杉野遥亮
ドラマ『ばらかもん』
今の時代にこのドラマが放送される意味があると思う
今年の前半だけでも『罠の戦争』や『どうする家康』など、俳優として目覚ましい活躍を見せる杉野遥亮さん。2023年7月12日からは、GP帯連続ドラマの初主演を果たします。杉野さんが演じるのは、『ガンガンONLINE』(スクウェア・エニックス)で2018年まで連載し、現在『月刊少年ガンガン』5月号より期間限定で復活連載した『ばらかもん』(作・ヨシノサツキ)で、ある挫折をきっかけに、長崎県の五島列島で一人暮らしを始める若き書道家・半田清舟。島民との交流を通して清舟が成長していくさまが描かれる本作は、舞台となる五島列島の美景や、人々の温かさが魅力のひとつ。初の主演についての思いや、本作の魅力や見どころについてお聞きしました(※取材は6月中旬)。
<あらすじ>
書道界の重鎮につかみかかってしまい、五島列島で一人暮らしを始めることになった若きイケメン書道家・半田清舟。都会育ちで神経質な「半田先生」の前に現れるのは、自由奔放で個性豊かな島民ばかり。そんな慣れない田舎暮らしの洗礼を受けながら、書道家として人として少しずつ成長していく青年のハートフル日常「島」コメディ。
本作で、
ゴールデン・プライム帯の連続ドラマに
初主演となりますが、オファーを聞いた時の
率直な気持ちを教えてください。
お話を聞いた時はうれしかったです。企画書を見て「参加したいな」って直感で思いました。今までも、役柄やポジションを意識してはいなかったので、今回も「ゴールデン・プライム帯の主演」ということはあまり強く意識せず、ご縁があってこの作品に参加できることが純粋にうれしいです。
では、主演のプレッシャーも
あまり感じていないのでしょうか。
撮影を進めていくと、想像していた以上に多くの人と関わりますし、色々な人の「この作品をいいものにしよう!」という思いを受け取っていくんです。そんな中で、演者として一番多く関わる分、責任の重さやプレッシャー、不安みたいなものは実はつい最近までありました。でも、先日解禁されたドラマのティザーにも五島列島の風景が映っていましたが、それらは撮影隊のみなさんが「少しでもいい映像を撮るぞ!」と、本編とは別班で景色を撮影しに行っているんです。そうやってこの作品に携わる皆さんが一生懸命にやっている姿を見ると僕も勇気をもらえましたし、自分も頑張ろうって思えたんです。
宮崎莉里沙さん演じる「なる」をはじめ、
子役の子たちも多い現場ですよね。
現場でも自然体で、魅力的な子たちです。最初は緊張することもあったと思いますが、段々慣れてきたのか、かわいい笑顔を見せてくれるようになったんです。回を追うごとにそれぞれが自分の役となじんできたり、人間的に成長したりしていくので、そこも見どころのひとつだと思っています。
これまでは年上の方や同世代の方との
共演が多かったと思いますが、
今回は年下の方との
共演が多い現場ということで、
何か心がけたことはありますか?
何も変わらないです。やっぱり現場にいる以上、子供だからというのは関係なくて、僕はみんな「大人」だと思って接しているんです。なので、なる役の莉里沙ちゃんともできるだけ対等に話したいなと思っています。あとは、自分が協力できることは積極的にしていきたいです。本読みとか空いた時間でできることがあれば声をかけてやっていきたいし、何かを一緒にやることによって、お互いの心の距離が近くなって、本当の絆ができていくんじゃないかなと思うんです。
これまでの五島列島での撮影で、
何かエピソードはありますか?
島での撮影は、天気との戦いや運との勝負みたいなところがあるので、撮影の順番もその日の天候によって急に変わることがあるんです。だけど、雨が上がった後ってめちゃめちゃ空気が澄んでいてきれいなんです。そのおかげですごくいい映像が撮れたり、雨で天気が悪くてもそのシーンの心情にマッチしていることがあったりしたんです。そういった意味ではツイていたなと思うことがよくありました。
今の段階で杉野さんが思う
ドラマの見どころを教えてください。
書道を題材にして描かれるドラマは、あまり多くないじゃないですか。そこがまずおもしろいと思いますし、五島列島の自然や景色が素晴らしいんです。カメラ越しに見てみても、そこから出てくるエネルギーがあって、それだけですごく癒されるんです。毎日仕事や情報に追われて疲れている人が多い中で、人と人との絆とか目に見えないものがこのドラマでは描かれているんです。先日プロデューサーさんとも話していたんですけど、暗いニュースや出来事が多い中で、このドラマが今の時代に放送されることにとても意味があると思っています。
では最後に、本作を楽しみにしている
視聴者の方々へメッセージをお願いします!
毎日本気で、一生懸命自分と向き合っている清舟の姿は、それだけで勇気や元気をもらえる存在だと思います。島の人たちも自分に正直に生きているし、隣の人との心の距離が近いので、都会で暮らしていた清舟は、そういった環境に身を置いて、そこでの人と人との触れ合いによって成長していき「書道」という芸術表現にも昇華されていく。その様子をぜひ見ていただきたいです。それに、このドラマは「癒し」にもなると思うんです。人との心の距離や温かさ、それに五島列島のキレイな青い海が映るだけで心が晴れると思います。僕自身も島の自然からもらえるものがたくさんあることを実感しました。そんな魅力てんこ盛りな作品になっていると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。
杉野遥亮
すぎの ようすけ
お似合いの青い衣装で爽やかに登場した杉野さん。スラっとした高身長に長い手足、そのスタイルの良さに初めて杉野さんにお会いしたスタッフはびっくり。写真撮影では、じっと見つめる眼差しはもちろん、畳の上での少しリラックスした表情がとても印象的でした!
1995年9月18日生まれ。
最近の出演作に、ドラマ『罠の戦争』(‘23)、『直ちゃんは小学五年生』(‘23)、『ユニコーンに乗って』(‘22)、『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(‘21)などがある。現在、NHK大河ドラマ『どうする家康』に出演中のほか、映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』が公開中。
『ばらかもん』
7月12日(水)スタート
毎週水曜よる10時放送
※Team Credit
カメラマン:八重樫ケイン
ヘアメイク:HORI
スタイリスト:TAKAFUMI KAWASAKI
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/緒方百恵