町田啓太
「螢草 菜々の剣」、時代を超えて正義を貫く
市之進役の彼の素顔を紐解く―
ドラマ『螢草 菜々の剣』
風早市之進×町田啓太
市之進は、真っすぐで自分の中の正義を貫いている人。現社会にいると浮いてしまうくらいに正義感が強い印象で、現代に置き換えの難しいキャラクターでした。不正は絶対にしない、民の暮らしをきちんと考える、上の立場の人にもしっかりと自分の意見を進言する。そんな真っすぐすぎるタイプの人間です。
時代劇、所作などもこだわられたんだとか。
そうですね。
所作指導の花柳流の先生に色々お聞きして現代によくあるワンシーンって、当時の所作だとどんな風になるのかなどを一緒に考えてもらいました。例えば「会社から帰って来て一息」だったら、着物のたもとを緩めてみたり、日常生活のシーンが多かったのでかなり細かいところまでこだわって作りこみました。市之進があまり感情的に動く人ではないので、ちょっとした所作で感情を表現したりもしているので、そういうところも楽しんでいただけると思います。
感情を表に出さない“静”の人物が多い武士世界。市之進は“静”と“動”、どちらの人物でしたか?
やっていることは“動”だけど、基本的には“静”だと思います。かなりの行動力を持っている分、頭の中ではじっと自分だけで物事を考えているというか。誰かに頼ったり弱みを見せたりは決してしない。当時の“耐える文化”を体現している人物だと思いますね。
“耐える文化”、カッコいいです!では、町田さん自身が撮影中に“耐えた”ことって?
正座です。
正座だこが出来るくらい正座のシーンが多くて。しかも風早家は板の間の家なので慣れるまでは大変…いや、もはや危なかったです。(笑)痛みを通り越して痛みを忘れる、みたいな。(笑)かなり耐えましたね。
板の間での正座…とても痛そうです。当時の時代観がしっかり反映されているドラマですが、役作りで意識したことってありますか?
原作は史実にないオリジナルストーリーで僕の役も実在していない人物だったので、なるべく描かれている「時代」を意識して演じようと思いました。ドラマでは原作に忠実な部分と原作には描かれていない部分も入っていて、原作ファンの方も『螢草』を読んだことのない方もどちらも楽しめる作品になっているんじゃないかな。
原作ファンもとても多い作品。最後にメッセージをお願いします。
時代劇ならではの正義と悪のバトルも楽しめますし、一方でホームドラマのようなストーリーも楽しんでいただけるドラマになっていると思います。爽やかで暖かいけれど、しっかりと締まった部分もある。そんな魅力的な作品が出来たんじゃないかな。「時代劇って難しそう」と思っている方たちにも是非おすすめしたいです。色の濃い登場人物たちと関わっていく中でヒロインの菜々(清原果耶)が成長していく、“成長劇”にもなっているので、主人公を応援しながら見進める楽しみ方もある作品です。時代劇が好きな方も、初心者の方もこの作品ならではの見やすさと、程よいファンタジー感で続きがどんどん気になっていくと思います。とりあえず、一話を是非観ていただいて、そこから『螢草』の世界観にハマっていただければ嬉しいです。
町田啓太の軸
“優先順位に従う”
何かの分岐点でどちらかの選択肢を選べる状況だったら、自分の夢や目標に近づける方を選ぶようにしています。どちらが自分にとって優先すべきものか、そこがブレると全部迷ってしまうじゃないですか。それは1つの物事で迷ってる時も一緒かな。今これをやってプラスになることが大きかったら絶対にやる。逆にマイナスが多少あっても挑戦したほうがいいなって感じたらやる。その時々の自分の直感を信じつつ、一度しっかり考えて選ぶ。その軸がハッキリしていれば後悔なく選んでいけると思うので。
座右の銘
“感謝と感激と感動の3つを大事に”
高校の時に先生に頂いた言葉です。感謝も感激も感動も、すべては人がいて成り立つもの。何かを見て感じた「感激」を誰かと共有して「感動」に繋げる。そしてその共有してくれた人に対して「感謝」をする。この言葉はずっと大切に覚えている言葉ですね。
NHK BS時代劇
ドラマ『螢草 菜々の剣』
BS プレミアム:毎週金曜20:00~20:43
8/2(金)は、21:30-22:13
8/16(金)は、21:00-21:43
町田啓太
まちだ けいた
1990年7月4日生まれ。劇団EXILEのメンバー。規則正しく揃った眉目よい顔立ち、真っすぐな佇まい。その奥で光り続けるストイックな人間性が気持ちのいい29歳。
※衣装クレジット
Shirt:SISE LONG SHIRT NAVY/¥51,000
T-shirt:SISE SQUARE T-SHIRT WHITE/¥15,000
問合せ先:VAL(バル) 03-6277-2147
その他アイテム、全てスタイリスト私物
※チームクレジット
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:鵜飼雄輔
スタイリング・ディレクション:町山博彦
インタビュー・編集:満斗りょう