小野塚勇人
テレビ東京「共演NG」
「愛嬌の質」を見極める彼の
冷静な“役分析フィルター”に迫る
彼が演じる役は「ドジ」「おバカ」「天然」そんな「愛されてしまうファクター」を含んでいるキャラクターが多いように思う。物語の中で彼の姿を見るとフッと微笑んでしまうような、可愛らしさが詰まっているような。では当の本人は…?その答えは「微笑んでしまうのではなく、微笑ませてくれるのが“小野塚勇人”」だ。「笑わせよう」というホスピタリティに富んでいながら発言にはどことなく「賢さ」の味がする小野塚さん。様々な味覚を刺激してくれる彼が挑む今回の「愛嬌の質」とはどんなものだったのか―
テレビ東京「共演NG」
<あらすじ>
長きにわたり、常に芸能界の第一線で活躍してきた秋元康だからこそ描ける「業界の裏側」を舞台にした原作を、主演・中井貴一、ヒロイン・鈴木京香の最強タッグ、脚本・演出・大根仁の超豪華布陣でドラマ化!ドラマの制作現場で繰り広げられるドタバタ劇とラブストーリーを、テレビ東京史上最高スケールでお届けする、この秋の新ドラマ「共演NG」。かつては恋人同士だったが、破局後、長らく共演NGだった大物俳優・遠山英二(中井貴一)と大園瞳(鈴木京香)が25年ぶりにドラマ「殺したいほど愛してる」で共演…というスリリングな設定から始まる物語だが、実はこの2人以外の出演者も“共演NG”だらけという恐ろしい現場だったのです…!そんなドラマ「殺したいほど愛してる」の現場に集まったのは共演NGで一触即発な出演者たち…名付けて≪共演NGアベンジャーズ≫と、中井貴一演じる英二の付き人を演じるキャストが、このたび決定いたしました。一体どんな共演NGバトルが繰り広げられるのか?そのNG理由とあわせて発表致します。
<前島豊>
英二(中井貴一)の付き人をしながら俳優を目指している。英二に憧れているものの、失敗ばかりの抜けてるところもあり…。
前島豊 × 小野塚勇人
客観的に見るとアホだな、と…。「こんなに使えない人いる?」と思いました(笑)。でも確かに探してみるとそういう人っているんですよね。抜けているけどなぜか憎めない、みたいな。ただ豊には「元自衛隊」という設定があって、そこだけは最初に聞いた時に「自衛隊ならもうちょっと出来るんじゃないの?」と思いました(笑)。真面目は真面目なんですけど仕事ができない。その「天然さ」をどうやって表現するかを意識しました。
第一話の中井さん(中井貴一)と
読み合わせをされているシーン。
あのハキハキ感もその設定を
意識したものなんですか?
あれは「下手にやってくれ」という演出があって。豊は自衛官を辞めて役者を目指し始めたばかりで作品にも出演したことがないという設定だったので、監督の「素人っぽく」という指示を意識してあのシーンができました。僕が芝居を始めたばかりの頃に「間違ってもいいからとりあえず声を出せ」と言われたのを思い出して、とにかくハッキリ大きな声でやろうと思って(笑)。自衛官で体育会系でもありますし設定にもあっているかな、と。
確かにかなりハキハキと(笑)。
業界の裏側がとてもリアルに描かれている今作ですが
小野塚さんが印象に残っている業界の思い出ってありますか?
仮面ライダーエグゼイドをやっていた時の撮影開始の朝の早さですかね。あ、あと、初めてのドラマの撮影が山奥の学校だったんですけど、僕の中での「撮影はスタジオで行うもの」というイメージが覆されて「実際の学校を使って撮影することもあるんだ」と驚いたのを覚えています。それまでは舞台しかやっていなかったので「映像作品だとこんなに何回も同じシーンを撮るんだ」ということにも驚きましたね。
なかでも一番覚えている撮影はありますか?
『仮面ライダーエグゼイド』の時に夜から朝まで「雨降らし」の撮影をした時は10時間ほど寒空の下で雨に打たれていたので、さすがに一回気持ちよくなって眠くなっちゃいました(笑)。一回身体の震えが止まるタイミングがあって「これやばいな」と思って(笑)。そういった過酷な撮影は逆に覚えていますね。
それはかなり過酷ですね…!
今回は中井さん、リリーさん(リリーフランキー)の
お芝居を生で体感するシーンが多いと
思うのですが、いかがでしたか?
いや~もうすごいですね。クランクインした時に中井さんに「豊は俺たちにいじられて輝く役だから、いろいろと俺がやることに合わせてくれればいいから」と仰っていただいたんですよ。僕、その時は咄嗟に「はい!」と言ったものの、「あれ?けっこう難しいこと言われたんじゃない…!?」と思って(笑)。で「どういうことなんだろう?」と思っていたら、セリフのないところでアドリブをされていたので「あ、こういうことか!」と。それに気づいてからは電波も常に5Gをたてるようになりました(笑)。
5G(笑)!常にドキドキですね。
リリーさんはいかがでしたか?
リリーさんは、本当にあのままの方で、「お芝居やるぞ」というスイッチの切り替わりが見ていて分からないくらい自然なんです。ずっとリラックスされている感じ。なのに本番になったらアドリブを入れたり、ちょっと遊んでみたりされていて。それが全部面白いんですよ。そこに中井さんも加わるので相乗効果でどんどん面白くなっていくんです。その芝居を傍で拝見できて本当に幸せでしたし、すごく勉強になることも多かったですね。
小野塚さんのアドリブ対応も見どころですね。
愛嬌のある天然キャラを演じられることが
多いイメージなんですが
「豊」に関しては演じるうえでどんなキャラを
意識されましたか?
僕、本当に抜けている役が多いんですよ。だからこそ他のおバカな役と一緒のおバカにはならないように意識しました。豊の場合は、おバカはおバカでも「跳ねているお調子者」ではなく天然なおバカ。見た目はチャラチャラしていても仕事に対しては真面目。でもその真面目さが少しずれているから面白いんです。笑わせにいっているのが見えちゃうと豊の良さがなくなってしまうと思ったので、豊自体のキャラクターを殺さないように「真面目さ」に重きを置いて演じました。現場の空気に乗っかって面白いことをやろうとはせずに、他のキャラクターたちが賑やかにやっていてもあえて参加しない、みたいな。ただ、僕自身は貪欲に笑いを取りにいくタイプなので現場で面白いことをしている他の方たちがすごく羨ましかったです…(笑)。
もどかしいですね(笑)。
小野塚さんが役者目線で見ていて思う
撮影現場のあるあるって?
「やたらとスタッフさんが走っている」ですかね(笑)。走っても走らなくても変わらない距離で走っているのを見ると「ぶつからないかな」とヒヤヒヤするんですよ。そういった現場のせわしなさもドラマではちゃんと表現されていて「リアルだな」と思いました。リアルすぎて現場でのリハーサルの時にどこからどこまでが役者の方で、どこからが実際のスタッフさんなのか全く分からなかったです。それは多分みんな一緒で、僕ら裏方役が芝居している目の前に本物のスタッフさんが入ってくることがしょっちゅうありましたね(笑)。
Highlight of「共演NG」
作品の見どころは25年ぶりの「共演NG」同士の共演とそれを取り巻く共演NGだらけの役者陣、いわゆる「共演NGアベンジャーズ」と言われる人たちの展開、そして果たして劇中のドラマ「殺したいほど愛してる」はバズるのかというところ。加えて中井貴一さんと鈴木京香さんの大人の恋愛も注目ポイントの一つだと思います。僕に関しては豊のどこか抜けている対応や中井さんとの掛け合い、若者にも関わらず中井さんが豊に対してリラックスしている感じも是非観ていただきたいです。
小野塚勇人
おのづか はやと
1993年6月29日生まれ。
劇団EXILEのメンバー。
淡々と紡ぎだす無数の言葉の糸、その糸先に宿る「奇知」と「ユーモア」が私たちを心地好く包んでくれる27歳。
テレビ東京「共演NG」/前島豊役
毎週月曜よる10時放送
企画・原作:秋元康
出演:中井貴一 鈴木京香 山口紗弥加 猫背椿 斎藤工 リリーフランキー 里見浩太朗 堀部圭亮 細田善彦 小澤廉 若月佑美 小野花梨 小野塚勇人 森永悠希 小島藤子 岡部たかし 迫田孝也 岩谷健司 瀧内公美 橋本じゅん
※Item Credit
Shirt:¥50,000(LITTLEBIG リトルビッグ/LITTLEBIG リトルビッグ)
03-6427-6875
Shoes:¥24,000(Clarks クラークス/Clarks ORIGINALS クラークス オリジナルズ)
03-5411-3055
その他スタイリスト私物
※Team Credit
カメラマン:YURIE PEPE
インタビュー・記事:満斗りょう