世古口凌
ドラマ『ポケットに冒険をつめこんで』
現場の楽しい雰囲気が画面を通して伝わると思う
1996年にゲームソフトとして登場して以降、アニメやカードゲームなど広くメディアミックスを展開し、幅広い年代に人気を誇る「ポケットモンスター」(略してポケモン)。そんな『ポケモン』を原案としたオリジナルドラマ『ポケットに冒険をつめこんで』に出演中の世古口凌さんは、大のポケモン好き。終始、ポケモン愛あふれるインタビューとなりました。
©︎「ポケットに冒険をつめこんで」製作委員会
<あらすじ>
主人公・赤城まどか(西野七瀬)は、あこがれのクリエイターを目指して上京し、小さな広告代理店「ADventure」に転職するが、現実は想像していたキラキラした世界とはかけ離れていた。そんなとき、まどか宛に実家の母から荷物が届くが、そのなかにはかつてプレーしていたポケモンのソフトが。20年ぶりにプレーし始めたポケモンシリーズを通じて主人公の成長を描くヒューマンストーリー。
『ポケットに冒険をつめこんで』は
『ポケモン』シリーズが原案のドラマですが、
世古口さんもポケモンがお好きだそうですね。
そうなんです。ポケモンは大好きで、これまでのシリーズは全部コンプリートしています!
本作に出演が決まったときは、
どんな気持ちでしたか?
やっぱり、うれしい気持ちが大きかったです。しかも『ポケモン』がドラマになるって、あの世界を人間がどうやって表現するんだろうって、撮影が始まるまでは、ドキドキワクワクしていました。
脚本を読んだときの感想は?
基本的には人間ドラマなんですが 、ところどころにポケモンの要素が詰め込まれていて、 それがファンとしては、“ここ、ポケモンっぽいな”とか“あー、あるある!”とかって共感できます。そこにBGMとかも乗ってくると、さらに想像が膨らんできて、台本を読んでいてすごく楽しかったです。
世古口さん演じる小出優希は、
広告代理店「ADventure」の社員で、
前向きな性格だけど
仕事の能力は低いという役どころです。
そうなんです。前向きだし、一生懸命がんばってはいるんですけど、どうしても空回りしてしまうというか。なかなか思った通りにいかないというのが小出くんのポイントです。悪気なく役に立たない男っていう感じですかね(笑)。
役へのアプローチは、どのように?
小出くんはコイキングというポケモンがモチーフだとお聞きしたので、それを軸に考えました。コイキングは最弱のポケモンで、「はねる」というその場で跳ねるだけの技があるんですけど、ポケモン史上一番弱い技なんですよ。それを常にイメージしながら、“全力で暴れているんだけど、何も起こらない”というコイキングの状況を小出くんが作れたらいいなと思いながら演じていました。
小出くんに共感できるところはありますか?
共感かぁ……コイキングはギャドラスというポケモンに進化するんですけど、小出くん自身も進化していくんです。僕自身も進化していきたいという“進化欲”はあるので、そこの気持ちは一緒なのかなって思います。
ミスしてばかりの小出くんを見ていて、
自分ならもう少し
うまくやれるのではないかと思ったりも?
小出くんはADventureで働きはじめて、もう3年になるんですよ。3年たってここまで仕事ができないと、モヤモヤ感はあります(笑)。でも一生懸命やってはいるから、そこをADventureのみんなは見てくれているのかなと解釈しています。
きっと、同僚のみなさんが
小出くんの一生懸命さを
認めているところはあるんでしょうね。
そうですよね。やっぱり、どこかしら人として好かれる部分がないと信頼されないと思うので、まだ期待されている部分はあるのかなって思います。
第3話は小出くんがメインとなる回です。
小出くんが感情にまかせて
セリフを言うシーンは、
見どころのひとつですよね。
あのシーンは、クランクインして序盤で撮ったんですよ。そんなに早い段階で撮影することになると思っていなかったので、短期間でたくさん演技プランを考えました。撮影当日は、“小出くんが進化して、スイッチが入ったらこうなるかな”という姿をイメージしながら現場に行きました。それがちゃんと形になって、見ている人たちに届いたらいいなと思います。
感情をあらわにするお芝居というのは、
いつも以上に本番前に集中して
気持ちを作るのでしょうか。
そうですね。小出くんはそれまで進化してこなかったぶん、進化する瞬間というのはインパクトが大きくなければいけないし、小出くん自身も喝が入っていないとダメだと思ったので、 しっかり台本を読み込んで、気合を入れて撮影に臨みました。
その一件もあり、
コイキングだった小出くんは
まどかによって
“眠っていた竜の心”を呼び覚まされ、
ギャラドスへと進化します。
はい、そうですね。
同様にご自身にも、
誰かの言動がきっかけで
本心をさらけ出すことができたという
経験はありますか?
うーん、僕はけっこう、何でもさらけ出しちゃうタイプなんです。ポケモンと一緒で、とりあえず持っているものを出してみて、ダメだなと思ったらいったん引っ込める、という感じで生きています。なので、さらけ出しすぎちゃって、失敗して戻ってくるというパターンが多いんですよ(笑)。
そうなんですね(笑)。
もちろん誰かの言動に感化されることもあるけど、自分で自分を刺激している感覚のほうが強いです。ポケモンで例えるなら、トレーナーさんがポケモンにあげてレベルアップさせる「ふしぎなアメ」という道具があるんですけど、世古口凌というポケモンは、自らふしぎなアメを舐めてレベルを上げるというイメージですかね。
では、ご自身を
ポケモンのキャラクターに例えると?
えーっ、何だろう!? 人からよく言われるのは、ミュウですかね。あっ、でも、似ているのは見た目だけで、中身は全然違うらしいです(笑)。あとは、パチリスとかも言われますね。
それは、自分でも納得できますか?
どうだろう。でも、客観的に見ての意見だし、どちらもかわいいポケモンなのでうれしいです。
すでにクランクアップしているそうですが、
改めて撮影全体を振り返ると?
日を追うごとに、ADventureのみんなの結束力がどんどん形になっていくのを実感しながらの撮影でした。そういう現場の明るさや楽しい雰囲気は、きっと画面を通して視聴者の方にも伝わるんじゃないかなって思います。
4話以降も
小出くんは進化していくのでしょうか。
やっぱり人間というのは、進化と後退の繰り返しじゃないですか。だから、小出くんもずっと進化したままかというと、そうはいかないですよね。でも、一度は進化したことで、そこで新しい景色を見た経験は残るので、後退したとしても昔の小出くんに戻るのではなく、また違う小出くんになっていくんじゃないかなと思います。期待していてほしいです。
今後の展開を楽しみにしているみなさんに、
本作の注目してほしいところを教えてください!
『ポケつめ』は、ポケモンの物語を人間ドラマとリンクさせた新しい作品なので、ポケモンファンの方はもちろん、これまで触れてこなかった方にも見ていただきたいですし、ポケモンの世界を楽しんでほしいです。深夜放送のドラマではあるんですけど、今は便利な時代で、見逃し配信サイトなどもありますからね! 親御さんもお子さんも色んな世代の方に見てほしいと思います。僕個人としては、小出くんのような“何をやっても空回りしちゃう、役立たずの若手社員”みたいなキャラクターを演じるのは初めてだったので、こういう役もできるんだという、役者としての可能性を感じていただけたらうれしいです。
世古口凌
せこぐち りょう
FASTに7回目の登場となる世古口さん。スタッフの名前や以前の取材のことを覚えて下さっており、スタッフは感激でした。約1年ぶりにお会いしましたが、1年の経過を感じられないほど美しさとかわいさは超健在。これまでの衣装と少し印象の違うジャケットスタイルで、今回もパーフェクトに魅せてくださいました!
1996年11月5日生まれ。
最近の出演作に、ドラマ『探偵ロマンス』(‘23)、舞台『信長未満 〜転生光秀が倒せない〜』(‘23)、Vシネクスト『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』(‘23)などがある。現在、ドラマ『いちばんすきな花』(‘23)に出演中。
©︎「ポケットに冒険をつめこんで」製作委員会
ドラマ『ポケットに冒険をつめこんで』
【放送局/放送日時】
テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送
/毎週木曜深夜24:30~25:00
BSテレ東、BSテレ東4K
/毎週火曜深夜24:00〜24:30
【出演】西野七瀬 笠松将 長谷川朝晴
平野綾 世古口凌 渡邉斗翔 塚地武雅
/内田理央 佐藤江梨子
【声の出演】柳葉敏郎
【原案】ビデオゲーム『ポケットモンスター』シリーズ
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémon は任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:石崎紗綾
スタイリスト:MASAYA(PLY)
インタビュー:林桃
記事:林桃/緒方百恵