窪塚愛流
「竹内涼真さんという “太陽”が魅せてくれた俳優としての在り方」
抜群のスタイルと、どこかアンニュイな雰囲気が印象的な俳優の窪塚愛流さん。インタビュー後編では、現在公開中の『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』で共演した主演の竹内涼真さんから学んだ座長としての立ち振る舞いや、今のご自身が大切にしている芝居への思い、これから挑戦してみたい役についても伺いました。
ⓒ2024「君と世界が終わる日に」製作委員会
今作で主演を務める竹内涼真さんの座長としての現場での居方はいかがでしたか?
竹内さんご自身は、決して「座長」として現場にいたわけではないといったことをたまたま耳にしたのですが、一緒に撮影していた僕たちからすると、竹内さんは太陽のような存在でした。竹内さんという太陽を中心に僕らが惑星のようにその周辺にいて、良い雰囲気の中、みんな一丸となって撮影することができたと思います。僕は初めて共演する方が多かったので少し緊張していたのですが、そんな中で皆さんと楽しくお芝居ができたのも、自分たちが歩くべき道を竹内さんが太陽のような存在として常に照らしてくれていたからだったと思います。竹内さんは普通に振る舞っていたのかもしれないですが、俳優として学ばせていただく場面をたくさん作ってくださって、僕はそのひとつひとつの行動すべてを「憧れの俳優」として見させていただきました。
本格的に俳優を始めてから約3年。窪塚さんもこれまで様々な作品で経験を積んできて、今「演じること」に対してどんな思いが一番強いですか?
これまでは、ひとつの作品やお仕事のたびに「なんとか爪痕を残そう」と思っていました。例えば、自分以外の誰かがメインのシーンの時にも目立つような芝居をしてみたり、ちょっと目を引くような行動をしてみたり。そういうことを頭のどこかで常に考えていたと思います。だけど、作品にはそれぞれ役のポジションと出番があって、そんなことでは作品に対しても共演している役者さんたちに対しても良くないということに気づくようになりました。どんな役でも自分が活躍するシーンは絶対にありますし、一つ一つのシーンがその作品全体の目的と繋がっていると思うので、自分のシーンだけ全体の目的とずれてしまうと、後々後悔することにもなりかねない。なので、あまりハングリーになりすぎず、いざという時に自分にしかできない演技を本気で爆発させることが一番だと思うようになりました。やるべき自分の場面でしっかりと本領を発揮できることが、今の自分の中にある芝居への思いです。
若い時や仕事を始めた時はどうしても自分を前に出そうと思いがちですが「作品全体の中での自分の役割」を第一に考えるようになったのはいつ頃からですか。
そう思うようになったきっかけは、最近舞台を見たことでした。生の芝居を見ると、それぞれに出番や見せ場があるということがよく分かるんです。それに、映像作品よりも舞台の方がそれぞれの役割がはっきりしていて、セリフが少ない人もたくさんある人も、みんなが自分の役柄を全うして、なおかつ、自分にしかできないものをそこで発揮している。そういう作品を見ると、観客としても魅了されますし、全体を通して全員が良かったなって思えるんです。爪痕を残すことが悪いというわけではないし、今もその気持ちがまったくないわけではありません。最近は「自分にしかできない演技をしよう」とか、「今まで誰もやったことがない演じ方をしよう」と役を通して自分を出したり、変にアドリブをしたりするよりも、全体の中で自分の役を全うすることを大切にしようと思っています。
では最後に、今後挑戦してみたい役を教えてください。
殺陣ができる役を演じてみたいです。僕は小学生の時に剣道をやっていて、あまり大きい大会ではないのですが、銅メダルをもらったことがあるんです。当時は足や手にマメができるまで竹刀を振り続けて練習していたので、いつかその経験を活かしたいなと思っています。今回の「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」で演じた藤丸礼司は、腰にナイフはついていたものの、残念ながらそれを使ってゴーレムと闘うことは一度もなかったんです(苦笑)。なので、作中で竹内さんや高橋(文哉)さんがゾンビと戦っている姿がとてもまぶしく見えました。僕もいつか、自分の刀を武器にして、歴史大作によくある大勢対大勢の戦闘シーンや、誰かのために戦う役を演じてみたいです。
窪塚愛流
くぼづか あいる
2003年10月3日生まれ。
常に周りに対して見せる気遣いや優しい心遣いで、インタビュー中も見ていて、とても温かい気持ちになりました。役を演じる上でも自分だけでなく常に周りを気にされている強い優しさにグッときました。そして真剣なお話の中で、時々見せるニコッとした笑顔にスタッフ一同魅了される素敵な時間となりました。今後のご活躍もスタッフ一同心から応援しております!
最近の出演作に、テレビドラマでは、NTV『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(‘23)、映画では『少女は卒業しない』(‘23)など。今後は映画『愛のゆくえ』(3/1公開)、初めて主演を務めた映画『ハピネス』(5/17公開)を控えている。
ⓒ2024「君と世界が終わる日に」製作委員会
タイトル:劇場版 君と世界が終わる日に FINAL
キャスト: 竹内涼真
高橋文哉 堀田真由 板垣李光人 窪塚愛流 橘優輝
吉柳咲良 / 須賀健太 味方良介 黒羽麻璃央 / 吉田鋼太郎
公開日:全国東宝系にて公開中
監督:菅原伸太郎
脚本:丑尾健太郎
配給:東宝
製作プロダクション:日テレ アックスオン
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:小嶋克佳
スタイリスト:上野健太郎
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿