松岡広大
舞台『ねじまき鳥クロニクル』
新たな世界の色に出会った彼の心境とは―
舞台『ねじまき鳥クロニクル』
<あらすじ>
岡田トオルは妻のクミコとともに平穏な日々を過ごしていたが、奇妙な出来事に巻き込まれ、思いもよらない戦いの当事者となっていく――。トオルは、姿を消した猫を探しにいった近所の空き地で、女子高生の笠原メイと出会う。トオルを“ねじまき鳥さん”と呼ぶ少女と主人公の間には不思議な絆が生まれていく。そんな最中、トオルの妻のクミコが忽然と姿を消してしまう。クミコの兄・綿谷ノボルから連絡があり、クミコと離婚するよう一方的に告げられる。クミコに戻る意思はないと。だが自らを“水の霊媒師”と称する加納マルタ、その妹クレタとの出会いによって、クミコ失踪の影にはノボルが関わっているという疑念は確信に変わる。そしてトオルは、もっと大きな何かに巻き込まれていることにも気づきはじめる。何かに導かれるようにトオルは隣家の枯れた井戸にもぐり、クミコの意識に手をのばそうとする。クミコを取り戻す戦いは、いつしか、時代や場所を超越して、“悪”と対峙してきた“ねじまき鳥”たちの戦いとシンクロする。暴力とエロスの予感が世界をつつみ、探索の年代記が始まる。“ねじまき鳥”はねじを巻き、世界のゆがみを正すことができるのか? トオルはクミコをとり戻すことができるのか―――。
ねじまき鳥クロニクル×松岡広大
原作を読んでいる最中なのですが、もうすでに面白いです。“悪”を描いてこなかった村上さんが初めて“悪”を描写した作品。作品の序章でも中盤でも「人間本来の潜在的な“悪”=誰でもその片鱗を持っているよね」といったような“悪”をつまびらかにしていて、村上さんイズムが散りばめられています。
海外の演出家の方との初の対面はいかがでしたか?
演出・振付・美術のインバル・ピントと演出・脚本のアミール・クリガーが来日した際に2日間だけワークショップに参加したのですが、とにかく面白くて!僕自身、海外の演出家さん、振付師さんと仕事をするのが初めてだったので最初はどんな感じでやっていけばいいのか分からなかったんです。でも、その僕の不安とは裏腹に2人とも非常に相手のことを思って尊重してくれる人たちでした。「あなたの出来る動きをやってみて」と、自分のスキルを披露した時も「素晴らしい!」「かっこいい!」「そんなことも出来るんだ!」と全部肯定してくれるんです。要求された動きと違うことをした時でさえ「それもあるね」と肯定した上で、「でもこうするといいよ!」と別のアイデアを提示してくれて。全部を許容して、それに加えて違う案を持ってきてくれるので自分のアイデアが閉鎖的になることはまずありませんでした。たった2日間だったのですが、2人のことが「大好き」になりました。
すごく濃い2日間だったんですね!
そんな2人と一緒に作品を作れるのが
きっと今から楽しみだと思います。
ぜひ、意気込みをお願いします!
今回はダンサーさんと僕ら役者がいて、各々に「特に踊る」「演じる・歌う・踊る」といった役割が書いてあるんです。そのカテゴリ分けがすごく面白くて。歌を歌って踊りもするのですが、あくまでも舞台でありミュージカルとは謳っていない。その要素が内包された舞台ってどういったものになるのかが今から楽しみです。インバル・ピントは独創的な踊りで世界から注目を浴びる振付師なので、きっと日本の演劇史に強力なインパクトを与える作品になるはず。新しい演劇の形やジャンルを楽しんでいただくことはもちろん、僕自身も楽しんで演じられたらと思います。
欠かせないもの
“音楽”
移動中も舞台で自分でメイクをする時もいつも音楽を聴いています。東京タワーを見たら斉藤和義さんや福山雅治さんを聴きたくなる…とか、僕にとって音楽は歌詞や情景に対して全部リンクしている存在なんです。最近ずっと聴いているのは『BABY METAL』。10月16日に発売されたアルバムがとにかく神アルバムなんです。実はSU-METALとMOAMETALは、昔一緒にレッスンを受けていたので、その2人が海外に羽ばたいているのを見ると僕も負けてられないと思えますし、「すごいな!なにくそ!」といった気持ちで元気を貰っています。
座右の銘
“報恩謝徳”
「受けた感謝や徳を恩として報いなさい」といった意味の四字熟語。僕がこの仕事を続けていられるのも家族やマネージャーさんからたくさんの愛情や恩をいただいたおかげ。きちんと感謝をしてどんどん報いていかなければならないと思っています。ここ最近は「人生は長い時代」と言われているけれど、仮に80歳に設定して、それより前に死んでしまったら余白でやりたかったことが出来なくなってしまうので、やりたい事はぎゅっと人生に詰め込んで、後悔しないように仕事や挨拶などで常に感謝を還元していきたいです。
松岡広大の軸
“後悔するかしないか、楽しいか楽しくないか”
「僕はこれをやって楽しいのか」と考えた時に、後悔しないってことはきっと楽しいということだと思っていて。加えて、何か選択を迫られた時は自分にとって数値的にどちらの幸福度が高いのかを重要視して、自分のなかで選択後の二手三手まで想像したうえで“幸福度”に重きを置いて生きています。
松岡広大
まつおか こうだい
1997年8月9日生まれ。
穏やかで無邪気な笑顔の中に、冷静かつリアリスティックな審美眼が織り込まれた22歳。
舞台『ねじまき鳥クロニクル』
原作:村上春樹
演出・振付・美術:インバル・ピント 脚本・演出:アミール・クリガー
出演:成河、渡辺大知、門脇麦、大貫勇輔、徳永えり、松岡広大、成田亜佑美、さとうこうじ、吹越満、銀粉蝶
2020年2月11日(火・祝)~3月1日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
ハンサム公式YouTubeチャンネル『Document of ハンサムLIVE 2020』
『15th Anniversary SUPER HANDSOME LIVE「JUMP↑ with YOU」』
2020年2月15日(土)16日(日):両国国技館
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:金田紗世子(MAKE ON)
スタイリング&ディレクション:町山博彦
インタビュー・記事:満斗りょう
※Item
Jacket:OVERSIZED SAFARI JAKCET(NEW SPEC)/BEIGE/¥49,000(JUHA)
他スタイリスト私物
(お問い合わせ先)
JUHA
〒156-0045
東京都世田谷区桜上水5-13-8 ALDEBARAN桜上水Ⅱ 102
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