八木勇征
ドラマ『あやしいパートナー』
原作をリスペクトしつつ、自分の色も濃く出せた
ドキドキハラハラの展開に目が離せないと話題のドラマ『あやしいパートナー』。2017年に韓国(SBS)で放送された同名のドラマの日本リメイク版である本作でW主演を務める八木勇征さんに、自身の演じるキャラクターの魅力や、演じる際に心がけていたことのほか、胸キュンシーンの撮影についても伺いました。

©「あやしいパートナー」製作委員会・MBS
<あらすじ>
敏腕検事の立石春斗(八木)は、乗っていたバスで司法修習生の宮下さくら(齊藤京子)に痴漢と勘違いされ、散々な目に合う。その後、彼氏の青木颯太(池田彪馬)に浮気され、ケンカをしているさくらに遭遇し、思わずさくらを助けてしまった。それがきっかけでさくらのヤケ酒に付き合うハメになった春斗は、泥酔したさくらに押し倒されて……! 数日後、春斗は検察修習を受けにやってきたさくらと再会。厳しく接するも、なぜかほうっておけない春斗。最悪の出会いから始まった二人だが、この出会いは偶然か、それとも必然なのか――。

出演のオファーを受けたときの気持ちを教えてください。
もともと、韓国版の『あやしいパートナー』のことは知っていて。主演のチ・チャンウクさんとも、このお話をいただく前から共通の知人を通して交流があったんです。なので、そんな方がやっていた役を日本リメイク版でやらせていただけることにご縁を感じましたし。そんな経験ができるのは、人生で1回あるかないかぐらいのことだと思うので、とても光栄に思いました。
チャンウクさんからは、何かお言葉をいただきましたか?
「原作をリスペクトしながらがんばります」と伝えたら、「勇征なりの、勇征にしかできないお芝居でステキな作品にしてください」とおっしゃってくださってくださいました。やっぱり原作があるということで、ちょっと寄せたほうがいいのかなとか、勝手に自分で背負い込んでいるものがあったんですよ。それが一気に軽くなりました。なので、原作をリスペクトしつつ、自分の色も濃く出せたかなと思います。

ご自身の色というのは?
表情の部分ですかね。これは韓国だけでなく欧米の役者さんもそうですが、お芝居をするときのリアクションや表情も含めたモーションが、わりとオーバーじゃないですか。それがコメディとしての表現につながったり、キャラクターの心情がさらに強く視聴者に伝わるのかなと、個人的に思っているんです。今回、せっかく韓国の作品をリメイクするのだから、自分もそういうところを取り入れたいと思って、モーションをオーバー気味にしたり。表情を大きく……ムカついている顔、イライラしている顔、緊張している顔、照れている顔……というのを立たせるようなお芝居をしました。
春斗の髪型も、オールバックスタイルが新鮮でした。
髪型は、監督とも話してお願いして原作に寄せていただきました。春斗は、物語が進んでいくにつれて髪型が変化していくんです。オールバックから始まり、前髪を真ん中でちょっと分けておろすスタイルにして、マイルドさやカジュアルさを出したり。そういう変化は、韓国版を知っている方だったら“あー、なるほどなるほど!”って、なると思います。

春斗は正義感の強いキャラクターですが、ご自身にも共通する部分でしょうか。
基本的に、ダメだと言われていることはしないです(笑)。あとは、周りから責められている人がいたとしても、理由を知らないまま自分も責めることは絶対にしません。まずは話を聞いてあげたいと思うし。どんな場合でも中立な立場でいることを、ずっと心がけている……というか、僕の性格上自然とそうなっちゃいますね。
フラットに物事を見るようにしていると。
そうですね。失敗した人にも寄り添う余地というか、救いがまったくなかったら、落ちていくだけじゃないですか。それって決していい方向には進まないと思うから。自分はまず声をかけます。

そういう意味では、春斗に共感できる部分がある?
まぁでも、春斗に関しては、過去にさくらと同じ境遇……恋人に浮気をされたりとか、そういう共通のツラい思いを経験していたから。さくらに情がうつってしまって、それがきっかけとなり、第1、2話で物語がガッと動くことになったんです。僕自身はそこまで“この人だから”と特別な思いを持つことはあまりなくて。わりとフラットに寄り添いたいと思うタイプです。
ご自身は、春斗のどんなところに魅力を感じますか?
根はものすごくやさしいんです。お父さんへのあこがれから検事という仕事を選んだのも、人を救いたいという思いがベースにあるからなので、人としてすごくリスペクトしています。春斗の態度からは高圧的な印象を受けるかもしれませんが、それは彼なりの正義感の強さの象徴だと思いますし、僕の好きなポイントでもあります。
胸キュンシーンもたくさんあると思いますが、演じていてときめいたシーンはありますか?
第1話で、ソファにダン!ってさくらに押し倒されるシーンがあるんですけど。僕自身そんなことをされた経験がないので、すごくドキドキしました(笑)。

では、八木さんの素のリアクションも少し入っていたり?
いやぁ、それはないですけど(笑)。素だったら、顔が真っ赤になっていると思います。お芝居だから、そこはちゃんとできました。
そういった胸キュンシーンの撮影前は、どのような心持ちなのでしょうか。
監督と、どういうふうに見せたいかとか、そういうことはディスカッションしますが、特別、普段と変わることはないです。どのシーンも同じ熱量でやっています。
今作では、監督とどんなお話をしましたか?
吉村(慶介)さんとは、コメディー寄りのシーンを撮ることが多かったんですけど。安川(有果)さんから、「そういうコメディっぽい表情を、もっと自分の担当する回でも出してほしい」というリクエストをいただいたんです。「コメディのできる役者さんは多くないので、(八木は)スゴいです」と言ってくださって……もちろん、僕は役者としてまだまだですが、とてもうれしかったですし。それはやっぱり、コメディに振り切った作品を経験したから、活かせたのかなと思いました。

同世代のキャストが多い現場だったと思いますが、撮影時の雰囲気はいかがでしたか?
撮影現場は、ホントに和気あいあいとしていました。共演者のみなさんも、いい雰囲気で。僕、自分が座長を務める現場では、スタッフさんも含めて“また、このみんなでやりたいな”とか、“すごく楽しかったな”と思ってもらえる雰囲気にしたいと、心から願っているんです。なので今回そんなふうに思える関係性や空気感でできたのは、とてもうれしいです。
最後に、本作を楽しみにご覧になっている方へメッセージをお願いします。
僕たちにしか作れない『あやしいパートナー』を作り上げられたと思います。今後、物語はどんどん展開していきますが、春斗の心情の変化やさくらに対する接し方が、春斗目線で進んでいくので。ドラマの世界観はもちろん、ぜひそこにも注目してみてください!

八木勇征
やぎ ゆうせい
1997年5月6日生まれ。FANTASTICSのメンバー。
ドラマイベント前のお忙しい中で時間をいただいた八木さん。お会いしてすぐに丁寧にご挨拶をしてくださる礼儀正しさに敬意と尊敬の姿勢を強く感じました。インタビューでは映画館のソファー席に座っていただいたのですが、すごくカッコよく、どの方向、どの角度でカメラを向けても素敵で、様になっていて、すごく絵になっていました。ドラマ中盤までのお話も多くの媒体で話されているにも関わらず丁寧に、新しい内容を話すような表情で話されている姿に、エンターテイメントのプロ意識の高さを感じました。
後編では、主題歌の好きなところなど伺っております。お楽しみに!
最近の出演作に、テレビドラマでは、テレビ朝日『南くんが恋人⁉』(‘24)、フジテレビ『婚活1000本ノック』(‘24)、映画では、『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』(‘25)、『矢野くんの普通の日々』(‘24)『劇場版 美しい彼~eternal~』(‘23)などがあり、8月22日より『隣のステラ』が控えている。

©「あやしいパートナー」製作委員会・MBS
ドラマイズム「あやしいパートナー」
放送情報
2025年4月29日(火)より絶賛放送中!
MBS 4月29日(火)より毎週火曜 深夜0:59~
TBS 4月29日(火)より毎週火曜 深夜1:28~
配信
TVer、MBS動画イズムで見逃し配信1週間あり
ディズニープラスにて見放題独占配信
原作:SBS/クォン・ギヨン「あやしいパ-トナー」
出演:八木勇征 齊藤京子 / 草川拓弥 森田想 伊島空 土佐和成 / 高杉亘 渡辺いっけい
監督:安川有果 吉村慶介
脚本:政池洋佑
音楽:小山絵里奈
オープニング主題歌:FANTASTICS「運命なんて」(rhythm zone)
エンディング主題歌:神はサイコロを振らない「Lovey Dovey」(ユニバーサルミュージック/ Polydor Records)
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
製作:「あやしいパートナー」製作委員会・MBS
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:福田翠(Luana)
スタイリスト: 中瀬拓外
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿