小関裕太
いいものを使い続け、孫に残していきたい
子役として芸能活動をスタート。その後、ミュージカルや舞台、様々のドラマや映画に出演。現在、「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ)に出演している小関裕太さんにインタビュー。仕事のこと、6月21日から放送のドラマ「ひとりでしにたい」(NHK)にちなんだお話、以前のインタビューコメントを受けての感想など盛りだくさんの内容をお届けします!

デビューして20年以上。現在のお仕事のペースや内容をどう感じていますか?
ひと言で言うと“楽しい”です!充実感はありますね。理想はたくさんあるので、理想を全部言ったらきりがないのですが、そんな中でもいい意味で苦悩はできているかなと思います。ワクワクしていたいので、それにつながるなら理想もたくさん描くし、鍛錬もし続けていきたいという感覚です。
6月8日で30歳。20代はもがいてきたとお話されていましたが、30代に入ったら、どんなもがきがあると思いますか?
改めて振り返ると、やっぱり創ることが好きなんですよね。30代も役者として参加する側ではありますけど、創る目線でもいろんな方々とご一緒できればといいなと思いますし、そういうのが好きな方とのめぐり合いも大切にしていきたいと思います。役者としてもそうですし、それ以外でも創れる環境を自分からも作っていけたらいいなと思いながら日々過ごしています。

出演されるドラマ『ひとりでしにたい』(NHK総合 6月21日から放送)では「終活」という言葉が出てきますが、小関さんご自身が「終活」をするとしたら、残しておきたいものはありますか?
「スーツケース」です。いい「スーツケース」をずっと使い続けて、孫に残したいですね。
なぜ、お孫さんに?
僕がおじいちゃん子で、祖父からもらった“ネクタイ”に思い入れがあるからなのかもしれません。ほかには祖父からは「ラジオ」かな。祖父が使っていたものなんですけど、今でもたまに流したりしています。
もらってうれしいものってくれた人の想いが入っているし、新しいものだとしてもなんでこれをあげたいと思ってくれたのかという思い入れがすごく感じることができると思うんです。例えば20歳のタイミングでメイクさんにもらった革のポーチがあるんですが、今でも大事にしています。当時は“なんでこれをくれたんだろう”って深く考えなかったけれど、使い続けていくことで20歳のときにもらったという実感と自分の経験たちをずっと一緒に見てくれているというかけがえのない大事なポーチになっていくんですよね。その物との物語があると思うので、思い入れというのはすごく考えます。

いいなと思ったものは使い続けていくタイプなんですね。
そうですね。結果、使い続けられています。筆箱も小学5年生のときに買ったものを今も使っているんです。当時、人からもらったものなんですけれど、革なのでずっと使い続けているからすごいなじんでいるんですよね。物持ちはいいほうだと思います。ビンテージとか知識があるわけじゃないですけど、エイジングを楽しむのが好きで、自分の中で価値が高いものに愛着を感じています。
今、「○○活」していますか?
なんだろう……、知識力が前よりも増したかな。何活って言ったらいいんだろう。「学習活」かな(笑)。分野は人、モノ、会社、歴史と広いんですが、興味をもったらルーツから知りたくなるんです。興味をもったことについて知らないことが嫌なんですよね。例えば、この前出演した「Friends of Disney Concert 〜10th Anniversary〜」(2025年4月20日)で尾上右近さん、尾上松也さんとご一緒したこともあって、歌舞伎を観に行ったんです。歌舞伎を観るのは初めてだったので、イヤホンで解説を聴きながら5時間鑑賞。観た後はもっと知りたいって思いました。歌舞伎の歴史ももちろんですし、尾上さんや松也さんとは共演者でありつつ、明るいお兄さんという感じでいろいろお話していたけど、もう少し踏み込んで知ってみたいという思いが強くなりました。歌舞伎役者さんは家系があって、そのうえでの鍛錬は誰にでもできることではないでしょうし、限られた環境や価値観があってその中でどうやってその世代を盛り上げているのかということなど興味がわきました。あとは、自分でWebページ編集をしたりするんですけど、ページ編集をしている方々の視野とか、そういう方たちが何に興味をもっているのか、常に情報を集めていて、新しいものにたどり着くまでという過程にも興味があります。他にも建築家だったらいろんなところにアンテナを張りめぐらせないとできない業界、職業なんだなと感じたので、建築家の方々が大事にしていることやモノにすごく興味があります。

いろんな分野、いろんな職業に興味があるんですね。
では、ここで12年前のインタビューでお答えいただいたものを改めて見ていただきたいと思います。
Q自己紹介するとすれば?
当時=「AB型で、よく“不思議”って言われます。几帳面な部分もあれば雑なときもあって、違う人格の自分がおもしろいなと思っています」
前よりも雑さは減ったと思います。精査されたのかな(笑)。前は注意が散漫だったので、家の中を歩けば、次にしたいことがどんどん出てきて、“あれっ、最初にしたかったことなんだったっけ?”ということが多かったくらい雑な感じがありましたが、今はだいぶ頭の中が精査されていると思います。でも基本的なところは変わってないかな。“不思議な部分”も変わってないと思います(笑)。
Q今、夢中になっていることは?
当時=「食パン!パンやさんのものやコンビニ・スーパーのものなどおいしそうな食パンに夢中です。何もつけずに小麦本来の味を見極めるのが好き」
今でも「食パン」は好きです。隠し味に何が使われているのか、生クリームなのか、はちみつなのか、地域によって、お店によってこだわりが違いますし、小麦粉を引き立てるために使っている隠し味を感じるのが好きです。
ありがとうございました。
最後に、これからの夏に向けて暑さ対策を教えてください。
毎年これと言って、暑さ対策を特にやっていないんです。暑さに弱いという自覚がないので、暑さに合わせて服装を考えるくらいです。あとは暑くなっても普段とあまり変わらないことするように心掛けています。(笑)

小関裕太
こせき ゆうた
1995年6月8日生まれ。
子役として芸能活動をスタート。その後、ミュージカルや舞台、様々のドラマや映画に出演。最近の出演作はドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」(TBS/2024年)、ドラマ「御曹司に恋はムズすぎる」(カンテレ・
フジテレビ)、舞台「ジャンヌ・ダルク」(2023年)、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2024年)ロミオ役など。現在「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ)に出演中。6月21日からはじまるドラマ「
ひとりでしにたい」(NHK)への出演が決定している他、主演舞台「サヨナラソングー帰ってきた鶴」が控えている。
一年ぶり取材をさせていただきましたが、顔を覚えてくださっていた小関さん。「あ、お久しぶりです!」とご挨拶をしてくださったことにスタッフはとても嬉しく思いました。周りがドキドキと心配そうに見つめる中で、外では高いところも楽しそうに登ったりと周りのヒヤヒヤをあえて掻き立てる、いたずら好きの小関さんの一面も。とっても楽しそうに撮影をすることができました。
これからも、いろんな物事に興味やアンテナを立てつつも、柔らかくもドシっとブレない芯の強さが変わらない小関のご活躍を、応援しております。
約1年ぶりの登場ありがとうございました!

©NHK
土曜ドラマ「ひとりでしにたい」
【放 送 予 定】 2025年6月21日(土)スタート〈全6回〉
総合テレビ 毎週土曜 夜10:00〜10:45
[再放送] 総合テレビ 毎週水曜 午前0:35〜1:20 ※火曜深夜
【原 作】 カレー沢薫『ひとりでしにたい』
【脚 本】 大森美香
【音 楽】 パスカルズ
【主 題 歌】 椎名林檎「芒に月」
【出 演】 綾瀬はるか 佐野勇斗 山口紗弥加 小関裕太 恒松祐里 満島真之介 /
麿赤兒 岸本鮎佳 藤間爽子 小南満佑子 コウメ太夫 / 國村隼 松坂慶子
【制 作 統 括】 高城朝子(テレビマンユニオン) 尾崎裕和(NHK)
【演 出】 石井永二(テレビマンユニオン) 小林直希(テレビマンユニオン) 熊坂出
※Item Credit
ジャケット¥38,500、パンツ¥46,200、
(ともにクルニ/クルニ フラッグシップ ストア ☎03-6416-1056)
シューズ¥41,800(ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿☎03-3470-6760)
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:エミー
スタイリスト:吉本知嗣
インタビュー:相原郁美
記事:相原郁美/有松駿