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サイダーガール
【シンガーソングライター】
現役高校生・藤原大祐が「会いたい人」「話したい人」に自らがインタビュアーとなってお話を聞くこのコーナー。第7回目は藤原さんと縁の深~い方たちとのアーティスティック対談。藤原さんのサイダーガールの皆さんへの興味が爆発!?しゅわっと弾ける炭酸のように、爽やかで心躍るインタビューをお楽しみください!
縁が深い
藤原大祐×サイダーガール
藤原大祐(以下、藤原): 今日はありがとうございます!なぜ今回、サイダーガールさんに来ていただいたのかと言うと…忘れもしない、僕が出演させていただいたドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』(2020)の主題歌を務められていて、是非お話したいと思ったからです。ドラマを盛り上げてくださって!
Yurin:そんなことない!そんなことない!
藤原:僕、毎回あの曲がかかるのを待っていましたもん!待っていると同時に「ドラマが終わっちゃう」といった寂しさもあって(泣)。サイダーガールさんの曲って聴いていると高揚するんですよ。激しく高揚するわけではなく、スーッと曲が入ってきて気づいたらハマっているような。特に『落陽』は魂の入ったリリックを感じて最高に好きでした。
Yurin:すごい、めちゃくちゃ良いこと言ってくれる(笑)!
藤原:合ってます?大丈夫ですか(笑)?
Yurin:ありがとうございます(笑)。確かに『落陽』は歌詞に熱量があるかもしれない。サウンド自体も結構それを意識した音作りをしていたしね。
藤原:パワフルさと馴染みやすさが入っていて素晴らしかったです。あれってドラマの為に書き下ろしてくださったんですか?
Yurin:そうです。お話を頂いてから何曲か作って、あの曲になったって感じです。
藤原:書き下ろしをする時って台本を読んで曲を作るんですか?それとも出来た動画を観て作る?
Yurin:台本の段階の大まかなストーリで作り始めて、ドラマ制作の方に選んでいただくといった感じですね。候補としていろんな曲調を作ります。
藤原:そうなんですね!すごくピッタリな主題歌でした!
サイダーガールの曲作りとは?
藤原:普段、曲作りって皆さんでやられているんですか?
Yurin:はい。3人それぞれに歌詞も曲も出来ている一曲を作ってきて、その中から話し合って選んでいきます。ドラマの主題歌の時などは3人で一曲ずつ書いて制作の方にどれかを選んでもらう、といった流れですね。
藤原:へー!じゃあ「この曲、俺が書いた曲」みたいになるんですね。皆さんそれぞれ何から曲を作られるんですか?インスピレーションと言いますか。「これ降りてきた」ってタイプなのかどうか教えてください。
Yurin:俺は割と降ろすタイプ(笑)。とりあえず、パソコンの前に座って「どんな曲がいいかな」と作り始めて、形にしていくイメージですね。急にメロディーや歌詞が降りてくることはそんなにないかも。
知:僕は和音の響きやテンションで自分の好きなものを探っていって、その組み合わせで「ビビッ」と来たものを構築していくことが多いです。
藤原:なるほど。とりあえずコードを決めてから「どういう風に打ち込んでいこうかな」みたいな感じですか?
知:そうですね。ピアノでコードを探って、ギターで弾いてみてって感じです。楽器の組み合わせ方で全然雰囲気が変わるので。
フジムラ:僕は鼻歌を片っ端から携帯に録音しています。その中で気に入ったものをメロディーベースで組んでいくイメージですね。ギターを時々弾いて、良いフレーズがあったらそれをもとに広げていく。そういった作り方が最近は多いです。
藤原:皆さん対照的ですね。
Yurin:そうですね。結構みんなバラバラかもしれないです。
知:割とドラマや映画を観ている時にインスピレーションが出てきやすい気がします。何か一つの作品をちゃんとインプットしていくと割とスムーズに曲が出来るんです。
藤原:そうなんですね。サイダーガールさんって一本強い芯があるように感じるんです。全部の曲がバラバラではなく、一つの目標に向かっているような。それぞれ別々に書いているのに、曲にブレがないのは共通のポリシーみたいなものがあるからなんですか?
Yurin:バンドを組んだ時から割とそれぞれに一貫したテーマ性や作詞、メロディーの癖があったんです。それが3人で演奏したりアレンジしたりするうちに一つの答えになってきた気がしますね。
藤原:じゃあ各々に持ってきた曲を弾いていくうちに、サイダーガールの色に変わっていくことがあるって感じですか?
知:そうですね。とは言え、ベースのフェーズもギターのフェーズも、僕の場合は弾く度に「自由に弾いてみて」と言うので、個性も出ていると思います。
藤原:楽しそうですね!バンドならではって感じの。仲間がいるって素敵です!
みんな、ピアノ発表会経験者…!?
藤原:僕、14年近くピアノをやっているんですけど、
Yurin:確かに、音楽は一人でやろうと思えば出来るからね。僕らはみんな割とピアノは触っていたんですが、バンドを始めてからはギターやベース、最初はドラムもやって(笑)。
知:僕は吹奏楽部だったので、ドラムをやりつつ、吹奏楽部の倉庫に眠ったベースを持ち帰って練習したりしていました。あと、ピアノもやっていたので…
藤原:何でもできるんですね!
知:いえ、ピアノの発表会がすごく嫌で泣いて練習していました(笑)。
藤原:分かる。ピアノの発表会って嫌ですよね(笑)。
知:家で母に怒られながらメトロノーム鳴らして練習して…。
藤原:メトロノーム、僕めちゃくちゃ嫌いなんですよ(笑)!
知:分かる(笑)!
藤原:分かりますよね(笑)!?気持ちよく弾きたいのに縛られる気がして。
フジムラ:みんな発表会を経験してる(笑)。俺は最近ピアノを練習し始めました。
藤原:最近ですか?それは曲作りの上でピアノを使いたいと思ってですか?
フジムラ:それもあるし、1990年代前半くらいの音楽で「ラグタイム」っていうジャンルがあるんだけど、それを聴いた時に「このピアノめっちゃ弾いてみたい!」と思って。今必死で練習してます。
藤原:「ラグタイム」、初めて聞きました!
フジムラ:練習しながら「みんな右手と左手、なんで同時に違う動きが出来るんだろう」ってイライラしながら頑張ってます(笑)。
Yurin:ベースもそうじゃん。
フジムラ:そうなんだけど、ピアノは頭が追っつかない(笑)。
サイダーガールのプライベートって?
Yurin:3人で、だと割とゲームをしますね。一時期、ファミレスに集まってスマホのオンラインゲームを朝までやっていました。
藤原:高校生じゃないですか(笑)!
サイダーガール:あはは(笑)。
Yurin:個人的には休みの日はあまり外に出ないので、それこそ趣味の延長線で音楽を作ってみたり、ゲームしたり、映画を観たりしていることが多いかな。
藤原:僕も映画好きです!特にクエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドックス』(1992)という映画が好きで。Yurinさんの好きな映画は何ですか?
Yurin:この間『メン・イン・ブラック』を1から観直しました。面白いので是非!
藤原:観たことないです。観てみます!
知:僕はインドアなので、家でゲームするか、本を読むか…あ、月一くらいで映画館にも行ってるかな。まあ、インドアと言っても多趣味なので近所のプールに行ったりもするんですが…
藤原:全然インドアじゃない!嘘ついちゃってます(笑)。
知:最近、Switchの『フィットボクシング』を買って、ずっとジャブストレートを打っています。ちょっと身体を鍛えたくて。
藤原:実際にボクシングを習おうとは思わないんですか?
知:やりたいんですけど、週に何回か通う、みたいな制限があるのがちょっと…(笑)。
藤原:縛られたくないんですね(笑)。
知:はい。でもボクシングはリズムがあるのでリズム感が身に着くかな、と思って。
藤原:何を今さらリズム感なんて言ってるんですか!?絶対にリズム感はありますよ(笑)!
フジムラ:あはは(笑)。最近、部屋の中でいかに自分が集中できる空間を作れるかを探っています。模様替えしたり、置く物を変えたり、パソコンの位置を変えたり。家具を買うわけではなくて、今ある物でどう部屋をアレンジするのかにすごくハマっているんです。
藤原:へ~!皆さん本当にそれぞれ違いますね。でもインドアなところは似てますね(笑)。
サイダーガールが生まれた日
藤原:ちなみに皆さんの出会いってなんですか?
Yurin:もともと3人それぞれネットで活動していたんです。個人個人では知り合いだったんですが、僕とフジムラはバンドを結成するまで会ったことがなくて。最初に「バンドを組もう」と誘ってくれたのは知くん。練習するためにスタジオに集まった日がフジムラと初めましてでした。
藤原:そんなことあるんですか!?結成することは決まっていて、その後に顔合わせって。下手したらすごいオジサンな可能性もありますよね!?
Yurin:あはは(笑)。確かに!実際、フジムラは最初年上だと思ってたら年下だったしね。
藤原:意外なファーストコンタクトでした。
フジムラ:でもそこで「今日からバンドを組んでずっとやっていこう」って感じではなかったんです。一度のライブ出演のためだけのバンドの予定で。でもそれがすごく楽しかったから「ちょっとやっていこうよ」となって、今に至ります。
藤原:じゃあ完全に相性が良かったんですね!
Yurin:そうですね。割と近しいものは感じていました。
藤原:確かに、さっき控え室で「皆さん仲良いな!」と思いましたもん(笑)。
Yurin:ずっと一緒にいるからこそ話さないバンドさんもいらっしゃいますね。
藤原:皆さん、高校生みたいでした(笑)。
Yurin:僕ら自身もそんな気持ちです。部活の延長線上のような。
藤原:楽しんでいらっしゃるのが曲にも出ていると思います!高校生に聴いて欲しいバンドさんです。とか言いつつ、僕、高校生ですけど(笑)。
Yurin:そっか、まだ高校生か!
藤原:はい。高3になりました。
Yurin:しっかりしてるね~!
藤原:ありがとうございます(笑)!
ニューシングル『ライラック』について
2021,4,21 リリース Digital Single『ライラック』
新たなサイダーガールの一面を魅せる新曲は9ヶ月ぶりのデジタルシングル。軽快なメロディーにのせて「ライラック」の花言葉にある“思い出”、“友情”、“青春”をモチーフにして歌ったナンバー!
藤原:ニューシングル『ライラック』をリリースされるということで、曲のことをお聞きしたいのですが。
Yurin:実はこの曲、『おじカワ』の時に作った曲の一つなんです。
藤原:え!それ教えてもらっちゃっていいんですか!?
Yurin:もちろん(笑)。確かあの時、4曲ぐらい作ったんですよ。ロック調の2曲とヒップホップっぽい曲とJ-POPっぽい曲を作って。その中で『おじカワ』に採用されたのは『落陽』だったんですが、そこから時間が空いて「他の曲どうしようか」と言っていた時に、たまたまタイアップが決まって、そこからまた曲を作り始めて。なので『ライラックの』曲調や世界観は割と『おじカワ』の時のインスピレーションを受けているんですよ。
藤原:ってことは奥に『おじカワ』がいるんですね!めっちゃ嬉しい!ひっそりと『おじカワ』が(笑)。
サイダーガール:あはは(笑)。
藤原:なんだか急に自分の曲みたいに思えてきちゃいました(笑)。後でもう一度、それを踏まえた上で聴かせていただきますね!
『ライラック』作曲者は誰…!?
藤原:ちなみに『ライラック』はどなたが?
Yurin:僕ですね。歌詞は割と変えたんですが、曲調のインスピレーションなどは奥に『おじカワ』がいると思います(笑)。
藤原:奥底に『おじカワ』が…!これ、今めちゃくちゃレアなこと聞いてますよね!?この対談でしか聞けないことというか…。
Yurin:確かに言わないですね(笑)。
藤原:ひい、超レアだ…。サイダーガールさんのファンの皆さんに絶対見て欲しい!
Yurin:見てもらいましょう(笑)!
「CIDERGIRL ELEVEN DAYS KITCHEN TOUR 2021」
について
藤原:ツアーも開催されるんですよね。ツアーについてのお話や意気込みをお願いします。
Yurin:家が好きな人間なので、その期間は「家に帰りたい!」と思っちゃうんですが…(笑)。いざツアーが終わった後に家に帰ると寂しくなっちゃう。ライブ中はファンの方が目の前にいてくれるし、みんなともずっと一緒にいるので。始まるまでは勇気が必要だけど、終わった後は「またライブしたい」と思いますね。
藤原:すごい公演数こなされるじゃないですか。声が枯れたりはしないんですか?
Yurin:もうしょっちゅう。一昨年かな?北海道がライブのスタートだったんですが、その公演終わりに風邪をひいて声が出なくなったんです。そこからツアーが終わるまでの2か月間ずっとガラガラで。病院に行って点滴を打ったり、ケアを丁寧にしたりしながら何とか乗り切りました。
藤原:大変ですね。声だけじゃなくて弾く方も…
Yurin:歯が折れたりね(笑)。
藤原:歯が折れたんですか!?
フジムラ:ベースを歯で弾いている時にテンションが上がっちゃって(笑)。
藤原:ベースって歯で弾けるんですか(笑)!ちなみにそれはどうなったんですか?
フジムラ:前歯が欠けて、フラットの形に削れて(笑)。弦を弾く時、普通は歯を引っかけるんだけど勢い余って棒に歯が当たっちゃって、その形に歯がへこんだんです。
藤原:え、今もですか?
フジムラ:今は応急処置してもらって…
Yurin:なんでまだ応急処置なんだよ(笑)。
フジムラ:生活に支障がなくて大丈夫だったから(笑)。
藤原:面白すぎます(笑)。
Yurin:怪我することもあるんだけど、ライブ中はアドレナリンが出てるから気づかないことが多いんだよね。で、終わった後に「あ、こんなに血が出てたんだ」みたいな。
藤原:では、そんな「勇気が必要なツアー」に向けて一言お願いします(笑)!
Yurin:去年はツアーがなかなか出来ない状況だったからこそ、今年はちゃんと完走したいと思っています。コロナ禍で声は出せないし、時代的にとらないといけない距離もある中で、ファンの皆さんにどれだけ楽しんでもらえるかを考えています。「楽しませたい!」と思っているので、お客さんにも楽しむ気満々で来て欲しいです。
『藤原対YOU』のマストクエスチョン
藤原:『藤原対YOU』のマストクエスチョンがありまして。皆さんに個人の夢、またはバンドでの夢を教えていただきたいです!
Yurin:個人としては早く海外旅行に行きたい。この状況が終息すれば行ける日が来ると思うので、その日が来ることを願っています。
知:僕はちょっとくさくなっちゃうんですが「名前を残したいな」と。作詞家、作曲家、アレンジャーとして名前を言っただけで「あぁ、あの人ね」って分かるような人になりたいと思っています。広く言うと海外でも通用するような実力をつけたいです。
藤原:世界進出ですね!
知:宇宙まで行きたいです(笑)。
藤原:それで言うと僕も一緒です!
フジムラ:僕はシンプルに「かっこよくなりたい」と思います。割とオドオドしてしまいがちなので…
藤原:え、全然そんな風に見えていないんですが、そうなんですか?
フジムラ:そうだね、今はオドオドしないように朝から心がけて…(笑)。緊張しいなので「はっきりと物事を言えるようになりたい」と思っています。
藤原:でも皆さんすごく話しやすかったですよ!
Yurin:それは大祐くんがしっかりと回してくれてるから。俺ら回してくれる人がいないとダメだから(笑)。
藤原:そんなことないです!楽しみ過ぎて、実は今日、質問案とか考えていなかったんです。お会いしてから聞くことを決めようと思って。では最後に、サイダーガールとしての夢を教えてください!
Yurin:バンドとしてはかっこよく音楽を続けていきたいのと、結成当初から掲げている目標としては「老若男女にちゃんと届くような音楽を作りたい」と思っています。
知・フジムラ:そうだね。
知:高校生が聴いてくれているのはもちろん嬉しい。その上で高校生ターゲットじゃないところでも聴いてもらえるバンドになりたいですね。今聴いている若い子が大人になっても聴くような音楽を作れるように。
藤原:いいですね!これからも応援させていただきます!ありがとうございました!!
PROFILE by Taiyu Fujiwara
サイダーガール
サイダーガール
顔を見せないスタイルで知られる3人組ロックバンド。
「CIDERGIRL ELEVEN DAYS KITCHEN TOUR 2021」
2021年6月18日(金)東京:渋谷WWWXよりスタート!
Interviewer
藤原大祐
ふじわら たいゆ
2003年10月5日生まれ。
俳優・現役高校生という肩書きに加え、連載「藤原対YOU」ではイチから質問案を考え“インタビュアー”に挑戦中の17歳。
※Item Credit
パイルカーディガン
レミ レリーフ
パンツ
キャル オー ライン
問い合わせ先
ユナイト ナイン
03-5464-9976
※Team Credit
カメラマン:YURIE PEPE
インタビュー:藤原大祐
ヘアメイク:堀川知佳
スタイリスト:カワセ136
編集:満斗りょう