【井上想良】「楽しむために、やりたいことをやる」俳優としてのモットーに辿り着くまでの、苦悩とルーツ

INTERVIEW

2023年4月10日

井上想良

「楽しむために、やりたいことをやる」

俳優としてのモットーに辿り着くまでの、

苦悩とルーツ

この4月から放送がスタートしたドラマ『ガチ恋粘着獣』に出演中の井上想良さん。俳優歴３年目にし、フジテレビ系月９ドラマ『女神の教室〜リーガル青春白書〜』に出演するなど、破竹の勢いで活躍。「どんな役でもやりたい」と語る彼の、俳優としての価値観やルーツを探りました。

俳優としてやりがいを感じるのは

どんな時ですか？

その期間に撮影している作品が終わって、またすぐに次の作品が始まるという世界で、様々な作品で自分が演じる役の“ふり幅”にやりがいを感じることが多いです。たとえば、この前まで恋なんてしないような大人しい大学生を演じていたと思ったら、次は遊び人の役を演じたり……。そういうふうに、いろんな人に成れるというか。

あらゆる人生を体験できる？

そうですね。多くの人は「よし、明日から変わろう」って思うことなんて何度もないと思うんです。たとえもしそう思って変わることができたとしても、それまでの過去の自分は消すことができないから、人生すべてが変わるわけではないじゃないですか。でも俳優の仕事は演じる役の人生を一から過ごすことができるわけで、それが楽しいなと感じますね。

様々な役を演じるなかで、

どのように役作りをしていますか？

その人物がどういう生活を送っていて、どういう学校を出て、どういう家族構成で、どういう過去があって……というのを自分で考えたり、書き出してみたりしています。どんな人にも過去って絶対あって、それは作品の登場人物も同じというか。そんな台本には書かれていないような役の人生を自分なりに考えることによって、セリフに重みや説得力を出せるようにしていければなって考えています。

日常生活でその時演じている役の

癖や性格が出てしまうことは？

ありますあります（笑）。むしろ、そうなってしまうくらいにその役が自分に染みついていないとお芝居に自信も持てないかもしれないです。そうじゃないと、「よーいスタート」で撮影が始まったその瞬間に、全然違う人間に自分を変えられないと思っています。ある程度その役を演じている期間は、自分自身の性格や仕草がその人物に寄っていないと……。

そんなお忙しいなか、

最近興味のあることはありますか？

コーヒーが好きなんですけど、コーヒーメーカーのちょっとだけいいやつをこの間購入したんです。それで最近は、いろんなコーヒー豆を試すことにハマっていますね。あ、あと、コーヒーの焙煎を一から体験できる場所があるみたいで。それやってみたいなあって（笑）。

もし長い休みがあったらそれをしにいく？

そうですね、豆にもたくさん種類があって奥深いですし。あとは休みがあったら、割と食に振り切った過ごし方というか、今日はこれ食べて、明日はこれ飲んで、っていうふうな過ごし方をしたいですね。ここ１年くらいでやっと食にこだわったりするようになってきたんですよ（笑）。休みの日くらいはちゃんと自分が食べたいものを食べよう、って思うようになったというか。

お仕事の移動中は

何をされていることが多いですか？

移動中は他の作品を観たりすることが多いですかね。ただどうしても100%視聴者っていう観点ではなく、やっぱり半分以上は俳優として勉強するつもりで観てしまいますね（笑）。それから最近は小説も読むようになってきました。

元々本を読むのは好きなんですか？

いえ、そういうわけではなかったです。僕、台本もそうなんですけど読むのがすごく遅くて（笑）。洋画とかを観ていても字幕の一言一句を見逃したくないから、観賞中に何かを食べるとか、同時に何かをするとかできなくて（笑）。小説も読み逃したくないからじっくり読んでしまって、それで遅くなっちゃいます。

俳優としてデビューされてから

３年ほど経ちますが、

振り返ってみていかがですか？

一言で言うと「楽しい」です。というか、ここ１、２年でやっと楽しむ余裕ができてきました。というのも、最初の頃は知識がないことにコンプレックスを感じていて、だから知識をつけようと勉強として映画を観たりしていたんですけど、最近はそれをやめて本当に自分が観たいものを観るようになれたんです。“やりたいことをやる”というスタンスに変わってから、より楽しめるようになりました。

大分県出身で

デビュー前はスポーツを熱心にやられていたり、

ある意味俳優とは無縁だったというか。

そうですね。本当にテニスばっかりやっていたので（笑）。だから知識がなくて、映画好きの人と話すらできないくらいで。でもある時、無理して知ったかぶりというか、強がったりするのではなく、素直に自分が好きなものを伝えるようにしたんです。こっちが気を使っていたら、気を使われてしまいますし……。それで殻を破ったというか、より素直になるようになって、それをきっかけに最近は物事を楽しめるようになりましたね。そういう意味で、“自分が楽しめるように、やりたいことをやる”ということを意識するようになりました。

それでは最後に今後の目標を教えてください！

ベースとして自分のなかにあるのが、好きな役をやりたい、ということなんです。でも、それを叶えるためには今はどんな役でも経験として、勉強として、自分が身につける必要のあるものだと思って頑張っていきたいです。どんなことも一回飲み込んで、それをどう楽しめるか模索しながら、楽しみながら仕事をしていきたいです。だからこれからもどんどん自分がやったことのない役や、自分が体験できないような人生を演じていきたいですね。