浅香航大
自分のためだけじゃなく、みんなが幸せになれる作品作りをしたい
2011年に『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』で連続ドラマデビュー後、連続テレビ小説『マッサン』や『あなたの番です』など、次々と話題作に出演。7月からはBunkamura Production 2025『泣くロミオと怒るジュリエット2025』への出演も控えるなど、その勢いはとどまるところを知らない浅香航大さん。出演中のドラマストリーム『三人夫婦』にちなんだ質問のほか、役者としての現在値もじっくりと語ってくれました。

『三人夫婦』では3人の共同生活が描かれますが、浅香さんが他人と同居する際に譲れない条件はありますか?
こだわりが強そうと思われがちなんですけど、意外にないんですよね(笑)。強いていうなら、わりと匂いに敏感なので、洗濯したものを濡れたまま長時間放置しておくのはイヤですね。あとは、ゴミはちゃんと収集日に出したいですかね。実際の僕は、仕事がなければ、2日ぐらいお風呂に入らなかったりすることもあるくらいアバウトなんです(笑)。
いわゆる「風呂キャンセル界隈」ですね。
そんな言葉があるんですか(笑)!?はい、風呂キャンセル界隈、たまにしています(笑)。

30代を迎えて、結婚観に変化はありますか?
若い頃は、シンプルに“結婚したい”という思いだけで「結婚願望が強い」と言っていたのですが、結婚をテーマにした作品に携わり、現実的に考えるようになると、結婚って難しいことかもしれないと思い始めています。人と一緒に生活するのって、簡単なことではないよなって。
徐々に慎重になってきていると。
結婚は、勢いとタイミングも大事ですよね……って、これ、こじらせ始めてるのかな(笑)!?いや、でも、結婚に対してはすごくいいイメージを持っているので、機会があればとは思いますけど。大事なのは、お互いの歩み寄りだと思っています。

本作のように結婚をテーマにした作品に携わることで、結婚観への影響も多少はあるのでしょうか。
基本的には、自分は自分と思っています。でも、『三人夫婦』に出演したことで、もしも知り合いに「3人で結婚したんだよ」という人がいたら、「そうなんだ!」って、今の僕なら言えると思います。このドラマを見たことがきっかけで三人夫婦になる人たちがいたら、本気で応援します。
浅香さんは幅広い役を演じていらっしゃる印象を受けますが、作品への出演を決める際に重視していることは?
いただいたお話に真摯に向き合う、ということです。(作品への出演を)お断りすることはほとんどないですが、一番は、作品に対してワクワクするか、熱量を持てるか、というところですね。自分はもちろんですが、その作品に携わる方たちの熱量も感じられたら嬉しいですね。

そういった熱量は、どういうところに感じるのですか?
自分のことでいうと、この役を演じてみたいという欲求が湧くとかですかね。『三人夫婦』のときは、監督から「全員の代表作になるようにがんばろう」というお話をしてくださったのが、強く心に残っています。実際に撮影が始まっても、気持ちのいい現場ですね。
浅香さんが二十歳のときのインタビューを拝読したのですが、そこで「絶対に役者の仕事しかできない人間だと思っている」とお答えになっていました。現在まで、その気持ちが揺らぐことはなかった?
できることならほかの仕事もしてみたいです。でも、役者しかムリだと思うんですよ。それは、今も変わらないですね。

役者以外はムリだと思うのは、なぜですか?
当時はたぶん、「役を演じることで、自分の気持ちのバランスをとっている」とかって、カッコつけて言っていたと思います(笑)。「演じることで自分の感情の起伏を埋めて、プライベートと仕事のバランスをとる」みたいなことを言っていたかもしれません(笑)。
二十歳の浅香航大をおろすと(笑)?
はい(笑)。でも、今でも俳優以外の仕事をしている自分は想像もつかないですね。そしてやっぱり、おもしろいんです、俳優って。だから、やめられないかもしれないですね。毎回、演じる役や出会う人が違うのもおもしろい。作品と役と向き合って、夢中になって突き詰めて。もちろん楽しいことだけではないし、考えたり悩んだりすることも多い。でも、自分たちで作ったものが視聴者の方に届いて、その人の人生すら動かすかもしれない何かを届けられたり。純粋に娯楽として楽しんでいただけたり。すごくいい仕事だなと思うし、モノづくりをさせてもらえるだけで幸せを感じます。昔より、自分のためだけじゃなく、考え方が外を向いてきた気がします。

というと?
昔より、外とのつながりが見えるようになったというか。昔は、必死で……今でも必死ですけど、もっと独りよがりだったかもしれないです。自分のためにやっているという感覚が強かったのが、今は……言葉にするのが難しいな……。
以前より、周りにも目を向けられるようになった?
そうですね。自分が“その役を演じて幸せ”というだけじゃなく、作品で接する人たち……もっと広くいえば、作品を観てくださったお客さんも含めて、みんなが幸せになれたほうがいいじゃないですか。これからも、そういう作品作りをしていきたいなと思います。
©「三人夫婦」製作委員会

浅香航大
あさか こうだい
1992年8月24日生まれ。
お久しぶりのFASTの登場ではある中で撮影も終始楽しそうにしてくださった浅香さん。ベージュの背景から窓の撮影も移動がある中、快く引き受けてくださいました。インタビューで話されていた、20代と30代と年齢を重ねて、視野が広がっていろんな立場で考える余裕が増えたとおっしゃられた言葉通りに、どんな立場の人たちにもその立場になって受け止めてくれる優しさが取材でも表れていました。撮影が終わってモニターを見てどんな写真ができたのか見られている姿に仕事に対する情熱も伝わりました。
これからも物腰が低く、落ち着きの中に、熱い情熱を秘められている浅香さんのご活躍を応援しております。
お久しぶりのご出演ありがとうございました!
最近の出演作に、テレビドラマでは、テレビ東京『錦糸町パラダイス〜渋谷から一本〜』(‘24)、読売テレビ「オクト― ~感情捜査官 心野朱梨~Season2」(’24)、映画では、『十一人の賊軍』(‘24)などがあり、4月25日より配信開始のDMM TV「ドンケツ」、同日公開予定の『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』。7月開幕のBunkamura Production 2025『泣くロミオと怒るジュリエット2025』舞台を控えている。

©「三人夫婦」製作委員会
ドラマストリーム「三人夫婦」
TBS系 毎週火曜深夜0時58分~(※一部地域を除く)
「TVer」「TBS FREE」「Netflix」にて配信中
※Item Credit
ジャケット¥103,400
シャツ¥86,900
パンツ¥66,000
(すべてOVERCOAT/株式会社 大丸製作3 info@overcoatnyc.com)
その他スタイリスト私物
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:Ayane(Lomalia)
スタイリスト:根岸 豪(THE Six)
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿