立石俊樹 × 藤岡真威人
アクシデントさえも
舞台ならではの楽しみのひとつと考えて、
それごと届けることも大切
近年『太平洋序曲』『エリザベート』などのグランドミュージカルや映像作品へと躍進する立石俊樹さんと、ドラマ『クールドジ男子』(テレビ東京系)など数々の映像作品に出演し注目を集める大型新人の藤岡真威人さんが登場。今回お二人はミュージカル『浜村渚の計算ノート』にて共にテロリストを追う相棒刑事の役として出演。数々の舞台に出演してきた立石さんと今回が舞台初出演となる藤岡さんに、舞台におけるエトセトラについて対談をしてもらいました。
<ミュージカル『浜村渚の計算ノート』>
原作は累計発行部数 110 万部を突破した『浜村渚の計算ノート』が、日本発・新感覚の「数学ミステリーミュージカル」として舞台化。数学のことになるとテンションが上がり饒舌になる、数学が大得意な中学二年生の主人公・渚役をオーディションでつかみ取ったのは、「北斗の拳~フィスト・オブ・ノーススター」リン役(2022年)、「アナと雪の女王」ヤングエルサ役(2021年)、「レ・ミゼラブル」リトルコゼット役(2019年)など着実に子役から経験を積み、オーディションでもフレッシュな演技と堂々たる歌唱力を評価された桑原愛佳さん。
お二人のお互いの印象はいかがですか?
(※取材は6月初旬)
立石:実は今日、お会いするのが初めてなんです。FASTさんの取材の前にもいくつか別の取材を一緒にさせていただいて。
藤岡:そうなんです(笑)。ついさっき初めてご挨拶させていただいたくらいで(笑)。
立石:だから、小一時間くらいの印象でよろしければ(笑)。
ぜひお願いします!
立石:藤岡さんはすごい話しやすいというか、自然な方だなあという印象ですね。同じ空間に居やすい人というか。
藤岡:こちらこそです(笑)。さっき年齢の話になって、僕と立石さんは十歳差あることが分かったんですけど、普通そのくらい差があるとちょっと話しかけづらいというか、畏まってしまうじゃないですか。
話しかけていいのか少し悩んでしまいますね。
藤岡:そうなんです、少し抵抗があるというか(笑)。でも立石さんからは良い意味でそういう雰囲気を感じなくて、すごく親しみやすい感じで一緒にいてくれたのがとても嬉しかったです。
立石:現状は台本を読み始めているくらいの段階ですが、舞台では事件を共に追う相棒のような刑事の役ということで、楽しくやっていけそうです!
藤岡:もう、胸を借りるつもりで頑張ります(笑)。よろしくお願いします!
藤岡さんは舞台初出演とお聞きしましたが、
意気込みはいかがでしょう?
藤岡:はい。もうとにかく全力でぶつかるしかないと思っています。もちろん映像の作品にはこれまで出させていただいてきましたが、舞台という生でお芝居をする機会はまだありませんでした。映像作品と違う部分はもちろんいろいろあると思いますが、役を演じて、観てくれる方たちに感動や勇気を与えて、楽しんでもらうという部分においては共通していると思っています。これからは舞台もたくさん出られたら嬉しいと思いますし、その度に全力でぶつかるのみだと思っています。
数々の舞台にご出演されている立石さんは、
藤岡さんにとっては大先輩となりますね。
藤岡:大先輩です! ……何かアドバイスありますか(笑)?
立石:僕で良ければ(笑)。逆に何か聞きたいこととかあります?
藤岡:ありがとうございます! シンプルにセリフが飛んでしまったことってあるんですか(笑)?
立石:あー、全然ある(笑)。そんなこと予期していなかったのに、なぜか急にそこだけ出てこないみたいな現象というのが、本当にたまにあります。そういうときは、もうその感情のまま頑張って繋げる(笑)。
立石さんでもあるんですね!?
立石:そりゃありますよ!
藤岡:でも舞台を観ていて思うのは、役者さん本人がセリフを飛ばしたりミスしたりしているのって、観ている側からしたらあんまりわからないじゃないですか。役者さんの力量やその場の頭の回転でうまく繋げているのはすごいなと思います。
立石:藤岡さんはまだ19歳で、それで初舞台というのはもちろん緊張すると思うけど、いろいろ映像作品も出演していらっしゃいますし大丈夫だと思いますよ。
藤岡:絶対に緊張しますし、僕はもうすでにいろんなことを考えて不安です(笑)。
今回はお二人一緒の場面もきっと多いですよね?
藤岡:そうですね。だから立石さんが隣にいると思うと心強いですし、何かあったら助けを求めます(笑)。
立石:怖い怖い(笑)。でも僕は逆にその舞台ならではのアクシデントさえも好きなんですよね。例えば、同じ舞台に別の日も来る、みたいにたくさん通ってくれる方からすると、そういう部分が舞台ならではの生の良さでもあるというか。
藤岡:なるほど!
アクシデントすら舞台の一部、という?
立石:そうですね。アクシデントさえも楽しみのひとつという考え方も多分あると思うし、そういう楽しみも観てくれる方に感じていただければ嬉しいですね。キャスト同士で「あれ?」っていう違和感があったとしても、何とかしてそれごと届けなきゃいけないっていう心がけも大切かなと思います。
藤岡:すごく良いことを聞きました(笑)。ありがとうございます!
稽古はこれからとのことですが、
今から楽しみですね。
立石:はい。今は未知数ではありますが、キャストの年齢もすごく離れているということもあって、同年代だけじゃない、いろんな価値観などが稽古場で影響し合って生まれる化学反応みたいなものも、絶対にあると思います。それをお客さんに届ける前に自分たちで感じながら作品をつくっていけるのも楽しみだなと思っていますし、必ずわくわくする作品になるんじゃないかなと思うので、ぜひ期待してください!
藤岡:繰り返しになりますが、初舞台となるので緊張はありますが、年代を問わずこの作品を見て面白かったと思ってもらえるように精一杯頑張ります!
初対面とは思えないほど息ピッタリで、とても和やかな雰囲気だった立石さんと藤岡さん。お二人が並んで立つ姿は、思わず声が出るほどの存在感でした。撮影中にとある同じ癖が発覚し、お互いに「(その癖をもつ人に)初めて会った!」と驚かれていた姿がなんだか楽しそうで微笑ましかったです。
立石俊樹
たていし としき
1993年12月19日生まれ。
最近の出演作に、ミュージカル『I’m donut?』(’23)、『太平洋序曲』(’23)、『エリザベート』(’22~’23)、ドラマ『壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている』(’22)、『FLAIR BARTENDER’Z』(’22)などがある。2023年11月からはミュージカル・ピカレスク『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』に出演予定。
藤岡真威人
ふじおか まいと
2003年12月28日生まれ。
最近の出演作に、ドラマ『クールドジ男子』(’23)、『テッパ
ミュージカル『浜村渚の計算ノート』
原作:青柳碧人「浜村渚の計算ノート」(講談社文庫刊)
脚色・演出:植木護
作曲・音楽監督:松田純一
出演:桑原愛佳 / 立石俊樹、藤岡真威人、飯窪春菜、隅田美保、入来茉里、藤岡舞衣、西條妃華 / 井上小百合、レ・ロマネスクTOBI、朝隈濯朗、ダイアモンド☆ユカイ 他
【福岡公演】2023年8月26日(土)~27日(日)キャナルシティ劇場
【大阪公演】9月1日(金)~9月3日(日)森ノ宮ピロティホール
【名古屋公演】9月9日(土)~10日(日)ウインクあいち大ホール
【東京公演】9月14日(木)~18日(月・祝)サンシャイン劇場
※Item Credit
立石さん
デニムジャケット \51,700
シャツ \30,800
デニムパンツ \41,800
以上3点ともに(SOL)
その他スタイリスト私物
〈お問合せ先〉
SOL (080-1797-4976)
藤岡さん
〈お問合せ先〉
ラブレス青山(03-3401-2301)
※Team Credit
立石さん
ヘアメイク:中元美佳
スタイリスト:MASAYA
藤岡さん
ヘアメイク:RYO
スタイリスト:柴山陽平
カメラマン:鈴木寿教
インタビュー:小枝指優樹
記事:小枝指優樹/緒方百恵