西垣匠
「失恋は『この人だ』って思う時のために積み重ねておくもの」
大学のボードゲームサークルで出会った男女3人。それぞれが“拗らせた恋愛の悩み”を抱え、恋を通じて悩みもがきながらも成長していくドラマ『失恋カルタ』で、「恋人に壁を感じて悩む」馬路光を演じている西垣匠さん。インタビュー後編では、撮影の裏話や、西垣さん流「失恋」の乗り越え方などをお聞きしました。
ドラマの中で、千波と彩世、光がこたつに入りながら「あーだこーだ」するシーンがよく出てきますね。
実はこたつでのシーンは結構気を使っているんです。例えば、お酒を作りながら、カードゲームをしながらセリフを言わなきゃいけないので、動きと連動することが多くて。先日も、当日の撮影前に「この順番でこのカード出して」とその瞬間に打ち合わせしたので、それはちょっと難しかったです(笑)。3人とも集中して頑張ったシーンでした。
何かをやりながらセリフを言うって、難しそうですね。
そうなんです。相手のセリフに何かやっている音が重なってはいけないので、セリフの終わりかけにグラスに氷を入れてみたりして。でもそうすることで動きが止まってしまう時間ができるから、そうしないためにどうしたらいいかな、ということも考えながら演じています。
そういう些細なところにも気を配っているんですね。さて、本作は「恋や愛、結婚などをそろそろ深く考え始める27歳」を一つのテーマとしています。西垣さんも今年の5月で27歳になりますが、同年代として登場人物たちの抱える悩みに共感することはありますか?
結婚はいつかできたらいいかなと思うくらいで、僕は光ほど恋愛には熱中できないタイプだと思うから、あそこまで一生懸命になれる光のことが羨ましいなと思います。
では、西垣さんにとって「27歳」とはどんな年齢が理想ですか?
僕はこの仕事が本当に大好きなので、それ以外はあまり興味がないんです。撮休が1日あったらそれで十分と思うくらいなので、今は一生懸命お仕事して、休みの日はゆっくり寝て、お家でゲームして、宅配で頼んだものを食べて終わりが僕の理想なんです。今は仕事とゲームさえできれば十分だなっていう年齢です(笑)。
俳優さんの中には、「30代までは何でも頑張る期」や「40歳以降は○○期」と例える方もいらっしゃいますが、西垣さんにとって今は「仕事頑張る期」なんですね。
そうです。実際に30歳になった時に、自分で仕事が選べるようになっていたらいいなと思います。例えば、マネージャーさんから「こちらとこちら、どっちの仕事がしたいですか?」って聞かれて、その選択を自分でできるような立場になっていたいなと思うので、それまでは全力で頑張らなきゃいけない時期だなと思います。
ドラマでは恋愛相談のシーンも出てきますが、ご自身は恋愛相談されることはありますか?
友達から相談されることはありますが、僕はそういう時、忌憚のない意見を言うタイプなんです。「きっとこういうことを言って欲しいんだろうな」と察したとしても、自分がそう思わなかったらそれを相手に言いません。なので、「愚痴か相談、どっち?」を最初に聞きます。答えが欲しいのであればそれを渡しますし、ただ話を聞いてほしいだけだったら「どうぞ好きに喋ってください」っていう感じで聞いています。
相談役としては正しいかもしれないです。
よく相談に乗っていると、話の論点が元の位置に戻ってくる人っているじゃないですか。「こうじゃない?」と言うと「いや、違う」って言って、結局振り出しに戻ったタイミングでさっきと同じことを言っているから「もうこちらが言うことは何もないな」ってなっちゃうじゃないですか。
冷静かつ、俯瞰で物事を見られるんですね。そういうところが、前編で仰っていた「光と似ているところ」なんですね。他に光と似ているなと思うところはありますか?
1話で、結婚式の帰りに「なんか美咲、ちょっとかっこよかったな」というセリフがあるのですが、自分の中での「いい」や正義があるというか、他の人から見てどうではなく「俺がかっこいいと思ったからかっこいい!」という感じだったんです。そういう自分の意見を大切にするところは似ているかもしれません。悪く言うと頑固ってことなんですけど(笑)。
前回、映画「隣のステラ」でご登場いただいた際は「片思いの経験から得られること」についてお話しいただきました。では、「失恋」から得るものはなんでしょう?
失恋から得るものですか……。でも、うまくいかなかったということは「失敗」でもあるので、「じゃあ次はこうならないようにしよう」と思えたり、そこから学べたりすることもあると思うんです。もちろん、失恋した直後はすごく悲しいと思うし、人によっては泣いたり、ごはんが食べられなくなったりすることもあると思います。でも、しばらくしたらその人のいいところ、いい思い出だけが残って、自分にとっていらないものは記憶から削られると思うんです。それでもし次の恋愛が始まった時に、「あ、前はこれでミスったな」と思い出して、同じことを繰り返さないようにすることもできる。何が成功かは分からないし、もちろん結婚も一つの素晴らしいゴールだと思うけど、結婚しない人もいるので、その人それぞれによって恋愛のゴールは違うと思うんです。でも、どんなゴールであれ、そこにたどり着くことは一人ではできないので、いつの日か「この人だ」って思う時のために積み重ねておくものなのかなと思います。
西垣匠
にしがき しょう
1999年5月26日生まれ。
インタビューの時とは違い、撮影では撮影のスイッチがあるように切り替わる西垣さん。カメラを向けられるといつもノリノリで、そのサービス精神の旺盛さに、カメラマンもたくさん西垣さんにポージングを求めてしまった撮影となりました。全身の写真ではやはり抜群のスタイルだと改めて感じる瞬間となりました。これからも西垣さんらしい考え方と言葉を大切にされつつも、どんな物事に対しても楽をせず、常に厳しい方を選択されるストイックさでたくさんのご活躍を応援しております。ご登場ありがとうございました。
最近の出演作に、テレビドラマでは、日本テレビ『多すぎる恋と殺人』(‘26)、カンテレ・フジテレビ系『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに- 』(‘25)、MBS・TBS『アポロの歌』(‘25)、映画では、『ソニックビート』(‘26)、『ほどなく、お別れです』(‘26)、『隣のステラ』(‘25)、『六人の噓つきな大学生』(‘24)などがあり、8月7日公開予定の『ブルーロック』を控えている。
©「失恋カルタ」製作委員会・MBS
MBS:毎週(火)24:59~
TBS:毎週(火)25:26~放送中
TVer・FODにて配信中
出演
梅澤美波(乃木坂46) / 西垣匠 / 加藤小夏 / 若林時英 / 伊藤絃 / 荒井啓志 / 桜木雅哉(原因は自分にある。) / 阿部顕嵐 / 深水元基
スタッフ
原案:「失恋カルタ」句・又吉直樹、絵・たなかみさき
監督:井樫彩 / 富田未来
脚本:開真理 / 牧五百音
プロデューサー:米田理恵 / 尹楊会 / 村山えりか
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
製作:「失恋カルタ」製作委員会・MBS
©「失恋カルタ」製作委員会・MBS
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:高村三花子
スタイリスト:高木かなえ
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿