のせりん
お芝居を始めた頃とは意識が変わった
高校在学中にモデルとして活動をスタートさせたのせりんさん。2023年に俳優デビュー後は、ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』をはじめ、数々のドラマに出演。唯一無二の存在感で活躍の場を広げるのせりんさんに、映画『近畿地方のある場所について』にちなんだお話や、お芝居への向き合い方の変化などを伺いました。

映画『近畿地方のある場所について』で主演を務める菅野美穂さんや赤楚衛二さんと共演されて、いかがでしたか?
お二人とのシーンの撮影は一日だけだったのですが、合間にたくさんお話ししてくださり、すごくやさしかったです。菅野さんは、「用意、スタート!」の2分前ぐらいまで普通におしゃべりされていて。赤楚さんも、落ち着いた感じで菅野さんの話を聞かれているので、余裕を感じましたね。僕も「へー!」と話を聞きながら、心のなかでは“ヤバいヤバいヤバい!セリフが飛んじゃうかも”と焦っていました(笑)。
菅野さんが場を盛り上げてくださったのですね。
そうですね。もしかしたら、僕が緊張しないようにしてくれたのかもしれないですけど、とても接しやすくしてくださって、怖いシーンを撮る前とは思えないぐらいの和やかさでした。
菅野さんや赤楚さんから、お芝居のアドバイスなどはいただきましたか?
お芝居の話は、ほとんどしなかったです。菅野さんに「心臓強いよね。緊張しないの?」と聞かれて、「いや、今、めっちゃ緊張してます」と答えたら、「えー、全然見えない。いいね!」と言われたのが印象に残っています(笑)。一日しかご一緒できなかったので、またご一緒できるようにがんばりたいです!

ホラー映画の撮影現場では、不思議な現象が起こることが多いとお聞きしますが。
もしかしたら、自分が気づかなかっただけかもしれないけど、僕の撮影シーンではありませんでした。僕、先祖代々霊感のない家系で、今まで一度も心霊現象を体験したことがないんです。友達からも、「手形が~」とか「音が~」とか「物が落ちた」みたいな心霊体験を聞いたりするので、1回経験してみたいなと思うんですけど。僕が、怖いものが心底嫌いだからですかね?(笑)
都市伝説・階段・UMA・オカルトといったあらゆる「コワい」を体感できる本作ですが、ご自身はお好きですか?
UMAとかUFO、ピラミッド、モアイ像などはすごく好きで、小さい頃からオカルト雑誌の「ムー」を読んだりしていました。でも、それがお化けとつながると、もう見られなくなるんです。“日本人形の髪が伸びます”みたいに、日本のホラーは身近でリアルに感じちゃうから苦手なのかもしれないです。

俳優デビューから約2年。数々のドラマに出演してきましたが、お芝居に対する意識や取り組み方などが、当初と変化した部分はありますか?
今年の3月に別の映画の撮影をしていたんですけど、1カ月間、泊まりで地方ロケがあったんです。宿と撮影現場を行き来する日々のなかで、一人になることもすごく多くて、自分について考える時間がいっぱいありました。あと、みなさんがゼロからモノづくりをすることに本気で向き合っているのを間近で感じることができたことも、すごく刺激を受けて。僕のなかに、この今やっていることが自分の仕事なんだっていう意識が芽生えたんです。なので、ホントにここ最近の話ですが、3年目でお芝居への向き合い方は変わった気がします。
一生、役者の仕事を続けていきたい、と。
そうですね。一生、やっていきたいです。

のせりんさんはFAST初登場ということで……「のせりん」の“あいうえお作文”で自分自身を表すと?
「ノリはいいよ、基本的に」。「せっかちなときがあるよ、たまに」。「リンパを流すのが好きです(笑)」。「ご機嫌(ん)」、ですかね。わりと、いつもご機嫌です(笑)。
何をしているときが、一番ご機嫌ですか?
結構、何もしていなくてもご機嫌かもしれないです(笑)。最近はお芝居をしているときがすごく楽しいです。

なりたい役者像などはありますか?
幅のある芝居ができる役者になりたいです。そして、また映画に携われたらいいですね。
それぐらい、映画の撮影が楽しかったのですね。
すごく楽しかったです!今、ドラマの撮影に入っていますが、映画とはまた別の気づきが毎日あるので、どちらも両立してやっていけたらいいなと思います!

のせりん
2003年3月25日生まれ。
撮影では始まる前に「のせです。」と丁寧にご挨拶をしてくださったのせりんさん。SNSで見る服やメイクの撮影とは空気感が違うからか、最初は少し緊張気味で表情も硬かったですが、徐々に場の空気に慣れてきて、表情も柔らかく、最後にはかっこよく、ご本人らしい写真を撮ることができました。
どこか不思議でミステリアスな雰囲気がありながらも実は本当にノリが良く明るいのせりんさん。これからもお芝居から色んな刺激を受けながらも、純粋に変化し続けるのせりんさんのご活躍を心から応援しております!初登場ありがとうございました!
最近の出演作に、テレビドラマでは、カンテレ・フジテレビ系『僕達はまだその星の校則を知らない』(‘25)、TBS『毒恋〜毒もすぎれば恋となる〜』(‘24)、日本テレビ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(‘23)、映画では、2026年公開予定の深川栄洋監督オリジナル作品『あなたの息子引き出します!』が控えている。

©2025「近畿地方のある場所について」製作委員会
原作:背筋「近畿地方のある場所について」(KADOKAWA)
出演:菅野美穂、赤楚衛二
監督:白石晃士
脚本:大石哲也 白石晃士
脚本協力:背筋
音楽:ゲイリー芦屋 重盛康平
主題歌:椎名林檎「白日のもと」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
配給:ワーナー・ブラザース映画
オフィシャル:公式サイト KINKI-MOVIE.JP/公式X @kinki_movie
コピーライト:©2025「近畿地方のある場所について」製作委員会
ハッシュタグ:#近畿地方のある場所について
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿