倉悠貴
映画「隣のステラ」
「新しさを感じる王道の恋愛作品になったと思います」
餡蜜さんの漫画『隣のステラ』が実写映画化され、福本莉子さんと「FANTASTICS」の八木勇征さん主演で8月22日から公開します。本作で、福本さん演じる千明のバイト先の先輩・高橋雄大を演じた倉悠貴さんに、演じた役のことや作品の見どころ、さらにご自身が落ち込んでいる人にしてあげたいことなどを伺いました。

©餡蜜/講談社 ©2025 映画「隣のステラ」製作委員会
<あらすじ>
高校生の天野千明(福本莉子)と柊木昴(八木勇征)は隣同士の家に住む幼なじみ。昴が芸能事務所にスカウトされ、モデルや俳優として人気者になっていき、そんな昴に千明は幼いころから思いを寄せていた。千明はついに昴に告白するが、昴から幼なじみとしてしか見ることができないと言われてしまう。

公式サイトのコメントで「僕自身、こんなにもキラキラした眩しい作品は初めてで不安がありました」と仰っていましたが、特にどんな不安があったのでしょうか?
これまで王道のラブストーリー作品の経験が少なかったので、10代の方がメイン層の作品にどう自分が入っていけるのだろうかというところが少し不安でした。でも、脚本を読んでみると、僕が演じた高橋はそんなにキラキラしていなかったので、割と気楽に演じることができました。それに、高橋はこの作品の登場人物の中ではちょっと大人びた感じだったし、自分とも結構似ている部分があったので、手応えや、やりがいはありました。
倉さんが演じる高橋雄大は、福本さん演じる千明のバイト先の先輩で、千明や昴の背中をそっと押したり、陰ながら支えたりする役どころですが、どんな人物と捉えて撮影に臨まれましたか?
僕は実際、高橋は千明のことがめちゃくちゃ好きだという認識で演じていました。高校生から見たら、大学生ってめちゃめちゃカッコよく見えることってあるじゃないですか。そういう風に高橋も見えたらいいなと思いながらやっていました。それに多分、高橋は「この2人は付き合うんだろうな」って思っていたんだろうなとも感じていました。

そこがまた切ないところでもありますよね。高橋くんの切なさをどのように表現しようと思いましたか。
高橋は基本的にぶっきらぼうなんだけど、優しいしちゃんと千明のことを思っているんです。でも、そういうことがはっきりと見えすぎず、ふんわりと感じてもらえたらいいな、と思って演じたので、ちょっとした仕草や、ふと笑う時などにそういうものが見えるように表現しました。
作中で「もう別の世界に行ってしまいたい」と嘆き、落ち込む千明に「連れてったろか」と言う高橋さん、かっこよかったです!倉さんご自身は「誰かを元気づけてあげたいな」と思った時、どんなことをされますか?
僕は車やバイクの免許を持っていないので、高橋のようにどこかに連れていくことはできないから、なにか料理を作ってあげたいなと思います。落ち込んでいる時はやっぱり和食ですね。豚汁やお肉料理を作ってあげたいです。

高橋くんはハンバーガー屋さんで働いていますが、店員としての調理も様になっていましたよ。
自分で料理することはありますが、ハンバーガー店での調理は初めてだったし、撮影も2日間くらいだったので、持ち道具の方や技術などをその場で教えてもらいながらやっていました。ほかにも、「高橋が乗っているバイクの種類はどれにしますか?」とか、高橋はラーメンが好きなので「ラーメンどれ食べたいですか?」といった細かい設定を事前に相談し合いながらできたのは楽しかったです。
倉さんも昴と同じく芸能界に身を置かれる立場ですが、昴の悩みに共感するところはありましたか?
昴はわりとここまで順風満帆に来ていたと思うので、まだ俳優としての本当の悩みには直面していないんじゃないかなと個人的には感じました。でも、台本を繰り返し読んだり、モデルの仕事と映画の仕事でやり方を変えたりして、自分なりに頑張ろうという気持ちや姿勢はすごく伝わってきました。
この作品の現場がすごくリアルなんです。例えば、昴の撮影現場のセットに僕も行った時、どれが本物のカメラで、どれが撮影用の録音部なのか分からなくて、結構戸惑いました(笑)。
あとは、マイクロバスが普通に見切れているシーンがあるんですけど、そんなことって普通はあまりないじゃないですか。でも「あ、この作品では見切れていていいんだ」と思って。そういうところが何だか不思議な感覚でした。

倉さん的、本作の見どころや一押しポイントを教えてください。
若いスタッフとキャスト陣で作った映画なので、映像もすごくキレイなんです。今作は普段映画を撮っているスタッフではなく、広告やミュージックビデオ、ファッション系などをメインに撮る方々が入ってくださっているので、画としての見ごたえもあって、新しいチーム感のある映画になったと思います。

倉悠貴
くら ゆうき
1999年12月19日生まれ。
取材開始までに少し時間があったのでFASTのスタッフと気さくにお話をしてくださった倉さん。イベント後の取材、撮影だったので、イベントの様子から映画でのバイクシーンの秘話をお話をしてくださいました。またFASTでは、昨年11月にご取材をさせていただきましたが、ここ数ヶ月でさらに落ち着きが増していて、色々な現場での経験を培われてきたのがすごく伝わりました。
後編では、ご自身についてや今回一緒のシーンはなかったあの方へのメッセージなど盛りだくさんです。お楽しみに。
最近の出演作に、ドラマでは、Disney+Star『ガン二バル シーズン2』(‘25)、フジテレビ『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~』(‘25)、TBS『スロウトレイン』(‘25)、『あのクズを殴ってやりたいんだ』(‘24)、映画では、『ROPE』(‘25)、『リライト』(‘25)、『六人の嘘つきな大学生』(‘24)などがあり、2025年11月公開予定の『平場の月』、2026年1月公開予定の『恋愛裁判』が控えている。
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©餡蜜/講談社 ©2025 映画「隣のステラ」製作委員会
タイトル:『隣のステラ』
原作 :餡蜜『隣のステラ』(講談社「別冊フレンド」連載)
監督 :松本花奈
脚本 :川滿佐和子
出演 :福本莉子 八木勇征 倉悠貴 横田真悠 西垣匠 田鍋梨々花 / 清水美砂 宮崎吐夢 紺野まひる / 野波麻帆 浜野謙太
主題歌 :FANTASTICS「いつも隣で」(rhythm zone)
公開日 :2025年8月22日(金)
コピーライト:©餡蜜/講談社 ©2025 映画「隣のステラ」製作委員会
※Team Credit
カメラマン:遥南碧
ヘアメイク:NOBUKIYO
スタイリスト:伊藤省吾(sitor)
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿