高橋文哉
俳優、ラジオと大活躍!
「自分を見失っている」と語る彼の、
その言葉の真意とは?
現在放送中の月9ドラマ『女神(テミス)の教室〜リーガル青春白書〜』に出演している高橋さん。元々は料理人を目指していた彼だが、令和初の仮面ライダー『仮面ライダーゼロワン』の主役の座を掴むと、その後数々のドラマや映画へ出演しながら、ラジオのパーソナリティなど多岐にわたって活躍。「自分を見失っている」と語る高橋さんの言葉には、デビュー4年目にして築き始めた彼の“俳優”としての在り方が垣間見えた。
FASTでは高橋さんが18歳の頃から
取り上げさせていただいておりますが、
それからの4年間で
変わったと思うことはありますか?
うーん、たくさんあるんですけど(笑)、なんだろうな……。とりあえず仕事への向き合い方は変わった気がしますね。自分なりの向き合い方が分かってきたというか。昔は台本や役などとの向き合い方として、“とりあえず端から端まで全部やれ”という意識だったんです。その点は4年前とはちょっと違うというか、自分なりに、自分はこうするほうがやりやすいとか、楽しいとか……。そういう自分に合うやり方が分かり始めた気がします。
以前は
“芝居をしようとしないことを意識している”
と語られていましたが、その点はいかがですか?
正直、今それを聞いても、ふーん、あ、そんなこと言ってたんだって感じなんです。というのも、最近はお芝居もそうですがこういうインタビューも含めて、その瞬間に思ったことを表現しようと思っているというか。それが良いことなのか悪いことなのか分からないですけど。それに、その瞬間に思ったことを言い続けているとどんどん自分に矛盾も発生してきてしまいますし。昨日言ったことと明日言うことが変わったりしてしまうので。
日々自分が思うことや感じることが
変わっている、と。
そうですね。だから逆に自分の中で今思ったもの、仕事についての質問も3日聞いたら3日言う事違うみたいな。なんかそういうとこにはすごく素直になったかな、と思います。最近思うのは、自分を見失っているなという感じというか。僕はそれでいいとは思っているんですが、あんまり聞こえはよくないじゃないですか?でも役者としては、自分を見失うっていうことはすなわち、いろんな役になりきれているということだと思っていて。演じている役柄によって、その瞬間に思っていることがどんどん変わっていっちゃうんです。プライベートも、それに流されていくというか。友達とたくさん遊ぶ時期もあれば、そういうのは今はいいや、ってなっちゃう時もありますし。なんか気分を役に引っ張られている感じですね。
無意識的に、あえて自分を持たないように
されているのかもしれないですね。
元々の自分の性格が人に合わせる性格なので、おとなしい人と仲良くなると自分もおとなしめになるし、元気な人と一緒にいると元気になれるし。でもそういう性格がちょっとでも役に活きてくる瞬間があればいいなと思ってプライベートを過ごすようになりましたね。
今年の3月で22歳になる高橋さんですが、
お酒やお風呂に入ることが息抜きだとも
以前は語っていました。
もう最近はゆっくり湯船につかることも少なくなりましたね。一時期は入浴剤をコレクションするくらいたくさん買っていたんですけど、そういう趣味も毎日のように変わっちゃいます。今はサッカーを観戦したり、サッカーのゲームをしたりすることにハマっています。スマホでサッカーゲームして、SNSでサッカーの動画観て、っていう感じですねずっと。
実際にプレイすることはないんですか?
始めてみたいとは思っているんですが、なかなか機会がないですね。でも、いつかフットサルチームを作ることが夢と言ってもいいくらい、好きです(笑)。
前回のインタビューでは、料理についての質問で
「カルボナーラを極めたい」とも
仰っていましたね。
あ、極めました! もう目隠ししながらでも作れると思います! いや、いや作れないと思いますけど、作れそうなくらい(笑)。でも最近は料理することが少なくなってきているので、また何か極めたいですね。
昨年からラジオパーソナリティに
就任されましたね。やってみていかがですか?
いや、本当に楽しいですね。毎回楽しくやらせていただいていまして、ラジオの時の自分が本当の自分なのかな、と思います。素で喋ることもそうですが、俳優というお仕事をしていると自分を出す場所って少なくて。こういう風にインタビューをしていただいている時もそうですが、ラジオの時が自分を一番出せている瞬間だなと感じて、とても好きな時間であり場所でなんです。仕事モードかつ素の自分に一番近い状態、というか。好きなことを好きにやっていいよ、という感じで、たとえば自分の最近ハマってることとかを30分熱弁しても怒られないような場所なので。そういう自由さが難しかったり大変だったりもするんですけど、やればやるほど楽しく感じられてきますし、毎回ワクワクしています。
お仕事とプライベートとの自分を比べて
異なる部分や裏表はありますか?
全然違うと思いますよ。最近言われるのが、僕はプライベートでは結構はっちゃけるというか。そんなイメージないと思うかもしれないですが、周りによくそう言われるんです。僕は活発な家族の三兄弟の末っ子で育ったせいもあってか、できればずっとふざけていたいような性格なんです。もちろん仕事中は、そんなやつじゃダメだと思ってるんで真面目に頑張ってますけど(笑)。
お仕事の時は、スイッチがガラッと変わる?
そうですね。家で仕事とか絶対できないタイプですね。台本やセリフを覚える作業も基本的に家でやるんですが、トイレに座ったりベランダに出たりしてますね。いつも自分がリラックスしている場所と同じ風景だと集中できないんです。だからわざわざカフェ行ったり、カラオケ行ったりとかもしますね。
これから始めたいことや目標はありますか?
サッカーもそうですが、2023年は命を育てたいですね! 前回のインタビューでは植物を育てたいみたいなことを言った気がしますが、それはもう育てているんです。だから、それよりももっと動物的な、何かを……。
ペットみたいな?
ペットまでいくか分かんないですけどね。なんというか、憩いの場をちゃんと見つけたい。探せばたくさんあるはずなんですけどね。いろんなことにちょっとずつちょっかいというか、興味を出しすぎてあんまりまとまらないんですよ、いつも。そういうのが見つかったらいいなと思いますね。
高橋文哉
たかはし ふみや
撮影中、口笛を吹いたり手や足でリズムをとったりと、終始楽しげだった高橋さん。自然光の中での撮影で、透明感が溢れすぎていました!インタビューでは、お仕事について真剣に語る姿に21歳とは思えない大人っぽさを感じたかと思えば、サッカーやカルボナーラについて話す姿には等身大な少年っぽさが垣間見え、高橋さんのギャップにやられたスタッフでした。
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:大木利保(CONTINUE)
スタイリスト:Shinya Tokita
ディレクション:半澤暁
インタビュー:小枝指優樹
記事:小枝指優樹/緒方百恵