窪塚愛流
ドラマ『るなしい』
ケンショーの人間性がにじむようなお芝居をしている
2022年上半期「週刊文春エンタ マンガ賞!」で最高賞に選ばれた、意志強ナツ子によるカルト的人気のマンガ作品「るなしい」が実写ドラマ化!火神の子であるるなに興味を持ち、信者ビジネスに足を踏み入れる成瀬健章(通称・ケンショー)を演じる窪塚愛流さんに、役作りについてのほか、作品にちなんだ質問も投げかけてみました。
©︎「るなしい」製作委員会
<あらすじ>
高校生・るな(原 菜乃華)は、かつての火神の子であり、鍼灸院を経営する祖母・おばば(根岸季衣)と暮らしている。鍼灸院では、火神の子であるるなの血が入ったモグサを使って、いわゆる信者ビジネスを行っており、るなはクラスでいじめられている。スバル(本島純政)は唯一の理解者だったが、ある日、るなは、いじめられているところをクラスの人気者・ケンショー(窪塚)に助けられ、恋をしてしまう。だが、神の子であるるなに、恋は許されない。るなは、ケンショーを“ビジネス”に取り込むことを決意する。
脚本を読んだときの感想を教えてください。
僕は脚本を読むとき、いつも物語を見ているんです。どんな物語もそうですが、始まりがあって終わりがある。だけど、キャラクターにとってはそのなかに人生があって、目的があって、それぞれの葛藤がある。そこが、すごくおもしろいなと思って。特に本作はビジネスバトルなので、キャラクターそれぞれのバックボーン……るなは生まれもって、神としてのカリスマ性があったり、ケンショーは、家が貧しいから母を助けたいとか。スバルは、るなに居場所を作ってあげたいという思いが光る物語だなと思いました。
最初は、ご自身の演じる役の視点でお読みになるのですか?
役として読むと、どうしても“ここは、こうやって演じたほうがいいのかな”と考え込んでしまうので、なにも考えずに読むのが好きです。それに、僕は現場で生まれるものも大事にしているので、台本はセリフを覚えるだけのために読むようにしています。あまり作り込んでいくと、とらわれた表現しかできなくなるので。受け取る方によって変わるようなお芝居をしたいので、あえてそういう読み方をしています。
ケンショーのキャラクターを作っていくうえで、ご自身のアイデアも反映されているのでしょうか。
作品に入っていないタイミングで金髪にしていて、その時期にこの作品の衣装合わせがあったのですが、監督に「僕は、(役作りのために)髪の毛は捧げるので、なんでもします」と言ったら、「いや、金髪いいね。それ採用!」って。そのときに、たまたましていた金髪が採用になったという。金髪期間が延長されて、うれしかったです(笑)。
ケンショーは、るなにどんどん魅了されていきますが、ご自身はそんなふうにカリスマ性のある人に惹かれていく気持ちはわかりますか?
僕は、あまり人に執着しないので、よくはわからないです。大切な人はいますが、“この人についていきたい”とか“この人がいないと”みたいな気持ちになることはないです。“みんな違って、みんないい”と思っているので。
そうすると、ケンショーを理解するうえで難しい部分もありましたか?
カッコよさに対しては、僕もすごくあこがれがあるので、“るなさん、かっけー!”という気持ちはわかります。たぶんケンショーは、自分がカッコよくなりたいから、るなさんのカッコよさに惹かれたし、あこがれに近い存在だと思うんです。でも、だからといって、るなさんにあこがれている芝居はしないようにしています。そこは、僕の理想とする“にじみ出てるもの”で表現できたらいいなと。ストレートにわかりやすくするのではなく、自然と視聴者さんが受け取れるものがあるような、そんな挑み方をしました。強いて言うなら、ちょっと余裕のあるケンショーを演じています。
監督の上田 迅さんは、これまで数々の話題作を世に送り出してきましたが、演出を受けてみての率直な感想は?
最高です!僕らの意見もすごく尊重してくれますし。たとえるなら、料理をしてくれているみたいな。キャストそれぞれの持っているスパイスを引き立てるように、全員が光るように、味わいを深くしてくれるというか。僕がその場で思いついたことを伝えると、「1回やってみよう」と、ちゃんと受け入れてくれるんです。そこに監督の考えも伝えてくださるので、信頼感が高まるし、自分も“こういうお芝居をしてよかったな”と思える。提案したものが採用されずに悔しいこともありますが、それも含めて、日々監督や技術部のみなさんと一緒に作っているという実感があるので、とても楽しいです。
そのようにお芝居をするなかで、新たに引き出された一面はありますか?
僕はいつも、迷ったときは自分に質問をするんです。ここは、あえて笑うほうがいいのか、逆になにも感情を出さないほうがいいのか。ストレートに伝えるのか、あえて全然違う表情をするのか、とか。お芝居って、“なにもしない”というのが逆に難しい場面もあって。
というと?
あるシーンで肝となるセリフがあって。僕はちょっと言い方を工夫しようと思ったのですが、監督は「いや、ここはまっすぐに言ったほうがいい」とおっしゃったんです。ちゃんとキメるところはキメたほうがいいんだと、たしかにそうだな、と納得したことがありました。お芝居以外にも、上田さんは現場のいろんなところを見ているんです。もちろん、原(菜乃華)さんも現場を盛り上げてくれますし、(本島)純政くんもすごくいい雰囲気にしてくださっていますが、僕は上田さんが一番の盛り上げ担当だと感じています。だから、上田監督のいる日の現場はいつも明るいです。
タイトルにちなんで……窪塚さんにとって、熱狂するくらい情熱を注いでしまうことはありますか?
うーん……誕生日会!ずっと情熱を注いでいます。僕、友達の誕生日がすごく好きなんです。サプライズとかも。だから、友達の誕生日会とかは、絶対に一番張り切っています。誕生日を迎える人よりも(笑)。それこそ、二十歳の誕生日には、みんなに靴をプレゼントしました。“新品の靴を履いて、これから素敵な場所に歩いていこう!”という意味を込めて。
第1話から、るなが収監されているシーンがあったりと、今後の展開が大いに気になる『るなしい』ですが、ケンショー的見どころを教えてください。
第4話、5話から、ケンショーがいろいろと仕掛けにいきます。このインタビューでお話ししたように、台本のイメージどおりに捉えない……そういった塩梅をすごく考えながら、ケンショーの人間性がにじむようなお芝居をがんばっているのですが。それがちょうど、第4話あたりから、観ている方にもわかりやすくなると思うので、ぜひ注目してもらえたら。完成した映像を見ると、撮影時とはまた全然違う景色に映っていると思うので。僕自身も、どんなふうになっているか楽しみです。
窪塚愛流
くぼづか あいる
2003年生まれ。神奈川県横須賀市出身。2018 年の映画「泣き虫しょったんの奇跡」で俳優デビュー。2021年から本格的に俳優活動を開始。2024年には映画「ハピネス」で初主演。最近の出演作にTBSドラマ「御上先生」、NHK夜ドラ「あおぞらビール」など。神保町のNew Galleryにて自身初の個展 5/8(金)〜5/24(日) を開催!
New Gallery住所:東京都千代田区神田神保町1-28-1 mirio神保町1F
1日取材などで忙しい中FASTの取材の時間をいただいた窪塚さん。一つ一つの取材を終えるごとにギアがかかって元気になっていく姿を拝見し、多くの媒体の取材を受けているのに、疲れた表情すら見せず、むしろ楽しそうな表情が増えていく姿は圧巻でした。インタビューでも明るく答えてくださり、前回のインタビューを交えた質問にも覚えてくださっていて、明るいだけじゃない真面目で素敵な一面も合わせ持たれている方でした。後編では、前回のインタビューからプライベートでの窪塚さんに迫っています。お楽しみに。
【©意志強ナツ子/講談社 ©「るなしい」製作委員会】
「るなしい」
テレ東系にて毎週木曜深夜24:30〜放送中
各話放送終了後から、動画配信サービス「U-NEXT」にて第一話から最新話まで見放題独占配信
▶U-NEXT:https://t.unext.jp/r/tv-tokyo_pr
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※Team Credit
カメラマン:遥南碧
ヘアメイク:秋田あゆみ
スタイリスト:コバヤシリョウコ
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿