風見さんと恋に落ちてしまって、“一人で生きていく”というプライドを捨てて踏み出す。そういった作中での百合さんの心の動きが素敵で好きなんですよね。たぶん何事にも前向きだったり、スパッと物事を言える人が好きなんだと思いますね、僕は。自分にできないことをできる人に魅力を感じます。
では、どちらかというと立石さんは風見さんタイプと
いうよりは津崎さんタイプ、ということですか?
どちらかというと、そうですね(笑)。
今回演じられる津崎平匡について、
どんな印象をお持ちですか?
最初の印象は、眼鏡をかけていて、性格が細かいし地味だなと。なんなんだこの人は、と思っていました(笑)。でも読み進めていくうちに、良い意味でのギャップがあることに気づいて、そこが好きになりました。例えばみくりが引きずっている元カレに関する問題の時、自分の意見をスパッと言って励ます男らしい一面だったり。仕事もしっかりこなすので職場では信頼されていて、平匡はやる時はやる男なんですよね。自分で「独身のプロ」と名乗っているだけあって、凄く自立しているところも良いですよね。最初のイメージの「地味で何もできない男」は読んでいく内に覆えりました(笑)。冷静に考えると平匡って、恋愛以外は完璧なんですよね。物知りで頭もいいし。
演じられる際はそういった
“しっかり者感”を意識していますか?
そうですね。ただ一つ難しいところがあって。僕、これまで演じてきたのが割とキラキラした役が多かったんです。でも今回の平匡は、なんと言いますかしっかり者ではあるんですけど、地味なんですよ。一切キラキラしてない(笑)。その地味さを醸し出すのが初めての挑戦ということもあって、なかなか大変で。稽古の時もビジュアル撮影の時もスタッフさんに「キラキラ隠せてないよ」って突っ込まれます(笑)。
立石さんならではの悩みですね(笑)。
日々、考えさせられますね……。どうやって表現すればいいんだろうと(笑)。
最後に原作ファンへのメッセージをお願いいたします。
今回『逃げるは恥だが役に立つ』の朗読劇に津崎平匡として出演させていただくのは嬉しい限りです。原作・ドラマ共に誰もが知っている大人気の作品なので、プレッシャーはもちろんあるのですが、しっかりと平匡という人間を理解し、僕が平匡を演じる意味を見出して、届けたいと思います。原作ファンの方にも楽しんでもらえるように、これまでにない朗読劇ならではの平匡を見せられるように頑張ります。
立石俊樹
たていし としき
1993年12月19日生まれ。
王子様的なビジュアルと優しい包容力、そして気さくな語り口と、
さまざまな面を持ち合わせる27歳。
恋を読みinクリエ『逃げるは恥だが役に立つ』
日比谷シアタークリエ (東京):2021年8月16日 (月)
原作:海野つなみ 『逃げるは恥だが役に立つ』(講談社「Kiss」所載)
脚本・演出:三浦直之(ロロ)
出演:立石俊樹 / 花乃まりあ / 牧島 輝 / 春野寿美礼
LIVE映像配信:8月16日(月) 18:30開演
https://up.auone.jp/articles/id/84633
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:目代遥
スタイリスト:カワセ136
インタビュー・記事:山根将悟