松本怜生
連続テレビ小説『おむすび』
今まで演じた役のなかでも難しかった
9月30日(月)スタートの連続テレビ小説『おむすび』に、ヒロイン・米田 結(橋本環奈)が所属する書道部の先輩・風見亮介役で出演する松本怜生さん。役作りをするうえで大変だったことや、共演者とのエピソードなどを伺いました。
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<あらすじ>
舞台は2004年。主人公・米田 結は、福岡県・糸島で両親や祖父母と暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきたが、地元で伝説と化した姉や謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々に翻弄されていく。平成元年生まれのヒロインが、激動の平成・令和を、時に悩みながらもパワフルに突き進む青春グラフィティ。
『おむすび』への出演が決まったときの気持ちを教えてください。
今年の1月に帰省したとき、ホントにたまたま親に「朝ドラに出られたら嬉しいな」と話していたので、出演が決まったときはすごくうれしかったです。でも、最初は“本当かな!?”と信じられなくて。(出演決定を)記事にしていただいたのを見て、徐々に実感が湧いてきました。
ご家族も喜んでくださったのでは?
電話で伝えたのですが、「うっそー!ホントに!?スゴイじゃん!」って(笑)。家族はいつも、作品への出演が決まるたびに喜んでくれるのですが、今回は朝ドラということもあって、特におじいちゃんとおばあちゃんがすごく喜んでくれました。
松本さん演じる風見亮介は、どんなキャラクターですか?
以前、風見についてものすごく考えたときがあって……(メモしたものを見ながら)橋本環奈さん演じる米田 結のあこがれの先輩ということで、余裕のある人物でなければいけない。さらに、風見はキザなセリフを言うんですが、それがキザに聞こえないぐらい自然なんです。そこが風見の魅力なんだろうなと思います。そういうセリフを言うことも含めて、今まで僕が演じたなかでも難しい役どころでした。
風見を演じるにあたり、参考にした人物などはいますか?
風見のような人間は、現実世界にはいないと思ったんです。ホントにアニメのキャラみたいなセリフを言う人だから(笑)。なので、アニメ『ハイキュー!!』の菅原(孝支)先輩を見て研究しました。風見は菅原さんほど明るくないというか、そこまでおしゃべりではないのですが、やさしい言葉をかけるときのニュアンスとかが、すごくイメージしやすかったです。
撮影では、その成果を出せた?
いや~、オンエアを観てみないとわからないですけど……。いまだに“大丈夫だったかな?”“(セリフが)クサく聞こえてないかな!?”って心配です。
風見は書道部の先輩という設定です。書道のシーンもありますが、実際にご自身で書かれたのですか?
はい。大筆を使うのが初めてだったので、大阪まで何度も日帰りで行って、書道の先生に習いました。プロの方の書道というのは、僕の知っているものとはまったく違って。字の形も書き方も、今までに見たことのないものばかりで。風見は書道に関しても優秀でなければいけないので、ホントに大変でした。今回、役を作っていくなかで、書道を一番がんばったので、ぜひ見ていただきたいです!
書道は、集中力もアップしそうですよね。
そうですね。書道をする直前に撮られた自分の写真を見たら、すごく集中した表情をしていて。自分でもビックリしました。
そんな姿に結がホレるのもわかるなと。
どうなんですかね……。そこは、自信を持って「はい」とは言えないです(笑)。
本作ではギャル文化にスポットが当たりますが、松本さんの思う“ギャル魂”とは?
う~ん、やっぱり強いなって思います。自分の好きなものに貪欲で、揺るがないというか。ギャルについても、考えたことがあったんです。何だっけ……(と、メモを探す)あっ、あった!自分を貫くところとか、ポジティブさです。発言も全部ポジティブだったりとか。それは、並大抵のメンタルじゃできないと思うので。僕は、そのメンタルの強さに勇気づけられるんです。揺るがぬ心こそが、ギャルの真骨頂じゃないかなと。
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ギャルの子たちのセリフで刺さったものはありますか?
それが僕、ギャルの方たちとの共演シーンがあんまりないんです。でも、ステージでギャルの方たちが踊るシーンがあって、それを見たときはものすごく感じるものがありました。最初はアウェイだった会場の空気を、踊りと勢いで一気に自分たちのものにしていくところは、鳥肌が立つくらい迫力がありました。
主演の橋本環奈さんは、どんな印象でしたか?
とても芯の強い方だなと思いました。気さくでやさしくて、リーダー気質もあって、まさに“座長”という感じの人で。主演だから毎日撮影があるのに、誰よりも元気で、「撮るよー!」「がんばろう!」と率先して盛り上げてくれるし。監督さんと積極的に話し合ったりする姿もよく見かけました。あと、橋本さんは福岡県出身なので、博多弁のイントネーションを聞いたりすると、「こういう言い回しのほうがネイティブっぽいよ」「そうそう!今の感じでいいよ」とか、やさしく教えてくれました。
博多弁のセリフは難しそうですよね。
実は、個人的に苦戦する理由があって。僕は愛媛県出身なのですが、愛媛はイントネーションが関西弁と同じなんです。でも、博多弁は標準語と一緒なんです。例えば「ありがとう」も、愛媛では語尾が上がるのに、博多弁だと下がるとか。「~やけん」というセリフとかも、“けん”にたどり着くまでの文章が全部、愛媛と違いすぎて頭が混乱しました。
では、普段から方言の音声データを聞いて耳に慣れさせたりも?
方言指導の方が作ってくださった音声データを、ずーっと聞いていました。そのおかげで、現場でのNGとかはなかったんですけど。セリフを言うときに、発音のことが頭にあるようじゃダメなので。セリフではあるけど、ちゃんと自分の言葉として自然に出てくるようにするのが難しかったです。
橋本さんとのシーンが多いそうですが、ほかの共演者の方とはあまり交流がなかったのでしょうか。
そうなんです。基本的には橋本さんと二人のシーンで、あとは、米田家の人たち(を演じる役者さんたち)に会うぐらいでした。撮影で一緒になるのが、男性だと菅生新樹くんだけで、彼とはホントにずっと一緒にいたんです。おかげで、だいぶ仲が深まりました(笑)。
共演者の方々と、一緒にごはんを食べにいったりもできなかった?
あっ、それはできました。お昼ごはんにラーメンを食べにいったんですけど。本場の博多ラーメン、メンママシマシにしてもらって、おいしかったです(笑)。そういえば、撮影現場が一蘭の本社総本店が見える場所だったんですよ!なので、行ってみたいなーと思っていたんですけど、時間がなくて行けなくて……残念でした。
改めて、本作の放送を楽しみにしている方へメッセージをお願いします!
個人的なことでいうと、風見亮介は序盤から出演していますので、放送初日から観てもらえたらうれしいです。若い方たちのなかには、今まで朝ドラを観たことがないという人もいるかもしれませんが、この『おむすび』は若者にも響く、絶対に元気が出る作品ですので、ぜひ観てください!
松本怜生
まつもと れお
2000年4月27日生まれ。
少し人見知りのようなシャイな表情で現れた松本さん。まだ少しジメっと暑い中での撮影でしたが、カメラを向けられている時は暑いなどの言葉を一つも発することなく全力で撮影に臨んでくださいました。移動中でもスタッフと気さくに話してくださり、松本さんの撮影では間違いなく現場のムードメーカー的な存在で明るさと雰囲気を作り出してくださいました。また写真では常にかっこいい表情とポーズで終始カッコ良くもいてくださいました。後編では松本さんが大切にされていることや今後の展望などに迫っております。お楽しみに!
最近の出演作に、読売テレビ・日本テレビ系『降り積もれ孤独な死よ』(‘24)、NHK総合『柚木さんちの四兄弟。』(‘24)、NHK BS『あきない世傳 金と銀』(‘23)、9月30日からNHK 連続テレビ小説『おむすび』が始まる。
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連続テレビ小説『おむすび』
2024年9月30日(月)放送開始
毎週月曜〜土曜 午前8時〜8時15分 ※土曜は一週間の振り返り
【出演】橋本環奈 仲里依紗 佐野勇斗 麻生久美子 宮崎美子 北村有起哉 松平健 ほか
【作】根本ノンジ
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:中原ありさ
スタイリスト:岡村春輝
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿