鈴木仁
「気になる人とは、じゃれ合いながら距離を縮めたい」
シックなセットアップをサラリと着こなし、取材場に現れた鈴木仁さん。インタビュー後編では、出演している映画『からかい上手の高木さん』(2024年5月31日公開)のロケ地で過ごした思い出や、好きな人へのアプローチの仕方など、恋愛観やプライベートにも迫ります!
©2024映画『からかい上手の高木さん』製作委員会
映画『からかい上手の高木さん』は同世代の共演者の方が多かった現場でしたが、ロケ地である小豆島で、オフの時はどんな風に過ごされていましたか?
島で自転車を借りてみんなで海に行ったりご飯を食べに行ったりして、ずっと遊んでいました。たまたま泊っているホテルを出たら、共演者の(志田)彩良ちゃんがいて「今から重岩(山頂に重なりあった大きな岩)に行くんだけど行く?」って聞かれたので一緒に行ったのですが、崖のようなところだとは思っていなくて、2人とも水も何も持たず、僕はパジャマみたいな格好だったので、完全に油断していました(笑)。階段をずっと登っていくところがあるんですけど、途中で「どうする?」「でもここまで来たからね」みたいな意地があって、途中で会ったおばあさんに「頑張ってね」と声をかけられたこともあり、最後まで登り切りました。
島の景観や空気感が作品を彩っていましたが、鈴木さんの趣味であるカメラで撮りたくなる風景もたくさんありそうですね。
撮りたくなる風景はたくさんあって、ちょこちょこ撮ってはいましたが、それよりも遊ぶことに夢中で(笑)。みんなで海に行って服のまま飛び込んだりもしたので、その時にカメラを持っていたら、多分壊れちゃっていましたね。
オフでも「THE・青春」みたいなことをされていたんですね。
「もしかしたらオフで映画が1本できるんじゃないか」ってプロデューサーさんとも話していました。僕は島という場所に今まで行ったことがなかったので、本当にいい経験でした。東京だと、仕事終わりに共演者の方とご飯に行くとなっても気づかれることもあって気にすることも多いんですけど、島ではみんなびしょ濡れのまま自転車に乗ったり、何にも気にしない状態で楽しめたので、ここでしかできない経験がたくさんできました。
みんなで撮影したのは1週間くらいだったのですが、その時間の中であれだけ密接に過ごすことができたのは良かったなと思います。
「好きの裏返しで、好意を持っている相手をからかう」のは割と男性に多いかなという印象があったのですが、鈴木さんは好意を持った相手にどういう行動をするタイプでしょうか?
うーん、どうだろう。でも、きっとからかったり茶化したりはすると思います。僕は気になった人とは友達から始めたいので、意識して黙ったり話しかけないのではなく、とにかく仲良く、距離感を縮めていきたいタイプです。
中学生のころから何かと高木さんにからかわれる西片ですが、高木さんのような「ちょっと小悪魔的」な女性はどうですか?
楽しそうですね(即答!)。僕もからかいたくなります。そういう関係になれる人は楽しそうだなって思うんですよ。もしそれで距離を取られたら「あ、違うんだな」って分かるじゃないですか。なので、そういうコミュニケーションをちゃんと取れる人の方がお互いにとっていいと思います。でもきっと、僕は高木さんほど上手にからかえないですけど(笑)。相手を傷つけることはしたくないです。
ご自身はどんな中学生でしたか?
小中高の間はずっとサッカーをやっていて、中学生の時はクラブチームに入っていたので、学校の部活動は経験していないんです。とにかく授業が終わったら自転車で帰ってサッカークラブに行っていたし、色々なとこに出向いていたタイプですね。ちなみに、学校の教科は数学と体育だけは得意でした。
作品の「10年後に再会した二人」という設定にちなみ、鈴木さんが数年ぶりに再会してみたい人はいますか?
ある程度の人とは簡単に連絡が取れる世の中になっているけど、強いて言うなら小学生の時にダンスを習っていたので、その時一緒だった人たちですかね。中学生の女子が多くて、かわいがってもらっていた記憶はあるのですが、連絡先を交換するほどではなかったので、今もまだダンスを続けているのかなとか、もしダンサーになっていたら見に行ってみたいなって思います。
あとは小学校の時の先生ですね。6年間のうち、3年間担任してもらった男性の先生なんですが、オリンピックの時期になるとテレビをつけ始めるんです。冬季オリンピックの時も「静かにしながら見るぞ」って言って、みんなで応援しながら見ていました。でもちゃんと授業はするんですよ。テレビを見るために1時間目と2時間目の授業をまとめてやるなど調整をして(笑)。そういうのを隠しながらやってくれるので、人気者の先生でした。
今作は漫画が原作ですが、鈴木さんと言えば「趣味は漫画!」と公言されているので、最近面白かった・おすすめの作品があれば、ぜひ教えてください。
今は前ほど漫画を読まなくなったんですけど、最近見つけた「ホテル・メッツァペウラへようこそ」という、フィンランドの古き良きホテルを舞台にした作品はおすすめです。日本人の男の子がたまたま雪の中で拾われて、ホテルマンとしてそこで生活していく話なんですけど、心温まる話や勉強になることもあって、いい漫画だなと思いながら読んでいます。
漫画から教わることってたくさんありますよね。
知らない仕事でも、漫画を通してホテルマンの仕事がどんなものなのか知れるし、海外のホテルのお作法や行事とかも描かれているんです。そのキャラクターの人生でいろんな勉強をできるのは、作品を描いている漫画家さんがすごく研究や勉強されているからこそ、深いことも知れるんですよね。単純に自分で学ぶよりも、漫画が好きだからこそ入ってきやすいし、集中して読むことができるんです。
いつかホテルマンの役や海外のホテルを舞台にした作品に出演されることもありそうですよね。
立ち姿ひとつでも、言葉で書いてあるより、正しい姿勢を描かれているので分かりやすいし、背筋のラインや服のシワの感じといった細部もちゃんと見られるのは面白いです。
そういうところにも注目して読まれているんですね!
この作品はホテルマンの話だからそういう所にも目がいきますが、漫画で人生観が変わるような作品もありました。音楽も以前は全然興味がなかったけど、漫画から音は聞こえてこないのに勉強になることが多かったし、他にも色々なジャンルの漫画があって楽しいですよね。これからもできるだけたくさん読もうと思うのですが、今はほかにも色々なことに興味を持ちはじめているので、毎日が忙しくてとても楽しいんです。
鈴木仁
すずき じん
1999年7月22日生まれ。
インタビューでは、お写真のクールな感じとはまた違ってニコニコとした表情で楽しそうにたくさんお話をしてくださいました。作品についてのお話ではとても真剣な表情をされていて、どのシーンも真っ直ぐ、色んな視点で考えて挑まれていたのがすごく伝わりました。撮影中の小豆島でのエピソードでは思わずクスッと笑ってしまうくらいたくさんの撮影の裏側をお話ししていただきました。そしてなんと取材終盤では、前田旺志郎さんが入ってこられた時は、とても仲良く話している姿に小豆島でキャストの方々との楽しそうに過ごされているのが想像できるくらいの仲の良さでした。これからも俳優業もやられながらモデルと色々なことに挑戦し続けている鈴木さんを応援しております!お久しぶりのご出演ありがとうございました!
4月期のテレビドラマでは、テレビ東京『95』(‘24)に出演。最近の出演では、フジテレビ『大奥』(‘24)、テレビ東京『さらば、佳き日』(‘23)、映画では、『八犬伝』(‘24)、『モエカレはオレンジ色』(‘22)、『のぼる小寺さん』(‘20)などがある。
©2024映画『からかい上手の高木さん』製作委員会
『からかい上手の高木さん』
キャスト:永野芽郁 高橋文哉
鈴木仁 平祐奈 前田旺志郎 志田彩良 / 江口洋介
原作:山本崇一朗「からかい上手の高木さん」(小学館「ゲッサン少年サンデーコミックス」刊)
監督:今泉力哉
脚本:金沢知樹 萩森淳 今泉力哉
主題歌:「遥か」Aimer(SACRA MUSIC/Sony Music Labels Inc.)
音楽:大間々昂
コピーライト:©2024映画『からかい上手の高木さん』製作委員会 ©山本崇一朗/小学館
※Item Credit
Jaket:¥107,800/th products
Shirt:¥62,700/th products
Pants:¥74,800/th products
other:スタイリスト私物
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:NOBUKIYO
スタイリスト:小松嘉章
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿