鈴鹿央士
何のフィルターもなく仲良くいられる人は、やっぱり大事
9月25日公開の映画『藁にもすがる獣たち』で、1億円をきっかけに争奪戦へ巻き込まれる弱小大学生YouTuber・佐藤寛治を演じた鈴鹿央士さん。インタビュー後編では、もし1億円を手にしたら叶えたいこと、お金では手に入らない幸せ、主演経験を重ねて感じた変化などから、仕事への向き合い方とプライベートな一面に迫ります!
チャンネル登録者数2桁の弱小大学生YouTuberを演じる鈴鹿さんですが、普段、YouTubeやSNSではどのような動画を見ますか?
サイエンス系です。最近は宇宙の起源や都市伝説。あとはゲームも見るし、お笑い芸人さんのYouTubeも見ます。
もしご自身でチャンネルを開設するなら、どんな動画を投稿しますか?
僕がですか? なんだろう…… ずっとレゴを組み立てている動画を出します。ナレーションとかはなくて、パチパチという音だけのやつ。需要があるかはわからないですけど(笑)。
劇中で寛治は「1億円入りのボストンバッグ」を見つけてしまいますが、鈴鹿さんがもし1億円を手に入れたら、何に使いますか?
やっぱり、家を建てます。地元の岡山に、でっかい家。
外観は洋風で、中には和室も欲しいです。インテリアにはそこまでこだわらないですけど、ガレージがあったらいいな、くらい。車も停められたらいいですね。
父が車やバイクをいじる仕事をしていたので、家にガレージがあって、そこでできたらいいよなと思います。
1億円をきっかけに、欲にまみれ金の“獣”と化していく個性的なキャラクターたちが見どころですが、反対に、お金では手に入らない幸せだと感じるものはありますか?
やっぱり、人です。友達とか、一緒にお仕事をして出会った人とか。
相手がどんな人か、社会的に何をした人か、というのはまったく関係なく、仲がいい人です。高校時代の友達とか、学生時代からの友達がそうなんですけど、何のフィルターもなく仲良くいられる人は、やっぱり大事です。
人との関係は買えないですね。
劇中で寛治は絶体絶命のピンチに陥りますが、鈴鹿さんにも最近、「藁にもすがる思い」で必死になった出来事はありますか?
筋トレをしていて、バーを持ち上げるときに、セーフティーを「ここより下には来ませんよ」という位置に設定できるんです。それを普段より一つ下に設定して、固定していて。
「もう上がらない」となって潰れたときに、バーで押しつぶされてしまって(笑)。限界まで押していたので上がらなくて、「これは終わる、終わる、終わる」と思いました。そこから頑張って、「ヒュン」といったんですけど、そのときはすごく必死でした。びっくりしましたし、そのときあごもケガしました。
俳優として、主演作も数多くある鈴鹿さんですが、主演として現場に立つ経験を重ねるなかで、作品や現場への向き合い方に変化はありましたか?
ありました。最初は主演ではなく、ゲストとして入ることもありました。でも、その作品に関わる日数が少なくても、一つの作品に関わる人としての責任や、その一日の大切さは、日に日に感じるようになりました。
やっぱり作品を作るのは大変なんだな、というのは、主演を経験して思ったことです。出演日数が少ないと、毎日ではないぶん、すごくフレッシュな感覚で行けることもあります。でも、主演の方はほぼ毎日、フレッシュな感じで現場にいるので。そう考えると、その方たちの体力や精神力はすごかったんだなと、身に染みて思います。
自分もそこに耐えられるというか、「毎日をちゃんと過ごせる人であろう」と思うようになったのは、変わったところです。
2021年のFASTのインタビューでは「台本を初めて読んだときに浮かぶ、言葉の感覚を大切にしている」と話されていました。現在も、その向き合い方は変わりませんか?
今もその感覚はありますが、撮っていくなかで変わることもあります。前のシーンがこうだったから、こういうふうに撮ったから、次のシーンはまた変わってくる、とか。
最初に受け取った情報はやっぱりすごく大事ですし、そうやっているときもあります。でも、今は読み込んでいくうちに変わることもある。そのときそのときで、ちゃんと変えられるようにしています。
以前よりは、最初の印象の比重が少し軽くなった感じはします。今は、現場の感覚や雰囲気をより大事にしている気がします。
鈴鹿央士
すずか おうじ
2000年1月11日生まれ。
2018年に「MEN’S NON-NO」専属モデルオーディションでグランプリを獲得。映画『蜜蜂と遠雷』(2019年)で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞など数多くの映画賞を受賞した。主な出演作に、ドラマ『silent』(2022年)、Netflixシリーズ『君に届け』(2023年)、ドラマ『嘘解きレトリック』(2024年)、Netflixシリーズ『喧嘩独学』(2026年)、ドラマ『リーガルビート–逆転の法廷–』(2026年)、映画『ロストケア』(2023年)、映画『PLAY!~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』(2024年)、映画『花まんま』(2025年)など。10月には映画『ファーストボイス』の公開を控えている。
ピュアな表情でお茶目にお話ししてくださった鈴鹿さん。お金では手に入らない幸せを尋ねると、「やっぱり、人です」と答えてくださいました。肩書きや実績ではなく、何のフィルターもなく仲良くいられる関係を大切にするという、柔らかくも芯のある価値観が印象的でした。レゴを組み立てる動画のお話や、ガレージのある家についてのお話からは、プライベートでの興味や好みも垣間見えるインタビューに。
撮影では抜群のスタイルでジャケットを着こなし、クールに決めていただきました。一方で、スタッフと気さくに談笑する姿も。和気藹々と、終始笑い声の絶えない撮影現場でした! 鈴鹿さんの今後ますますのご活躍を応援しております。ご登場ありがとうございました!
©曽根圭介/講談社 ©2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
映画『藁にもすがる獣たち』
2026年9月25日(金)全国公開
出演:鈴鹿央士 成宮寛貴 森七菜 MEGUMI 前田旺志郎 二ノ宮隆太郎 青木マッチョ 岩松了 小手伸也 風吹ジュン
監督:城定秀夫
脚本:小林靖子、城定秀夫
原作:曽根圭介『藁にもすがる獣たち』(講談社文庫)
主題歌:MAN WITH A MISSION「The Animals」(Sony Music Labels Inc.)
配給:東映
※Team Credit
カメラマン:八重樫ケイン
ヘアメイク:永瀬多壱(VANITÉS)
スタイリスト:梶原浩敬
インタビュー・記事:小谷康貴