駒木根葵汰×新原泰佑
ドラマ「25時、赤坂で」
羽山と白崎の“恋人ごっこの終わり”を見届けてほしい
on BLUE(祥伝社)にて連載中で、「BLアワード2023」ではシリーズ部門とドラマCD部門において1位を受賞した超人気マンガ『25時、赤坂で』がTVドラマ化され、絶賛放送中(テレ東)。台湾発のLGBTQコンテンツに特化した動画配信サービス「GagaOOLala(ガガウララ)」の特別協力により世界配信も予定されているなど、大注目の本作でW主演を務める駒木根葵汰さんと新原泰佑さんに、撮影中のエピソードや、役への思いなどを伺いました。
©「25時、⾚坂で」製作委員会
〈あらすじ〉
新人俳優の白崎由岐(新原泰佑)はオーディションでチャンスをつかみ、大学の先輩である人気俳優・羽山麻水(駒木根葵汰)の相手役としてBLドラマに出演することに。初めての大役を前に焦燥感に駆られ、思い悩む白崎だったが、羽山の提案で、撮影が終わるまでの間、二人は役作りのための恋人関係になることに。二人の疑似恋愛は、はたしてどんな結末を迎えるのか――。
あらためて、本作への出演が決まったときの気持ちを教えてください。
駒木根葵汰(以下、駒木根):僕はこれまで、仕事に関してはマネージャーさんにおまかせしていることが多いんです。でもこの作品に関しては、事前に相談されました。作品の内容などを説明してもらうところからのスタートは初めてだったので、新鮮でした。でも、この役をまかせていただけることはうれしかったですし、今はやってよかったなと思っています。
新原泰佑(以下、新原):まず、僕は主演を務めることが初めてだったので、お話をいただいたときはすごくビックリしました。それに、僕はマンガやアニメが大好きで、原作モノに愛が深いタイプなので、作者さんへのリスペクトもあるし、プレッシャーや不安もありました。最初の顔合わせの時点では、楽しみの反面不安でドキドキしていたんです。ですが、駒木根さんが相手役だと聞いたときはすごく安心しました。
駒木根さんも、最初は不安もありましたか?
駒木根:そうですね。原作のドラマ化の経験はありますが、そこまで数をこなしていたわけではないですし。人気俳優の役ということで、ホントに僕でいいのかな?という迷いもありました。僕以外にもいい人がいるんじゃないのかなって……それはネガティブなお話ではなく、よりよい作品にするためにという意味で。僕は、そこに対しての追求を捨てたくないと思っているので。ちゃんと決意ができたうえでお引き受けしようと思っていろいろと考えた結果、YESという答えに行き着きました。
ご自身と役どころの共通点を教えてください。
新原:たぶん羽山と白崎は、お互いがお互いのことをいろいろと考えるがゆえに、あまり本心を言えないところがあって。特に羽山は、本心を隠したまま生きている人なんですね。白崎は本能的に感情が出ちゃうときもありますが、意外に大事な場面では、考えすぎて口に出せない言葉もあったりして。そういうところは白崎っぽいし、駒木根さんの普段からちょっとポーカーフェイスな部分とかも、すごく羽山っぽいなと思います。
駒木根:新原くんは、現場でわからないことがあったら、ちゃんと聞くタイプなんです。自分のなかで解釈ができてから挑むところは、白崎に似ているなと思います。
羽山と駒木根さんの共通点はありますか?
駒木根:そこまで具体的に考えたことはないんですけど。羽山を演じていて全然苦じゃないというか、むしろ楽なんですね。背伸びをしている感覚もないので、たぶん大きな違いはないんでしょうね。しゃべるときのテンションとか、あとは表情の作り方……“ここはこうやって演じないと!”ってスイッチを入れる必要がなく、わりとリラックスして演じられたので。言葉にするのは難しいですけど、感覚的には自分にすごく似たものを感じます。
©「25時、⾚坂で」製作委員会
羽山と白崎は俳優という設定で、劇中で役者を演じるシーンもあります。難しさを感じることや、撮影中に意識したことはありますか?
駒木根:まず、台本をキチンと理解しないと自分が置いてけぼりになってしまうなと思いました。このドラマは、「25時、赤坂で」の台本とは別に、劇中劇である「昼のゆめ」の台本もあって、さらに、“ここ、劇中劇のシーンを増やします”と後から追加されたりもすることもあったので、二つの台本を同時に覚えないといけない難しさがありましたね。
新原:うんうん。
駒木根:あとは、今どのシーンを撮っているかを認識しないとズレが生じてしまうと思い、そこをしっかりと意識しました。ドラマの後半では羽山が過去を振り返るシーンがあるんですが、自分で時系列をしっかり認識し、そのうえで、監督ともディスカッションをしながらズレをなくしていくという作業は、いつもより丁寧に行いました。
役作りに時間をかけたと。
駒木根:そうですね。他の作品よりは本読みやリハーサルの時間をたくさん設けてもらったのですごく助かりました。
新原:劇中劇を演じるのって、僕ら自身も難しさを感じるので、視聴者の方が理解するのはもっと難しいと思うんですよ。なので、僕らはもちろん、観ている方を置いてけぼりにしない努力をしなければいけない。そこの切り替えをグラデーションでキレイに見せつつ、でも明確に切り替わっていないといけないっていう。
具体的には、どんなことを心がけたのでしょうか。
新原:白崎は、ずっと芝居に悩んでいるキャラクターで。羽山さんとお芝居をできるのはうれしいけど、相手役が自分でいいのかとずっと悩んでいるんです。そんな白崎が、劇中劇で拓海役を演じるということで。僕が全力で演じてしまうと、たぶんちょっと違う……白崎が演じる拓海ではなくなってしまうというか。だから、そこは監督とも話しながら、すごく綿密に計算をしました。拓海の、お芝居に熱がこもりすぎてアンマッチになってしまうところとかも、うまい具合に見せられたらなと日々奮闘していました。
お二人ですり合わせもしましたか?
駒木根:1話から4話までは、一緒にリハーサルをやったし。次のシーンの撮影前に、現場でセリフの流れを確認したりはしたよね。
新原:うん。この作品は、駒木根さんと僕が息を合わせて“息の合わない羽山と白崎”を作らないといけないので、ディスカッションの時間はなるべく多く作るようにしています。
本作は順撮りでないとお聞きしました。本作は、羽山と白崎の心境が繊細に描かれる物語ですが、どのように気持ちを作っていきましたか?
駒木根:準備段階から台本を隅々まで読んで、自分の中である程度ストーリーを構築していきました。僕が思い描いているものと、周りの人が思い描いているものには、絶対に軽いズレが生じるものだと思うので。監督やプロデューサーに「前回こういうことがあったから、羽山は今、こういう気持ちなんじゃないかなと思うんですけど」と意見を投げかけて、それが共通の認識であればそのままいくし、ちょっと違う部分があったら、すり合わせをしながらシーンを作り上げていきました。
気持ちをつなげる作業は大変ではない?
駒木根:最初にリハーサルがあったおかげで、ある程度、土台の部分を自分の中で構築できていたので、そこまで難しさは感じなかったですね。ただ、ストーリーが進むにつれて、過去にいったり、最初のほうのシーンのフラッシュバックが入ったり、時系列がバラバラになってくるシーンもあるので、そこは台本を何度も確認し読み込みました。
新原:僕は、台本に書き込んである気持ちの変化だったりを見ながら“今はこういう心境だよね”と立ち返るときもあるのですが、原作に戻ることが多いですね。マンガを見直して“あっ、白崎って、このシーンでこういう顔をするよね”と確認して、夏野(寛子)先生の与えてくれるヒントを自分のなかに入れ直してから台本とすり合わせて。その後、プロデューサーと監督とディスカッションをして、白崎の気持ちの変化がなるべくキレイなグラデーションで見えるように。白崎は感情の変化が激しいキャラクターなので、そこは意識しています。
©「25時、⾚坂で」製作委員会
駒木根さんは、原作からヒントを得ることはありますか?
駒木根:うーん、もちろん原作を尊重することは大事にしていますけど。最初に、リアルを追求するドラマであることをお聞きしたので、どちらかというと、感情や気持ちの部分を大切にしていこうと自分の中で決めていたんです。なので、いったん羽山という人間を素直に自分の中で想像しながら、感情をちゃんと感じながら動くことを重視しました。もしもそれが違ったら、監督が指摘してくれると思ったので。
撮影中のエピソードを教えてください。
新原:明日とあさってが、大変なシーンの撮影なんですよ。温泉のシーンを泊まり込みで撮るのですが、楽しみであり、ちゃんと撮りきれるかな、という怖さもありますね。
駒木根:怒涛の日々が続いたなという実感はあって。最初は、羽山と白崎がほぼ二人でお芝居をしていくシーンが多かったので、大量のセリフに追われながら、“次はどこのシーンをやるんだっけ?”という頭の整理にも追われるという。でもたぶん、僕よりも新原くんのほうが大変だったと思います。繊細なお芝居を要求されるなかで、気持ちの変化を表現しないといけない。プラス、初めての主演というところも、白崎とマッチしてるよね。
新原:そうですね。
駒木根:白崎が気負いすぎて空回りしてしまう部分とか、羽山の家でのシーンの撮影のとき、新原くん自身が思い詰めているように見える日があったんです。そういうときに、僕はあまり声もかけられずに申し訳ないなと思いつつ。でも、明日からの撮影には新しいメンバーも入ってきて、多少余裕ができるかなと思うので。残りの日々をしっかりと座長らしく……といったらおこがましいですが、少しでも現場を引っ張っていけたらなと。
声をかけなかったのは、あえて?
駒木根:うーん、そうですね。きっと、新原くんは新原くんなりに自分の中でしっかりと白崎という役を考えてきているだろうし、まずはそこを表現して、そのうえで、新原くんの中で完結した白崎を僕がどう感じるか、監督がどう見えるか、ということを自分で考えたほうが、きっといいものになるんだろうなと思って。僕が口をはさむことは、あまりなかったですね。
新原:ありがとうございます。確かにしっかり自分で悩みたいタイプなので。
駒木根:あっ、そうなんだ!?声をかけなくてよかった~(笑)。でも、なんとなくわかる気がする。
新原:たぶんですけど、僕は白崎と同じで、すぐに顔に出るタイプなんですよ。だから、そのときも無意識に“誰も来ないで”というオーラを出していたのかなって(笑)。
駒木根:そっか(笑)。
新原:マネージャーさんからも、「楽しいとき、すごく考えているとき、怒っているとき、全部わかる。それこそ、何に対して怒っているかもわかる」と言われるんですよ(笑)。この作品の撮影期間中は、白崎と同じ歩幅で同じテンポで共に歩いている感覚があるので。白崎が悩んでいるときは、同時に僕も悩んでいたのかもしれませんね。
物語もクライマックスを迎えていますが、最終回に向けての見どころを教えてください。
駒木根:7話で、羽山の過去や、白崎に対してホントはどういう気持ちだったのかが見えてきます。もうすぐ「昼のゆめ」での恋人役も終わってしまいますが、そのうえで二人がどういう関係になっていくのか。本当の気持ちをお互いに伝えることができるのか。もどかしさも感じつつ、最後の最後まで楽しんでもらえたらうれしいです。
新原:7話は、今まで描かれなかったことすべてを回収していくような怒涛の展開だったと思いますが、8話以降も目の離せない展開になっています。羽山と白崎の“恋人ごっこの終わり”を……あえてそういう言い方をしますが、ぜひ見届けてほしいなと思います。
クールで落ち着いている雰囲気の駒木根さんととっても明るく元気に入ってこられた新原さん。撮影では終始とても楽しそうな雰囲気とお二人の仲の良さが伝わるショットをたくさん撮ることができました。作品の撮影でもお互い気を遣わずに接しているという言葉の通り気を遣わずに自然体な2人の魅力をとても素敵に感じました。年々増していく駒木根さんの魅力とまだまだ明るさと元気いっぱいの新原さん。後編では日常的なお話などにも迫っています!お楽しみに!
駒木根葵汰
こまぎね きいた
2000年1月30日生まれ。
過去の出演作に、朝日放送テレビ『あなたの恋人、強奪します。』(‘24)、テレビ朝日『松本清張ドラマスペシャル 第一夜「顔」』(‘24)、今回のテレビ東京『25時、赤坂で』などがある。
新原泰佑
にいはら たいすけ
2000年10月7日生まれ。
過去の出演作に、WOWOW『アオハライド』 (‘23)、テレビ東京『なれの果ての僕ら』(‘23)、フジテレビ『グランマの憂鬱』(‘23)、 今回のテレビ東京『25時、赤坂で』などがある。
©「25時、⾚坂で」製作委員会
【タイトル】 ⽊ドラ 24「25時、⾚坂で」
【放送局/放送⽇時】 テレビ東京 テレビ⼤阪 テレビ愛知 テレビせとうち テレビ北海道 TVQ 九州放送/2024 年 4 ⽉ 18 ⽇スタート 毎週⽊曜深夜 24 時 30 分〜25 時 00 分
BSテレ東、BSテレ東4K/2024 年 4 ⽉ 23 ⽇スタート 毎週⽕曜深夜 24 時 00 分〜24 時 30 分
【配信】 広告付き無料配信サービス「ネットもテレ東」(テレ東 HP・TVer)にて⾒逃し配信
▶テレ東HP︓https://video.tv-tokyo.co.jp/
▶TVer︓https://tver.jp/
各話放送終了後から、動画配信サービス「U-NEXT」にて第⼀話から最新話まで独占⾒放題配信
▶U-NEXT︓https://t.unext.jp/r/tv-tokyo_pr
GagaOOLala にて⾒放題配信 ※⽇本を除く全世界で独占配信
▶https://www.gagaoolala.com/en/home
GagaOOLala は、アジア初のグローバル規模の LGBTQ 及び BL 専⾨メディアで、オリジナル作品のほか、世界中から集まる 1,300 以上のタイトルを取り揃えており、249 以上の国や地域に届けています。
【出演】 駒⽊根葵汰 新原泰佑
宇佐卓真 南雲奨⾺ 福津健創 今川宇宙 篠原悠伸/橋本淳 ⽚⼭萌美
【原作】 夏野寛⼦『25時、⾚坂で』(祥伝社 on BLUE COMICS)
【監督】 堀江貴⼤ 川崎僚
【脚本】 ⻘塚美穂 阿相クミコ
【主題歌】 鯨⽊「赫赫」(ポニーキャニオン)
【エンディングテーマ】 Mel「東京ナイトロンリー」(HPI Records)
【プロデューサー】 江川智(テレビ東京) 千葉貴也(テレビ東京) ⽊村綾乃(The icon) 古林都⼦(The icon)
【特別協⼒】 GagaOOLala
【制作】 テレビ東京 / The icon
【製作著作】 「25時、⾚坂で」製作委員会
※Team Credit
駒木根さん
スタイリスト: 千葉良(AVGVST)
ヘアメイク: 吉村健
新原さん
スタイリスト:秋山貴紀
ヘアメイク:岩村尚人 (SPIELEN)
カメラマン:鈴木寿教
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿