宮世琉弥
テレビ東京系『珈琲いかがでしょう』
丁寧に、誠実に、描かれた
“ぼっちゃん”の声を隈なく聞いて―
荻上直子監督の描く世界には〈救い〉がある、といつも思っていた。忙しなく進み続ける現代において個人的な“正義”や“本音”は理解されないことがある。しかし荻上監督の作中では、必ず誰かが「それでいいんですよ。」と優しく肩を叩いてくれる。今回〈救い〉を求めて現れたのは、無邪気な暴力を繰り出しながらも、繊細な愛を抱え続ける一人の少年。 “彼なりの正義”と“彼だけの本音”がどう描かれるのか――宮世さんの見つけた“ぼっちゃん”が、一杯の珈琲とともにあなたの芯へ届きますように。
テレビ東京『珈琲いかがでしょう』
<あらすじ>
あなたの為の珈琲を…幸せを運ぶ移動珈琲物語。いい香りに誘われて向かったその先に待っていたのは、素敵な移動珈琲屋さん。店主が淹れる珈琲は、一杯一杯、丁寧に、誠実に、心を込めて淹れられ、なんだか気持ちがほんのりほぐれるような、そんな味。そのお店はあなたの街にもやってくるかも…?
<ぼっちゃん>
ぼっちゃん × 宮世琉弥
初めて台本を読んだ時「何考えてんだコイツは!」と思いました(笑)。監督には「ぼっちゃんは青山(中村倫也)に対して悪いことをしているという感覚はない」とお聞きしていて。それを踏まえたうえで「どんな感情なんだろうか」と、ぼっちゃんについて深く考えたのを覚えています。ただ、何となくぼっちゃんの気持ちって分かる気もするんですよね。共感する部分がありつつも、「さすがにここまではしないでしょ」と感じる部分もあって。ぼっちゃんを作っていくのはすごく難しかったです(笑)。
実際、どんな役作りをされたんですか?
監督と念入りに話し合って、「今、ちょっと悪いことしてる風になっちゃってる」などの指摘をいただきながら演じました。「純粋に子供が公園で遊んでいるような感覚で」と言われていたので、そのイメージをかなり意識して撮影に臨んでいました。
萩上監督によって描かれる、
“ブラックなぼっちゃん”がとても楽しみです。
僕の感じた“ぼっちゃんに対する疑問点”を一つずつクリアにするために、監督とは念入りに打ち合わせをさせていただきました。監督が「宮世くんならどうする?」と聞いてくださった時に「僕が演じるぼっちゃんだったらこうします」と意見をお伝えしたんです。その意見に対して「じゃあそうしよう」と監督が言ってくださって。その瞬間に気持ちが楽になったというか。「一回、自分自身でぶつかってみよう。原作にとらわれず自分の思い描くぼっちゃんを演じてみよう。」と思えたんです。そこからだんだんと縛られるものがなくなって、演じていて楽しくなってきました。もちろん役自体にはすごく入っていましたし、原作のぼっちゃんに重きを置いていたんですが、気持ちの面では力みを抜いて自然体の自分で演じることができていたと思います。
現場の信頼関係が素敵ですね。
アクションシーンはいかがでしたか?
中村さんにボコボコにされました(笑)。僕自身はアクションシーンの経験がほぼないので、現場を見て動いていたんですが、中村さんは監督とカメラマンの方と一緒にカメラのアングルなどを話し合われていて。「この一手はここから撮った方がいい」など細かいところまで考えていらっしゃるのを見て「プロだな」と思ったと同時に、僕も演じるだけではなく、そういった考えがいつか出来るように経験を積んでいきたいと思いました。
ぼっちゃん自身の反骨精神とも相まって(笑)。
初共演の中村さんとはどんなお話をされましたか?
共通の趣味が多かったこともあり、好きな食べ物やゲーム、絵画などいろいろなお話をさせていただきました。中村さんは現場をリードしつつ、めちゃくちゃ笑わせてくださるんですよ!本当に頼りがいのある先輩ですし、吸収できることがすごく多い現場でした。加えて演技でも中村さんとガッツリぶつかることのできる役どころだったので、とにかく楽しく演じさせていただきました。
途中から加わる重要な役どころでしたが
そういった役として作品に参加するのは
どんなお気持ちでしたか?
正直、すごいプレッシャーでした。今まで経験したことのないセリフ量なうえ、一人のシーンではなかったので「迷惑をかけたらどうしよう」というプレッシャーに押しつぶされそうで。でも、中村さんや磯村さん(磯村勇斗)、夏帆さん、鶴見さん(鶴見辰吾)皆さんが支えてくださったおかげで無事に撮影を終えることができました。今、すごく安心しております(笑)。
前回のインタビュー時に
「言葉が好き」とお聞きしたんですが、
今作の台本も素敵な言葉がたくさんでしたね。
ドラマの各話で登場人物一人ひとりの悩みを青山が解決していく時に、珈琲と一緒に青山が投げる言葉がすごく心に染みるんです。絶対に何かを教えてもらえるドラマになっていると思うので、本当に幅広い年代の方に観ていただきたいと思います。
宮世さんが個人的に
“ぼっちゃん”に込めたメッセージを教えてください。
ぼっちゃんに対して共感して欲しいのと同時に、ぼっちゃんの悪いところまで認めてもらえたら嬉しいです。最初はぼっちゃんに対してムカつくと思うんです。でも、だんだんとぼっちゃんの心が明らかになっていくにつれて共感してもらえるようになるんじゃないかな、と思っています。「これはしちゃダメ」という部分は青山がしっかりと伝えてくれるので、そこにも注目していただきたいです。
繊細なぼっちゃんだからこそ、
優しい面と乱暴的な面が
極端に共存していると感じたのですが
演じるうえで宮世さんが一貫して
意識していたことはなんですか?
僕は「悪いことをしていると認識しないように」と意識していました。子供が公園で無邪気に遊んでいるように、とにかく楽しんでやっている感覚で。そうじゃないと最後にぼっちゃん自身が潰れてしまうと思ったんです。ぼっちゃんの行いに「恨みが全くない」と言ったら嘘になるんですが、青山に対する気持ちの清算は「やっていいこと」だと素直に思っている子なんですよ。普通であれば、人って悪意があってやり返してしまったりするじゃないですか。でもぼっちゃんの復讐には悪意がない。本当にただの挨拶の感覚なんです。遠慮なく悪気なく悪いことをするのは本当に難しかった…。いつか機会を頂けるようであれば、復讐心に溢れて、悪気ある振り切った役も演じてみたいです。
楽しみにしています!
最後に、話の中でぼっちゃんは
どんどん変化を受けますよね。
これまでの人生で宮世さんが「僕、変化したな」
と思ったタイミングはありましたか?
中学2年生くらいまでは「この人、自分とは合わないな」と思う人もいたんです。でもその時に、「悪いところばかり見てしまっているからそう思うだけなんじゃないか」と思って。そこからは相手の良いところを探すようになりました。人として〈合う・合わない〉は絶対にある。でもどんな人にだって良い部分も絶対にある。それを見つけていくことが大切だな、と。その気づきが今の僕を構築する大事な変化だった気がします。
宮世琉弥
みやせ りゅうび
2004年1月22日生まれ。
真っ直ぐに花開く向日葵のような佇まいで、多種多彩な陽光を胸いっぱいに吸収する17歳。
テレビ東京系『珈琲いかがでしょう』
毎週月曜よる11時6分放送
出演:中村倫也 夏帆 磯村勇斗 ほか
※Item Credit
ジャケット¥160,000
シャツ¥32,000
パンツ¥38,000
全てダイエットブッチャー(ダイエットブッチャー)
【お問い合わせ先】
ダイエットブッチャー
〒153-0072
東京都目黒区青葉台1-19-7 MSビルB1 F
03-5728-4765
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:礒野亜加梨
スタイリスト:徳永貴士
インタビュー・記事:満斗りょう