【ファイヤードラゴン】
志村玲於×古川毅×ジャン海渡×飯島颯
スタジオ中に「よろしくお願いします!」と規律の整った声が響いた。声の主はファイヤードラゴンの4人。その迫力に圧倒されたのも束の間、椅子に腰を掛けた瞬間、張り詰めた空気が一気に緩む。笑いとボケが止まらないトークからは4人のチャーミングな魅力がどんどんと流れ出てくる。パフォーマンスの顔、撮影の顔、そして満面の笑顔。どこを切り取っても需要しかない…(あぁ、尊い)。それはまるで体中の部位に魔力を宿し、永い年月人類を魅了し続ける“ドラゴン”そのもの。そんなファイヤードラゴンたちが語った『Burn it Black e.p.』という作品の話。
2020年、どんな1年でしたか?
「何かを兼ね備える時期だった」
志村:1年か…。まあ早かったよね。
飯島:本当に早かったね。
飯島:今年の前半は特にいろいろあって…控えていた春ツアーなどもなくなってしまって。そういった中で自粛を経て「今、自分たちが出来ることって何だろう?」と考え、オンラインライブをたくさんやらせていただきました。1回1回のライブに意味を持って常に「伝えたいこと」を考えていましたね。「自分たちが伝えたいメッセージは何か」というのを振り返ることもできましたし、そういった意味では後半は濃かった気がします。
ジャン:去年の12月にみんなでミーティングをしたんですけど、それが最近のことのように感じるんですよ。そう考えると時が経つのって本当に早いなって。あとは、オンラインで何かをやることがとにかく多かった。各自の家で背景を白にして撮ったトークを9人の映像にして皆さんに届ける、みたいな。オンラインって必然的に自分で話す機会が多くなるんですよ。そこでみんなのトークスキルが磨かれた気がします。…そう思わない(笑)?
志村:まあまあ、そう思ったなら…(笑)。
ジャン:まあ僕はそう思ったので(笑)。家にいる時間に得たことはきちんとあったのかな、と思います。こういう時期なのでファンの皆さんと直接お会いできないのはもちろん辛いですけど、俺ら自身「何かを兼ね備える時期だった」と考えると意味のある期間だったんじゃないかな、と。
「オンラインで何かをする」というのは
皆さん初めての経験だと思うのですが
9人で、となると大変なこともあったのでは?
「フリーズ芸の決着をつけないと…」
志村:だいたい9人一斉にしゃべりだすよね、急に(笑)。なんか話が盛り上がったり、急にネタが始まると全員がしゃべりだすからごっちゃごちゃになって。誰が何をしゃべってるのか分からない(笑)。
古川:でもそれはオンラインに限らずずっとそうなんですよ。メンバーによってはパソコンでオンライン会議をしていたと思うんですが、僕はスマホだったので9人全員が映らなくて。普通に対面で会話する分には9人の顔が見えるんですが、9人で話しているのに4人しか顔が見えないことに意外とストレスを感じましたね。話を聞いている時に「はい、はい」と言いながら他の人の顔を無意識に見ていたり、そういうのも発見でした。
FAST:リアクションが伝わってこないですもんね。
志村:またこいつ(ジャン)がボケよるんですよ。ケバブのおもちゃとか持ってきて、急に「見てこれ、ケバブのおもちゃ」とか言ってボケよるんです(笑)。
ジャン:あとフリーズ芸みたいなのが流行ったよね。電波が悪くて止まるのを自主的に演出して画面上で止まったフリをするんです。僕、結構上手だったのか、みんなが「まじで止まってるじゃん」って(笑)。ボケる身としてはオンラインだからできるボケがありました。
FAST:一番上手かったのはジャンさんなんですか?
一同:いや、彪馬(池田彪馬)だね。
志村:彪馬上手かった!微動だにしなかった(笑)。
ジャン:やっぱりその時々の電波情報や背景のコンディションがあるのでね、彪馬とはちゃんと決着をつけたいですね。
古川:サシでやってくれ(笑)。
ジャン:誰が見るねん。
古川:「お前上手いな~」とか言いながら(笑)。
飯島:あと『オンライン特典会』をやったのも初めてでした。ファンの方が来てそこに9人が一斉に入って…という(笑)。ファンの方からしたら緊張しちゃいますよね。でもオンラインでもそうやって繋がれるのはありがたかったですし、これからもどんどん継続していきたいと思いました。
FAST:オンラインでの交流を経て、改めて対面でお会いされていた時のことは思い出されましたか?
古川:ひしひしとありがたみを感じました。
志村:オンラインはやっぱりお互い慣れていないものですし、話しているのに声が届かないこともあったので結構苦労したんです。あとはオンラインライブをする時も声がのっていなくてやり直したり、自分たちのパフォーマンスの映像が届かなくて「もう一回やり直します」と言われたり、最初はそういったトラブルが大変でしたね。僕たちも気持ちを作って「さあやるぞ!」となっても「もう一回取り直します」って言われちゃうと、どうしても「おぉ…」と(笑)。
FAST:お客様の反応も見えないですもんね。
ジャン:そうなんですよ。レスポンスがあると僕らの行動もどんどん大きくなりますし、その繰り返しでライブのテンションも上がっていくんです。それをメンバーだけでお互いの熱い想いを受け取り合ってテンションを上げていくのが今までと違う感覚で難しかったですね。「ファンの皆さんが見ている」という環境があるからこそ俺たちも気持ちが上がっていたんだな、と改めて思いました。例えば「運動会で親御さんが見ていないのに運動会を開催している」みたいな(笑)。
志村:そこまで寂しくないよ(笑)。
ジャン:でも「親御さんが見ているから頑張ろう!めっちゃ速く走ろう!」みたいな感覚ってあるじゃないですか。そこの感覚まで自分たちだけで気持ちを持っていくのが難しかったです。もちろん最終的にはファンの皆さんとライブをしたいんですが、オンラインライブの難しさにも慣れていきたいな、とは思います。実際、何回かオンラインライブをやらせていただいて少しは慣れてきたかな。
志村:レスポンスはやっぱり欲しいよね。[SUPER★DRAGON]は「行動はいらないけどレスポンスは欲しい」って人間の集まりなんで(笑)。勢いが欲しいんですよね。皆さんとライブが出来るのが楽しみでしょうがないです。
ファンの皆さんに会える時に向けて、
ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
古川:正直先の見えない中で最初は「どうしよう」と9人誰しもが思ったと思います。「この状況をどう逆手に取るか」というのを必死に考えて。僕らも一人間としてもがきながら、それでも「[SUPER★DRAGON]という譲れないものを面白くしていかなきゃいけない」と思って貪欲にやってきたつもりです。ファンの皆さんが僕たちのことを信じてついてきてくれていることもこの状況下でより感じることが出来ました。皆さんと一緒に守ってきたものをこれからもどんどんと育てていきたいですし、皆さんの期待にしっかりと応えられるように自分たちの道を提示していければいいな、と思います。その想いを生で伝えることが出来る日を楽しみにしています。
飯島:今言った通り「形から発信すること」は出来る限りやってきました。とは言えやっぱりキャッチボールが出来ずにもどかしい部分もあって。そんな中でも今回『Burn It Black』に入っている曲がLINE MUSICで一位を獲れたというのは、偏にファンの皆さんの想いが形となって表れたものだと思います。すごく感謝していますし、僕たち自身それを見て自信にもなりました。今は「とにかく信じて欲しい」という想いが一番強いので、今回のアルバムもたくさんのファンの皆さんに届いて欲しいです。
志村:生のライブを楽しみにしていただきたい気持ちが一番ですね。[SUPER★DRAGON]、今までも駆け足で、実は去年だけでファイヤー、サンダーの曲も合わせたら40曲以上出しているんですよ。僕ら自身「早いな~」と思いましたし、ファンの皆さんもきっと同じことを思ったと思います。ただ、この自粛期間に一曲一曲に対する想いがメンバーそれぞれ強くなっていて。きっと去年披露した時よりも確実にいいものをお届けできると思うので、是非それを楽しみにしていて欲しいです。今回の『Burn It Black e.p.』では新しい[SUPER★DRAGON]を見れつつも、さらに深くなった[SUPER★DRAGON]をお見せすることが出来ると思います。「僕らの気持ちの切り替え」も感じ取っていただけたらな、と。あ、あと体調には気を付けてください!
ジャン:冷静に考えた時に、たくさんの人たちが[SUPER★DRAGON]という存在をそれぞれのライフスタイルの中に落とし込んでくれていて。例えば「[SUPER★DRAGON]を見るためにテスト頑張ります」だとか「[SUPER★DRAGON]に会いに行くために仕事頑張ります」だとか、僕らの存在がその人の人生の中で「何かをするための起動源」になっていることを考えると、[SUPER★DRAGON]が誰かの重要な立ち位置になれているんだな、と思えて嬉しいんです。この状況下で僕たちも皆さんに会えずに辛いですが、いろんなコンテンツを通して笑顔になってもらえるような活動をしていきたいと思っているので、皆さんが今まで通り僕らを人生の軸のどこかに置いてくれるのであれば、期待に沿えるような活動をしていくつもりです。