齋藤潤
映画『室井慎次 敗れざる者 生き続ける者』
「二つで一つの作品だなと感じてもらえると思います」
今年1月に公開した映画『カラオケ行こ!』で合唱部の部長役を好演し、先日は第16回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞受賞と、今大注目の若手俳優・齋藤潤さんがFASTに初登場!最新出演作となる映画『室井慎次 敗れざる者』(現在公開中)、そして11月15日から公開の『室井慎次 生き続ける者』では、母親を殺害され、今は警察を退職した室井と一緒に暮らしている森貴仁(タカ)を演じています。作品の魅力や自身の役どころ、エピソードなどをお聞きしました。
©2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
<あらすじ>
警察を早期退職した室井(柳葉敏郎)は、事件の影響を受けた子供たち(齋藤潤、前山くうが、前山こうが)を引き取り、故郷・秋田に移り住んでいた。周囲から冷たい言葉をかけられるも、彼は子供たちを守りながらひっそりと暮らしていた。しかし、特殊詐欺と強盗事件の犯人の遺体が室井の家の近所から発見され、街は混乱に陥る。
改めて、本作の出演が決まった時の気持ちを教えてください。
これだけ長く続いている『踊る大捜査線』という歴史あるシリーズの一部に関われることは本当に嬉しいことでしたし、とても重要な役どころを任せていただいたので、今振り返ってみると凄まじい経験をさせていただいたと思います。
僕は過去の作品を見るところから始めたのですが、そこから今日までずっと続いてきた繋がりを改めて映画として見させてもらえるのは幸せだなって思います。全体のパワーがすごいんですけど、初めて感じる「重み」みたいな部分もあって、そこに携わる役を演じさせていただいているんだなという実感をひしひしと感じています。
今回の役はオーディションだったと伺いましたが、どのようなことを心がけましたか?
指定されたワンシーンを演じたのですが、自分なりに脚本から読み取ったものを伝えられればいいなと思って臨みました。
今作で演じた「タカ」をどんな人と捉えて撮影に臨みましたか?
自分に対する責任感が強い人だなと思いました。もちろん、母親を殺害した犯人に怒りはあるけれど、自分への怒りみたいなものもあって、それを繋げて考えてみれば、きっとタカは「自分があの時、もっとこうすればよかった」って思ったと思うんです。元々持っている正義感の強さもあると思うし、ちゃんと自分の芯が通っているなと感じました。
面会室で加害者と対峙するシーンは、緊迫感がありながらもタカの成長を感じて、とても心に響きました。あの時はどんな感情がわきましたか?
タカとしては、あの時に覚悟は決まっていたと思います。室井さんも側にもいるし「僕はここで大人になる」という決心と言いますか。面会する前に、室井さんと「犯人と会うかどうか」について話合うシーンもあるのですが、僕から見たら、高校生が殺人犯と対峙するなんてすごい状況に立っているなと思います。
もちろんタカも、犯人と直接会うことの怖さや、それなりの抵抗感、不安も絶対にあったと思うんですけど、母親を亡くした時の後悔や悲しさという自分でも認められなかった部分を「今ここで自分が認めてあげるんだ」と自分自身に言いきかせているような感覚でした。
『敗れざる者』のラストを見て、「ここで終わるの~⁉」と思わず叫びそうになりました(笑) 。本作での「タカ的見どころ」を教えてください!
タカが、母親の死と犯人に向き合うシーンが途中からあるのですが、そこは、僕的にすごく魅力的で見どころです。面会を終えた後に室井さんから「大きくなったな」と言われるのですが、そこからまた室井さんの過去に繋がるところもあるので、「これは『生き続ける者』も見ないと気持ちが収まらないな」って僕も思いました。
そんな気になる『生き続ける者』の展開を、教えていただける範囲でコソっと教えてください!
僕から言えることは……(と考えること数秒)ほとんどないのですが(笑)、『敗れざる者』の最後に『生き続ける者』の予告映像が流れると思うんですけど、あそこに映っているものが全てじゃないかなと。そこだけでは終わらないものも絶対に本編で描かれていると思いますし、まだ事件のことも含めて分かりきっていないこともあります。そこが最後に回収されて、それぞれがつながる部分があると思うので「これは本当に二つで一つの作品だな」って感じてもらえると思います。
齋藤潤
さいとう じゅん
2007年6月11日生まれ。
登場と同時にFASTスタッフ全員に「齋藤潤です!」とフレッシュに、そしてとても丁寧に挨拶をしてくれた齋藤さん。衣装にも負けない大人っぽさと雰囲気でジャケットを纏っている姿がとても似合っていました。撮影中でも終始カメラマンとたくさんコミュニケーションを取りながら進めてくれました。かっこいい写真からすごくにこやかな齋藤さんのありのままのような表情までたくさんカメラに向けてくれました。カメラマンからの要望にもパパッとすぐに応える姿はとても聡明で、お芝居をされるスイッチの入った一面も撮影中に見せてくれました。
後編では、齋藤さん学校での話やプライベートの過ごし方などにも迫っております。お楽しみに!
最近の出演作に、TBS『9ボーダー』(‘24)、NHK『生理のおじさんとその娘』(‘23)、映画では、『からかい上手の高木さん』(‘24)、『カラオケ行こ!』(‘24)、『正欲』(‘23)などがあり、そして、『室生慎次 敗れざる者』(公開中)、『室井慎次 生き続ける者』(11月15日公開予定)、『366日』(2025年公開予定)が控えている。
©2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
作品タイトル
『室井慎次 敗れざる者』 10月11日(金)全国東宝系にて公開中
『室井慎次 生き続ける者』 11月15日(金)全国東宝系にて公開
スタッフ・キャスト
プロデュース: 亀山千広
脚本: 君塚良一
音楽: 武部聡志
監督: 本広克行
出演: 柳葉敏郎 福本莉子 齋藤潤 前山くうが・前山こうが・
松下洸平 矢本悠馬 生駒里奈 丹生明里(日向坂46) 松本岳 佐々木希・
筧利夫 甲本雅裕 遠山俊也 西村直人 赤ペン瀧川 升毅 真矢ミキ・
飯島直子 小沢仁志 木場勝己 加藤浩次 稲森いずみ いしだあゆみ
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:JANET(KIND)
スタイリスト:岩田友裕
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿