高杉真宙
劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』
自分の夢のひとつに近づけた気がした
オペ室搭載の大型車両で事故や災害現場に駆けつける救命医療チーム(モバイル・エマージェンシー・ルーム=MER)の活躍を描いた「TOKYO MER~走る緊急救命室」の劇場版第2作劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』が8月1日から公開されます。本作で、「南海MER」の一員・常盤拓を演じた高杉真宙さんに、役作りのためにしたことや、「MER」の一員になれたと感じた瞬間や作品の見どころなどをうかがいました。

©2025 劇場版『TOKYO MER』製作委員会
<あらすじ>
「TOKYO MER」の活躍が高く評価され、全国の主要都市である札幌・仙台・名古屋・大阪・福岡に新たなMERが誕生。その一方で沖縄・鹿児島では離島地域に対応できるMERの誘致活動が活発化し、指導スタッフとしてTOKYO MERの喜多見チーフ(鈴木亮平)と看護師の夏梅(菜々緒)が派遣される。オペ室を搭載した中型車両=NK1を乗せたフェリー(NK0)で、離島での事故や災害に対応する“南海MER”の試験運用が開始されていた。

高杉さんは「TOKYO MER」にどんな印象をお持ちでしたか?
とにかくかっこいいというイメージがありました。鈴木亮平さん演じる喜多見先生は「THE・ヒーロー」という感じで、僕自身、幼い頃からレスキュー隊に憧れがあったので、それに近い医療行為もできるメンバーとして今回参加させていただき、自分の夢の一つに近づけたようで嬉しかったです。
演じた常盤を含め「南海MER」のメンバーは今作からの新キャストでしたが、すでに出来上がっている「MER」の中に入っていくことの緊張や不安もあったのでは?
初日から緊張しすぎて、亮平さんや色々な方から「大丈夫?」と聞かれました(笑)。出来上がっている座組に入るのが久々なこともあって、なんだか転校生みたいな気持ちになりましたね。
撮影の2日目には、救助者をボードに上げて持っていくというシーンを撮ったんです。その時に「最初からこのテンポ感でついていけるのかな」という不安はありました。
これまでも医療ドラマを何度かやらせていただいて、そこでもいろいろと練習しましたが、今回の現場に入って「このメンバーが本当に医療行為をしていても気づかないかも」と思うくらい、みなさん洗練された動きをしていたので、その中に新メンバーとして加入し、さらに高度な医療をやっていくので「自分もちゃんとついていかなきゃ」と思いました。

その不安やプレッシャーはどのように払しょくされていったのでしょう?
僕はずっと亮平さんにお会いしたいと思っていたので、初日から色々と話しかけてくださったことはすごく嬉しかったです。「TOKYO MER」のメンバーの皆さんからも「分からないことがあったら、まず亮平さんに聞いたらいいよ」と言われていたので、みなさんが亮平さんを信頼して、この作品を一緒に作っている気持ちを初日から知れたので、少しずつ緊張がほぐれていきました。
今回の台本を読んだ感想を教えてください。
台本を読んだだけではなかなかどうなるのか想像がつかない部分もありましたが、実際の現場では「あそこに山があって、今こういう状態です」「映像ではこうなっているはずです」といった説明をしていただき、自分の中でそのイメージを膨らませて演技をしていく感じで、僕自身、演じているときから映画を見るのが楽しみでした。

常盤は「南海MER」の看護師・操舵士、機関士という肩書の多い役どころでしたが、撮影が始まる前に何か準備されたことはありましたか?
弟が船の操縦ができるので、ちょっと話を聞いたりはしましたね。
実際の撮影現場で、弟さんからのアドバイスが役に立ったなと思ったことは?
弟は「大丈夫だよ、車の運転とそんなに変わらないよ」みたいなことを言っていたのですが、聞くのと実際にやるのは全然違ったので、ロケ地の沖縄で実際に船を運転してくださる船長さんのアドバイスの方が的確で分かりやすかったです(笑)。
僕は弟が2人いるのですが、以前、楽器を弾く役をしたときに「音符の見方を教えてよ」ともう1人の弟に聞いたら「楽器が違うから分からない」って言われて。今回も含め、弟のアドバイスはあまり頼りにならないなと思いました(笑)。
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©2025 劇場版『TOKYO MER』製作委員会
常盤に共感したところはありましたか?
憧れに近づいて、いざその職に就いてみたものの、自分の理想と何となく一致していない時のモヤモヤ感というのは、どの人にも通じるものがあるでしょうし、僕自身も分からなくはないです。「MER」のメンバーはそのために努力している人たちなので、そのモヤモヤがあるのはある意味正しいのかなと思いますし、常盤に対するリスペクトもありますね。
ご自身が「MER」の一員になれたなと感じた瞬間はありましたか?
カメラが回っていないときでも、現場で「常盤」と役名で呼んでもらえるようになった時ですかね。役名で呼んでもらえたことで、MERメンバーの一人として認識してもらえたような気がして嬉しかったです。今回、沖縄のロケが1か月ほどあったのですが、その期間でみなさんともギュッと距離が縮まって、仲良くなれた気がしました。

ご自身で「ここはうまくできたかも」と思うところはありましたか?
今作のネックとなる、「南海MER」のチーフドクター候補・牧志先生(江口洋介さん)に対する不信感ですかね。僕は試写を見て「牧志先生っていいリーダーだよな」と思ったんです。でもそれは、他の人の思いとは少し違うかもしれないのですが、常盤にとっても「不信感」は必要な要素だったと思うので、そこをうまく表現できていたらいいなと思います。
この作品は仲間との絆も描かれていますが、作品に参加されてみて、どんなところに絆を感じましたか?
皆さんもそうだと思いますが、一緒に何かを作っていく人たちのことを僕は仲間だと思っています。今作でも、亮平さんという大きな軸となるリーダーがいて、監督などそれぞれの部署のリーダーがいて、そのリーダー同士がチーム感をより強くしてくれたので、キャスト、スタッフ全員が一丸となれたし、地方で撮影していることもあって、みなさんとの絆がより一層強まっていく感じはありましたね。

最後に、常盤拓としての見どころと、作品全体の見どころをそれぞれ教えてください。
常盤は勢いのある子だと思っていて、その勢いで様々なことができる人。初めは憧れから入ったけど、ちゃんと「MER」のメンバーの一人になって、憧れからまた一つ階段を上がる瞬間があるので、そこが見どころかなと思います。
作品としては、何といっても「MER」のメンバーたちがこれまで以上の過酷なミッションをどう乗り越えていくのかというところですね。「TOKYO MER」メンバーでも、これまで経験したことがない噴火という事態をどうやって乗り越え、人々を助けていくか。映像も迫力のあるものになっているので、ぜひ劇場でご覧ください。

高杉真宙
たかすぎ まひろ
1996年7月4日生まれ。
イベント前の早朝にお時間をいただきましたが、登場と同時に、駆けつけたメディアに「早朝からありがとうございます。」とおっしゃられていて。私たちよりも早くに来られているのになんて誠実な方なんだと改めて感じました。インタビューでも撮影前の話からだんだん進んでいく撮影のことを事細かくお話ししてくださいました。お話し中も淡々と話されるわけではなく、とても表情豊かに時に質問に深く考えられていたり、周りに笑顔を誘いながら高杉さんご本人も笑顔になったりとたくさんの豊かな表情の高杉さんを見せていただきました。
後編では、前回お話であったあることについて聞いております。お楽しみ!
最近の出演作に、テレビドラマでは、テレビ東京『法廷のドラゴン』(‘25)、日本テレビ『となりのナースエイド』(‘24)、映画では、『オアシス』(‘24)、『SEE HEAR LOVE 〜見えなくても聞こえなくても愛してる〜』(‘24)などがある。

©2025 劇場版『TOKYO MER』製作委員会
タイトル:劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』
公開日:2025年8月1日(金)全国東宝系にてロードショー
原作・スタッフ・キャスト:
監督:松木 彩(『半澤直樹』『テセウスの船』ほか)
脚本:黒岩 勉(ドラマ『グランメゾン東京』、『マイファミリー』、映画『キングダム』シリーズ、『ONE PIECE FILM RED』)
出演:鈴木亮平、賀来賢人、高杉真宙、生見愛瑠、宮澤エマ/菜々緒、
中条あやみ、小手伸也、佐野勇斗、ジェシー(SixTONES)、フォンチー
江口洋介/玉山鉄二、橋本さとし、渡辺真起子、鶴見辰吾、石田ゆり子
※Item Credit
ブルゾン¥41.800 JOHN MASON SMITH(JOHN MASON SMITH JANE SMITH STORE tel03-5738-7721)
シャツ¥61.600 LÖWER(UNITE NINE tel.03-5464-9976)、
パンツ¥74,800 Kazuki Nagayama(STUDIO FABWORK tel. 03-6438-9575)、
その他スタイリスト私物
※Team Credit
カメラマン:八重樫ケイン
ヘアメイク:堤紗也香
スタイリスト:荒木大輔
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿